more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

第52回 高松宮記念

ナランフレグ、インの厳しい進路をよく抜けてきました。

直線に向いてレシステンシアとジャンダルムの間が空いたところ、鮫島の見事なリードでそのコースを主張したトゥラヴェスーラ。ひとつタイミングが遅れたナランフレグはインに押し込まれ気味に。軽くつまずく位狭くなりましたがそれでも立て直せる体幹とメンタルが備わっていたようです。

3走前のタンザナイトSでインから伸びるパターンをこなしていたので自信をもって、という丸田のコメントでしたが、あの時は直線外目に出しながらかつ馬群がばらけ気味だったんですよね。今回の厳しさとは雲泥の差であるように見えています。

オーシャンSの大外一気からすると相当に腹を決めたレースプランだったでしょう。タンザナイトSは具体的なシミュレーションというより、鞍上の自信につながったという意味で大きかったようです。

丸田はG1初勝利。リトルゲルダとのコンビとハナズゴールの遠征に帯同したというイメージが残っていますが、正直あまり意識してきませんでした。ただナランフレグの体幹の強さをここ数戦感じていた分、鞍上込みで注目はしていました。35歳で届いたG1、師への感謝の涙はストレートにもらってしまいましたね。がんばれ馬券もいただきました、ありがとうございました。

 

公式レースラップはこちら。11.0-11.0と緩まなかったあたりが大きな特徴と思います。

12.1-10.3-11.0-11.0-11.5-12.4

昨年のレースラップも。同じ重発表ですがコンディションは異なっていたでしょう。

12.2-10.7-11.2-11.5-11.6-12.0

 

インから乾いていった馬場。横山武史はそのバイアスも承知で逃げの手にでたものと思います。モズスーパーフレアのような逃げ馬がいませんでしたしね。ただ、重馬場かつ3、4コーナーを緩めなかったことが最後に堪える形になりました。レースラップでラスト1ハロン1秒近く落ちていますからね。

レシステンシアをけん制し続けたジャンダルムもラスト1ハロンで失速。その失速ラップを中団待機馬が差し込んできたわけですが上位馬も末脚を使い切るような内容だったでしょう。馬場バイアスを除けばウオッカ天皇賞秋のラップ特徴に似ているように感じました。

残酷なインアウトのバイアス。これを強く意識したトゥラヴェスーラ以外、7、8枠の人馬は如何ともしがたい外枠スポイルの中で着順を下げてしまったようです。グレナディアガーズ福永の「ゴールドアリュールの仔が勝ったということ、そこに尽きますね」というコメントが象徴しているように思います。

ゴールドアリュール、母父ブライアンズタイムのスプリントG1かぁ。終わってから噛み締めると不思議ですね。

ロータスランドは地力で詰めた2着、最も流れに乗って粘り込んだのは3着のキルロード。4着までのジョッキーが取ったコースが馬場バイアスに対する解答だったように思っています。

 

メイケイエールは常識に適ってきましたが、やはり外枠スポイル。ただやっぱり1200mという馬格と走りではないように見えてしまいますね。それでいうとレシステンシア、メイケイエール、グレナディアガーズ、サリオスと、1~4番人気が生粋のスプリンターではなかったという点も荒れる要因だったかもしれません。

 

出遅れたダイアトニックにも触れておきます。返し馬で鞍上岩田が落ちそうになる挙動、テレビ中継にも映っていました。ほぼ同時に大きな声が聞こえますので、ここに惨敗との因果関係を見い出す方がTLにも見られました。

個人的な見解ですが「大声と着順の因果関係はわからない」「大声で馬を驚かせるのはいいことではない」「ダイアトニックが驚いたのは声ではないかも(断定できないという意味で)」というところ。確認した限りの情報では断定的に語りにくいですね。

mahmoudさんが映像から解説を加えていましたが、因果関係はわからんよというメッセージを出したかったものと受け取っています。

ああいった回避行動は何かが急に視野にはいった際に起こるのでは、という推測をしております。ちょうど地下馬道への坂道とその周囲を囲む垣根があってそれが切れたあたり。視界にはいるものが変わる位置ではあります。何かが動いたか、何かが光ったか。はい、推測の域をでないんですよね。少なくとも時節柄もありますし大声は控えましょう。

※3/30追記:岩田のくしゃみ説がでていますね、その姿を野次られたという状況のようです。自爆でしたか…。※4/5追記:岩田に取材した記事を確認しています。どうやらカメラマンの姿に驚いて回避行動、それに合わせて鞍上が声を出したとのこと。そのカメラマンの挙動は避けがたいものだったのか(ダイアトニック次第というれべるなのか)、気を付けるべき点があったのか、そのあたりまでフリカエリできるとよいですね。

 

最後に。短くまとめようと思いながら、G1が語ることが多いですので字数が増えていきがちですね。もう少しライトに、もう少しタイミングよく言葉をまとめてアップしたいなと思っています。

ちなみに予想は考えすぎた末、内枠と外枠から◎グレナディアガーズ、▲ナランフレグをピックアップ。どちらもサリオスやロータスランドのあたりから抜けてくるイメージでしたので、BOX買いでよかったという若干の結果論でございました。でもナランフレグの堅実な脚は信じてましたよ。