more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

第74回 阪神ジュベナイルフィリーズ

リバティアイランド、理想的なレース展開で戴冠となりました。

 

サンティーテソーロが作り出したハイペース。ポジションを取って追走する力が求められたようですね。リバティアイランドはスタート後に6枠の2頭にプレッシャーをかけられていましたが下げ過ぎずに中団へポジショニング。直線に向いてひと呼吸、リズムを整えてから追い出しを開始しました。川田のリードが確かなそれだったという印象です。

上位入線馬はイン寄りのポジションからそれぞれの特徴で粘りこんでいました。対してリバティアイランド以外の上位人気馬はハイペースの中、後方待機からなし崩しに脚色を失ったように見えています。モリアーナ以外は2桁の馬番、さらにに8枠の3頭は十分でないスタートでした。枠とペースがかなりバイアスを生んだ結果のように受け止めているところです。

リバティアイランドは強いと思っていますが、着差がついたのはこのバイアス分もあると考えておきたいですね。

 

公式レースラップ

12.1-10.5-11.1-11.5-11.8-11.1-12.5-12.5

 

インが使える馬場コンディション

日曜の芝レース、午後には坂井瑠星が連勝。特にスズカノロッソの最内をついてのパワー差しはなかなか鮮やかでした。ラスト1ハロンで急に失速してしまうような馬場ではないという見立て、そして2歳馬のパワーだったら逃げ馬の粘り込みも立ち回り次第ではありかも、と見積もっていました。

 

本命は迷ったうえでリバティアイランド

実は直前までサンティーテソーロかリバティアイランドで悩んでいました。リバティアイランドの脚力とストライドは最上位に評価しつつも、やはりあの前走、ロケットスタートは魅力的でしたし道中ピッチを落として走れていましたからね。

正直、パドックではどちらも目立った強調材料はなかったという印象。返し馬まで確認して、外枠から番手までスタートダッシュを利かせる馬からプレッシャーがかかるデメリットを考慮して、リバティアイランド本命と決めました。

 

鞍上川田は2歳G1コンプリート

鞍上川田はコロナ陽性反応で土曜まで騎乗不可。どうやら無症状だったようで土曜に再検査で陰性、晴れて日曜の騎乗OKとなりました。

アルテミスSで折り合いを重視した分もここで活かせたとのコメント。本人はあまり気にしていない気もしますが、これで2歳G1はコンプリートとなりました。中内田厩舎の主戦というイメージとしっかり重なる結果ではありますね。

 

ダノンの2騎が香港遠征を決めた際にどうなるんだろうと思っていましたが、どうやら本人、夏には香港に行かない旨を表明していたようですね。netkeibaの連載コラムでその経緯について触れています。詳細は有料になりますが。

news.netkeiba.com

それだけの手ごたえを得ていたということ、だったようですね。リーディングジョッキーの見事な選択となりました。

 

シンリョクカ、ドゥアイズはインを巧みに利用して2、3着

シンリョクカは集中に欠けて見えた追い切りがかなり気になっていましたが、サンティーテソーロの直後を苦も無く取れるメリットを大きく評価して相手に加えていました。我ながらいい判断でしたね。もうひとつ馬格がほしいところですがいい走りをしていました。おそらくですが、外枠を引いていたらラヴェルやウンブライルのようなスポイルとなっていたでしょう。

ドゥアイズは3コーナー過ぎから鞍上がインにコース取りするファインプレー。直線に向いてから外へスライドしている様は内枠を引いた馬のようでした。個人的にはシンリョクカよりこちらが読み切れなかったですね。中団より後方ですから、ペースを深追いした先行勢をやり過ごす形も取れました。吉田隼人の上手さを見た思いです。

 

ウンブライル、ラヴェル、ブドンドールは外枠スポイルで敗退

ハイペース寄りでかつイン寄りのバイアス。そこに加えてスタートがあまりよくありませんでしたから、後方のインを追走する以外に方法がありませんでした。待機策はそのまま末脚をなし崩す結果になったようですね。着差や着順はあまり問わなくてよいように思っています。3頭とも、サンティーテソーロがでないスローペースの府中や阪神のマイル重賞ならあっさり巻き返しそうな印象です。

 

サンティーテソーロはペースを演出

前走と変わらず、素晴らしいスタートダッシュでした。横山和生は、レースを3分割すると緩→急→緩というリズムで臨んでいたようです。残り600からのレースラップ11.1に違和感を感じていましたが、mahmoudさんの個別ラップを見るとサンティーテソーロのラスト3ハロンは「11.54-12.23-13.50」。リバティアイランドに先頭を譲ったのがほぼラスト200ですから、レースラップも11.5-12.2くらいのバランスだったようですね。

スタートダッシュとラスト1ハロンの失速ぶりから将来スプリンター?と思わせますが、個人的にはベストが1400というタイプに大成するのではと思っています。いまいまのフォームや筋肉の付き方はエピファネイア、まだ揉まれこんでいないスカイグルーヴというイメージで見守ろうかな。先が楽しみですね。

 

香港国際競走も少しだけ

JRAの結果ページはこちら。

www.jra.go.jp

ウインマリリンが香港ヴァースを制した展開はなかなかびっくりでした。スタートからどんどんポジションを下げていくダミアン。そのリズムがよかったようで、直線後方の外からまとめて差し切りました。

この一発回答は信頼感アップにつながりますね。あの位置だと伸びきれないパターンかなと思ってみてたんですけどね。お見事でした。

 

驚いたのは香港カップのロマンティックウォリアー。前走の勝ち方が強かったと見ていましたが、パンサラッサ自身が苦しくなるペースを追走してそのまま突き抜けてしまいました。

先行したレイパパレ、控えたジャックドール、ジオグリフも惨敗。唯一ダノンザキッドが健闘の2着でしたが、勝負が決してからの末脚発揮と見えました。リズムは前走マイルチャンピオンシップのそれと似ている認識ですが、それではロマンティックウォリアーには通用しなかったということかなと。

タフなチャンピオン、府中の高速馬場ではどれだけ通用するのか。イクイノックス、ダノンベルーガ、シャフリヤールといった日本の中距離G1で好走歴のある馬はまだ未対戦。どういった勝負になるかは見ものと思っています。

 

最後に

週中のJRA定例会見はトピック満載でした。2023年から最優秀短距離馬を「最優秀スプリンター」「最優秀マイラー」に分けるとのこと。また、3月からJRAホームページで全レースライブ配信が決まっています。この2点だけでもなかなか強烈なニュースですね。

全レースライブ配信はRacing Viewerとどう棲み分けを行うのか、動画の解像度かな、などと個人的に気になるポイントはちょっとずれているかも。スプリンターとマイラーを分けるのは歓迎をしつつも気になる点はありますので改めて別の投稿で書いてみようと思っています。

朝日杯前日になっていますが、枠順も土曜の雨予報も悩ましいですね。馬場コンディションで大幅に勝負になる馬が変わってしまいそうで、まだレースのイメージを膨らませるのは止めているところ。

今年はホープフルSのメンバーが1枚上手という認識ですがどんな朝日杯になりますか。当日までじっくり取り組みたいと思います。