more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

第75回 朝日杯フューチュリティS

ジャンタルマンタル、川田のリードで決めました。

 

最初のコーナーまで引っかかっていたダノンマッキンリー。鞍上ルメールは直線まで前に馬を置いて気持ちを収めておきたかったのでしょう、3コーナー過ぎにラチ沿いから離れてひとつ外で進んでいたクリーンエアの後ろにつける形をつくりに行きました。

おそらく、その少し前方で最内を進んでいたタガノエルピータまでは距離があったためでしょう、プッシュして追いつかないといけないですしね、近くのクリーンエアの直後につけたのは妥当な判断と思います。

 

この直後に構えていたのがジャンタルマンタル川田。ルメールがラチ沿いから離れたことで直線を待たずに進路が開いた格好になりました。川田本人のコメントは以下。

4コーナー手前であまり良い形にならなくなりそうだったので、ここは勝負どころだなと思って、早めに進路を確保して動いていく道を作りました。

良い形にならなくなりそうだったというのは、おそらくルメールが内ラチ沿いに戻ってくる=自分の前にはいる、というシチュエーションのことと推察しています。そしてルメールに前にはいられたら、直線に向いて進路を探すような閉じ込められ方になったのではないでしょうか。

一瞬で二手三手先のポジショニングをイメージしてアクションを起こせる。トップジョッキーの信頼感はこうしたところにありますね。

 

ルメールは内ラチ沿いを空けた直後にイン側を2度ほど振り返っています。戻ろうとしたのか、川田が安全にアクセルを踏むため声をかけたか。いずれにしても、結果的に勝ち馬に進路を開く形になってしまいました。失策とは思っていませんが、痛恨ではあるでしょう。

 

ラストまで粘りこんだ脚色はG1にふさわしいスタミナ。2歳暮れという引き算をしてもまだ緩めにみえる馬体でしたので、これから完成していくのが楽しみです。なんとなくですが、シュネルマイスターとイメージが重なっていまして。日本の主流血統では出てこないタイプのボリューム感のあるマイラーになるような期待感を覚えています。

 

公式レースラップ

12.5-10.9-10.7-12.0-12.3-11.9-11.2-12.3

最初の3ハロン34.1、ラスト3ハロン35.1。だけでは特徴を捉えにくいレースという印象です。

 

少し掘れる馬場コンディション

川田がジャンタルマンタルを内から5頭目くらいまで誘導していたように、3、4コーナーはインコース、直線は広範囲にわたって、少し掘れてきていると見て取っていました。

 

日曜の準メイン六甲アイランドSはダノンティンパニーの差し切り勝ちでしたが、内から3頭目くらいを割って伸びてきたあたり、単純に外を回せば有利というわけではなかったようです。

ただ、馬場が掘れてしまうと1レースごとにコンディションが変わりやすいので、多分に読みにくさは増す印象があります。ましてまだ十分筋力がついていない2歳のレースですので、外に展開したほうがストライドを大きく使いやすいというメリットは享受できそうという認識でした。

 

エコロヴァルツは大外を伸びて2着

決して狙った進路取りではなかったと思います。スタートから隣の枠のミルテンベルクが何度となく接触。馬自体かかっていましたが、鞍上ムルザバエフも制御し切れていなかったように見えています。結果、エコロヴァルツは接触のなかでポジションを下げて3コーナーを迎える形になりました。

 

抑えきれずに上がっていくシュトラウスと、接触を受けながら下がっていくエコロヴァルツ。コントラストが強いなぁと思いながら見守っていましたね。

ただ、ここから切り替えてジッとしているのが武豊の凄いところでしょう。4コーナーの出口で迷わず大外に持ち出してからは大きなストライドをめいっぱい活かすことができました。

 

予想の段階では、跳びの大きさと荒れたインコース、そして最内枠を加味して評価を下げていたんですよね。大変失礼いたしました。

1ファンとしては前日のソーダズリングの好リードを見てケガの心配はそこまで要らないかなと安心していましたが、杞憂とはこういうことを言うのでしょうね。

 

どうやら次走は共同通信杯。長い直線はプラス、スタートダッシュからポジションを取りにいけるかで今後が占えるように思っています。

 

シュトラウスは引っかかって惨敗

レース後のマーカンド、出負けはあった、引っかかったわけではない、道中リラックスしていた、という意味のコメントを出しています。TLでコメントが飛び交っていましたが、出負けの時点で抑える判断にできなかったのは次走以降に向けて大きなマイナスという議論には自分も同意です。

 

レースが始まったらすぐにトップスピードにはいりたい、相手を抜き去ってしまいたいという高いテンションがあるのでしょう。それに素直に従ってしまうと次から抑えが効かなくなる=レースでのスタミナ配分ができなくなる、というデメリットが顕在化してしまいます。

最近ですとタッチウッドの共同通信杯皐月賞がわかりやすい例ですね。メイケイエールも同じくくりにできると思っています。どちらも能力をもてあましているように見えますよね。

 

端的にマーカンドが批判されているようですが、陣営とどう打ち合わせしたかにもよりますからね。一概にジョッキーだけを責めるのは早計でしょう。

ただ、3ハロン目10.7と加速ラップを許しながら先頭に立ってようやく落ち着いた鞍下を「引っかかったわけではない」と表現しているのは、陣営向けのフォローでない限りはちょっとピントがずれて聞こえます。翻訳の問題かな。ラップを体感する力は日本の上位ジョッキーのほうが優れている、という捉え方のほうがよいのかもしれません。

 

最後に

いやー、ようやく有馬記念に向かい合うことができますね。枠順抽選会のYouTube動画でルメールと池添ががっくりしている様子は確認済みです。そりゃあね。

 

土曜昼の時点で単勝1桁台が7頭。1番人気はジャスティンパレスですが4.7倍。前々日は一瞬ドウデュース1番人気でしたが恒例の大量投票があったのでしょう。

イクイノックス、リバティアイランド不在の有馬記念。不在であることが予想の面白さを増している印象ですね。

 

いまのところ、ドウデュース、ジャスティンパレス、スルーセブンシーズ、スターズオンアースが気になっていますが、まだまだ予想の組み立てには情報を取らないといけない状況。

アイアンバローズがどのくらい引っ張ることができるのか、タイトルホルダーのコンディションはどの程度か、タスティエーラがどのポジションで進めるか、ソールオリエンスがポジションを求めるのか、差しが効く馬場なのか。

勝敗にかかわるファクターが多すぎますからね。ひとつひとつ検討しながら、最後は自分の気持ちがのせられる(楽しめる)予想にまとめたいと思います。

 

…父親にも勧めたのですが、最後はドジャース馬券になりそうなんですよね笑