more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

第38回 マイルチャンピオンシップ

グランアレグリア、連覇で有終の美を飾りました。

ルメールは3コーナーまでにダノンザキッドを前に迎え入れる形を取りました。ひとつ外にはリプレーザ、その前にはロータスランド。パトロールビデオではグランアレグリアを馬群に囲う四角形が見えると思います。

全員がグランアレグリア徹底マークではなかったでしょうが、自身にプラス相手にマイナスな動きを取る戦略は定石でしょう。例えばロータスランドは前に馬を置きたい面と、自身が控えることで後方外差しの有力馬をけん制する面と、両方の思惑があったものと推察しています。

緩やかなグランアレグリア包囲網。1番人気のチャンピオンですからごく常識的なマークのされ方と思っていますし、その各馬のちょっとずつのマークする心理が大きなディスアドバンテージを生むとも思っています。

f:id:barnyard:20211124021415p:plain

2021年マイルチャンピオンシップ、12番グランアレグリアを囲うようにリプレーザ、ロータスランド、ダノンザキッドがポジショニング

3コーナー、残り800付近でちょっとだけリプレーザが外へ、そのちょっとの動きをルメールは見逃しませんでしたね。少しだけグランアレグリアを外へ誘導してカラダを入れた格好。これで先の四角形が崩れ、グランアレグリアはひとつ前へ。前に置いていたダノンザキッドのひとつ外、ロータスランドの直後というポジションアップができました。

f:id:barnyard:20211124021543p:plain

2021年マイルチャンピオンシップ、グランアレグリアがダノンザキッドの外にポジションを上げ、リプレーザは外に押し出される

リプレーザは引き続き外からグランアレグリアへ蓋をする形。ただこれも加速に付いていけない中での抵抗、という状況だったでしょう。グランアレグリアは加速しながら遠心力を利してリプレーザを置き去りにします。最終コーナーでロータスランドのひとつ外、グランアレグリアの進路は開けました。

f:id:barnyard:20211124021811p:plain

2021年マイルチャンピオンシップ、グランアレグリアロータスランドの外へ展開、直線に向けて視界をクリアに

通算1500勝に相応しいルメールのスムーズな誘導。直線に向くタイミングで視界がクリアになったのは、もうお見事と言うほかありません。

公式レースラップ

12.5-11.2-11.9-12.0-11.7-11.1-10.7-11.5

昨年のレースラップ、インが伸びにくいというのは同じでした。逃げたのはレシステンシアでしたね。

12.5-11.0-11.4-12.0-11.6-11.0-10.8-11.7

外差し寄りだがインもわるくない馬場コンディション

当日の新馬戦ではグレナディアガーズの下に跨った川田が後方インから最内をついて差し切り勝ち。上がり33.6ですから前日より上がりは速くなる傾向だったでしょう。京都の代替開催で使い込んだ阪神コースですから、どうしても外差し寄りになるという先入観でしたが、インも持ちこたえている印象でした。

メディアでは外差し馬場という言葉が躍っていましたが、インから5、6頭分は前のレースで掘り込んだラインが次のレースで伸びにくくなる、という繊細なコンディションだったように見えていました。直線でサリオス、インディチャンプがインをキープしたのも、わるくない選択だったでしょう。枠順的にグランアレグリアの近くまではもっていきにくい、という事情もあったと思います。

ホウオウアマゾンのマイペース

坂井瑠星というキャラクターが意識されていたでしょうか。スタートからほぼ競りかけられず、マイペースの単騎逃げになりました。個人的にはもう少し流したラップになり、かつロータスランド、サウンドカナロアがもう少し近くまで来るものと思っていましたが、ペースも抑え気味で2頭とも待機策に。クリノガウディー、グレナディアガーズといった速めのラップが欲しい馬は力んだ追走になってしまいました。

サウンドカナロアのオーナーはどうしてもとG1出走にこだわったようですが、今回何をしたかったのか。ロータスランドも切れ味勝負に向かない馬で待機策から切れ負けする展開。ちょっと腑に落ちない先行争いになったという印象です。レシステンシアに手を出しにくいというけん制の効いた昨年とは、近しいラップですがだいぶ意味が異なると思っています。

でも坂井瑠星の引き出しが増えたという見方もできそう。ペースを深追いする逃げが多かった認識がありますので、ラップメイクに幅がでているひとつの現れと受け取っています。スタミナの底を体感するような突っ込んだ逃げの経験は、今後の騎乗のさじ加減に活きてくるだろうと思っております。

ひとつあるとすれば直線のイン選択でしょうか。溜め逃げにした分早めに後続にこられましたので、大阪杯のレイパパレのような大きく外へ展開する選択肢は早々になくなっていました。このあたりは難しいところですね。直線で掘れる箇所にパワーを奪われたように見えています。着順より割り引いて捉えたいところと思っています。

グランアレグリアのコンディション

1週前のフォトパドックであれ?と思った方はそれなりにいたようです。自分もちょっとふっくらして見えました。年齢、詰まったローテーション、軽めの1週前追い切り、そして藤沢厩舎(苦笑)、などなどふっくらの理由を探すことになりました。タイキシャトルのラストランはよく覚えていますからね。

藤沢師は前走後、飼い葉量を増やす指示を出したようです。このあとの香港遠征を蹄の状態を理由に回避したように(香港は歩様チェックが厳しいみたいですね)、蹄の状態にセンシティブな面を抱えてきたわけで。今回は接着装蹄で臨むことが発表されていましたので、ここで食べる量を増やしにいったことと合わせて、全力投球の表れと受け取っていました。

裏目に出る可能性もありうるといういじわるな発想をしていたんですよね。昨年に引き続き女王に失礼な予想になってしまいました。

シンコウラブリイで始まり、グランアレグリアで締めくくる

この投稿は週明け火曜の祝日に書いています。浦和記念は最内かなーなどとのんびり過ごしつつ、シンコウラブリイマイルチャンピオンシップの映像を観ていました。

内枠スタートから重馬場を先行して、京都の下りを大回りしながら直線へ。フィジカルと前進気勢が目立つ走りを鞍上岡部が尊重しながらの走り。残り100まで追い出さないあのスタイルと上手くマッチしていましたね。

ラストランまで前進気勢が保たれているのはグランアレグリアも同様。このあたりに藤沢厩舎の変わらないキャラクターが覗いているように思います。先に挙げたタイキシャトルもそうでしたね。

ゼンノエルシドを含めて、藤沢厩舎のマイルチャンピオンシップは計6勝。調教師では最多勝の記録となりました。スピードにこだわった師を象徴する結果なのでしょうね。…逆らった予想をしてしまったなぁ。

気になる馬

グレナディアガーズ

前に馬を置けず、力みっぱなしの追走になってしまいました。もう少しペースが締まり、外枠から先行する馬が蓋になり、自身はもうひとつ後ろからという勝手なイメージをもっての本命。読んだペースが違うわけですから、池添といっしょに落ち着けと願うだけの道中になってしまいました。

気性からくる力まないスピードだけスプリンターのそれなのでしょう。きっと今後も、リラックスして歩幅を詰めてあのペースを追走する器用さは身に付かないのでしょうね。レース選択が悩ましくなってまいりました。

シュネルマイスター

内枠スポイルという状況下でよく2着まで押し上げてきました。3コーナー過ぎからずっとダーリントンホールに被せられる展開。これがリプレーザだったら先のグランアレグリアのように早々にパスできたかもしれませんが、6着に粘る馬ですからね。

さらに直線に向いて前方にいるのがサリオスとインディチャンプ。横山武史が2頭の外を一貫して狙っていたのも頷けます。視界がクリアになるまで時間を要するあたりが典型的な内枠スポイルと思っています。

ダノンザキッド

善戦の3着でした。序盤でできるだけポジションを取って、かつ前に馬を置くポジション。サウンドキアラ武豊の後ろですから追走の不安は少なめだったでしょう。直線に向いて、一瞬だけグレナディアガーズの外を狙ったように見えていますが、グレナディアガーズの内、サウンドキアラとの間に進路をつくってきました。

4コーナーで手が動いたあたり瞬時のシフトアップに少し不安を覚えますが、ラストまで確かな末脚を見せてくれました。33.0は自身最速。マイルがベストかはまだ何ともと思っていますが、ハーツクライジャスタウェイの完成時期はもう少し先と信じて。来年を楽しみに待ちたいと思います。

最後に

ジャパンカップの指定席に落選して意気消沈しているところです。やっぱり現地で観たかったですからね。いちおう直前まで空きがでるかチェックするつもりですが、まず無理でしょうね。残念。

週頭のカレンブーケドール回避も残念でした。考慮すべき馬が減ってしまうのもね。エフフォーリア、タイトルホルダー、クロノジェネシスらが有馬記念に回りましたから、メンバー的にも少し分散した感があります。

ダービー馬4頭の参戦。史上初の揃い踏みですが、マカヒキがえらいですよね。マカヒキの陣営が、というべきでしょう。どうやら海外からのオファーを断るという経緯もありながらの現役続行。オーナーの明確な意思がある中での復活重賞Vだったわけです。応えた馬がえらいなぁと。

予想の中心はコントレイルとシャフリヤールになりそうですね。コントレイルは後を考えない仕上げで来るでしょう。ゲートに不安のある馬の120%をどう見るか。ジャパンカップウィーク、楽しんでまいりたいと思います。