more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

JBC 2023とBreeders' Cup 2023

大井は現地観戦、サンタアニタはリアタイ観戦と、充実していたようですね。レース数が多いので気になったことだけまとめておこうと思います。

 

JBC 2023の結果

勝ち馬をまとめておきましょう。

 

JBCレディスクラシック:アイコンテーラー

JBCスプリント:イグナイター

JBC2歳優駿:フォーエバーヤング

JBCクラシック:キングズソード

 

そしてTCKのレース後のリリースはこちら。レースによって前年比はばらつきましたが、4競走合計では前年比でプラス。堅調というべきなのでしょうね。

www.tokyocitykeiba.com

 

武豊乗り替わりの影響

天皇賞当日の負傷でJBC3競走も乗り替わり。翌日のオーストラリア遠征、ローズヒルガーデンズ競馬場のゴールデンイーグルのオオバンブルマイも乗り替わり。その後マイルチャンピオンシップ週までの休養が伝えられていまして、東スポ杯のガイアメンテもマーカンドに乗り替わり。本当に残念な欠場が続いてしまっています。

そして3競走とも乗るはずだった馬が好走しているのがね。アイコンテーラーは勝利、リメイクとノットゥルノは2着。いやー武豊が乗っていたらというタラレバが言いたくなってしまいます。

特にアイコンテーラーは兄弟子河内師の管理馬。代打騎乗の松山に何の異論もないのですが、兄弟弟子でいっしょに勝つシーンが観てみたかったですね。

 

予想は4連敗

門別はパッションクライの押し切りに期待してあらかじめ単勝だけ購入。あとは返し馬重視で大井の予想に注力していたのですが、ピントが合わないまま4連敗となってしまいました。ライオットガールはスタートで後手を踏み1、2コーナーで巻き返した分直線でつらくなった印象。リメイクは追い込みにくい馬場とペースだったかな。そしてテーオーケインズは直線ガス欠という厳しい結果。。。

 

スプリントのダンシングプリンスの落馬も厳しかった。ゲートからの一歩目の前脚が十分持ち上がらずにつまずいた格好。これがラストランになるのは何とも寂しいところです。

その後がね。カラ馬のまま馬群にとりつき(ここのスピードは圧巻)、リメイクの進路をカットしつつバスラットレオンのトモに激突、3コーナーでインへ寄れてリュウノユキナとケイアイドリーへ玉突き的にぶつかってしまいました。有力馬への影響が大きかった印象です。

特にケイアイドリーはリュウノユキナとラチに挟まれてつまずき、ジョッキーが前のめって手綱を落とす場面が。…こちらも買っていたのにね。

 

でもイグナイターの勝利を覆すまでには至らなかったでしょう。思ったより1列前にいけたとは鞍上笹川翼のコメント。馬が強かったですね。このあたりも予想としては外れていましたね。

 

全国的な砂の入れ替えが大きく影響

門別は一足早く、そして大井では10月に馬場で使用している砂の種類に変更がありました。実際、馬場は白かったですね。

 

以下は大井のリリースです。

www.tokyocitykeiba.com

 

これまでは青森の砂を使用していたのですが、砂資源が少なくなってきたことと、シルト化(砂の粒子が細かくなり粘土質になること)によって雨が降った際のキックバックがジョッキーの視界確保になかなか悪影響がでていたとのこと。調教師の方のツイートだったと思いますが、馬の結膜炎との戦いという字面も見ていました。

良馬場だと粒子が細かすぎ、水分を含むとそのまま保水して粘土質化する。というのがこれまでの特徴だったんですね。

以下、上記のリリースから引用です。

このたび導入する新しい砂は、オーストラリアアルバニー産の珪砂で白く見えるのが特徴です。硬度が高くシルト化しにくいため、排水性を確保できることで馬場状態の悪化を防ぐことや騎乗者の視認性確保が期待されます。さらに、入れ替えにあわせ砂厚を10cm(従来は8cm)に変更しクッション性を高めることで、人馬の安全を確保します。

オーストラリアの珪砂(けいしゃ)への変更と8→10cmへの砂厚変更。排水性も上がり、管理はしやすくなったのでしょう。競馬ブックの小島友美さんのコラムによると、園田、姫路はそれぞれ2020年、2021年に導入。2022年に船橋、そして今年は門別と大井に導入。

正直、レースのバイアスにどう影響するか、主催者も手探りの時期なのだと推察しているところです。ひとつ端的な比較として、このJBCクラシックと6月の帝王賞のラップを並べてみます。

 

JBCクラシック 2:05.1

12.4-11.4-12.2-13.0-12.5-12.5-12.8-13.0-12.2-13.1

帝王賞 2:01.9

12.0-10.9-12.2-13.0-12.3-12.2-12.5-12.9-11.7-12.2

 

このJBCは、2ハロン目のスピードが帝王賞ほど上がらず、残り400からのスパートもトップスピードに蓋があるイメージ、さらにラスト1ハロンの失速幅が大きい、と。何より走破時計が3秒以上遅いわけで。

逃げ馬のペースもありますが、3、4ハロン目は昨年と同じ。そして3、4コーナーにあたる残り600-400も0.1しか違いがありませんので、緩むところの緩み具合はあまり変わらなかったと言えそうです。

そうするとスピードを出すエリアでスピードがでていない、それは砂を入れ替えた馬場が重い、深いということに結び付けられそうに見えますね。

 

テーオーケインズの切れは大井の砂厚にスポイルされた、というとわかりやすいなと思っていますが、今後の大井の馬場がどうなっていくかと合わせて評価していくことが肝要なのでしょう。

精緻な分析を続けてきたわけではないですが、個人的には競馬を見始めた90年代や2000年代の重たい馬場だった大井に戻ったような印象があります。

 

今後のダート路線強化策と今回の砂質変更に感じる違和感

しかし、この重いセッティングでダート3冠と世界のダートへのチャレンジに臨んでいくことになるのか、と思うとちょっと違和感を感じました。

 

この「白い砂」にアジャストした馬がキングアブドゥルアジーズやメイダンの馬場でスピード勝負に耐えうるのか、というと。。。厳しいキックバックには耐えられる馬ができそうですけどね。

 

以下は1~11月までのレーティングです。

ロンジンワールドベストレースホースランキング

https://www.jra.go.jp/datafile/ranking/wrank/pdf/20231110-ranking.pdf

JPNサラブレッドランキング(2023年1月1日から11月5日)

https://www.jra.go.jp/datafile/ranking/jpn/2023/20231110-ranking.pdf

 

BCクラシックを勝ったホワイトアバリオ123に対して、以下、日本のダートホースも健闘している状況です。

122 ウシュバテソーロ

121 デルマソトガケ

120 レモンポップ、パンサラッサ

 

パンサラッサがダートホースかというとちょっと違和感が残りますが、120でエリートパワーとレモンポップが並んでいるのがなんとも誇らしいですね。

でもレモンポップは南部杯の大差勝ち、スピードがでる盛岡の馬場で1:33.8を計時したことを受けての評価でしょう。

 

ダート3冠路線をタフに勝ち上がった馬がどんな進路を求めることになるのか。いずれにしても今後の推移をじっくり見ていくことになりそうですね。

でも交流重賞の国際格付けという観点だとじっくり構えていられないスケジュール感のようにも思います。その最中にあってこの馬場でレベルの底上げとレーティングへの反映が上手くいくのかはなかなかの懸念材料ではないかと。…じっくり見守っていきましょうか。

 

Breeders' Cup 2023

まずはだいぶ眠かったという感想を書いておかないとですね。仮眠し損ねて3時過ぎからノンストップで朝9時くらいまで。なかなかカラダに堪える観戦になりました。

 

レース結果に関するJRAのリリースは以下です。

www.jra.go.jp

 

馬券販売のあった4競走の結果、書き出しておきたいと思います。

上記に加えて、ジャスパークローネ、メイケイエールと日本調教馬は計8頭の遠征でしたが、善戦したものの残念ながら勝利はなし。もちろんですが、簡単ではないですね。

 

個人的にはソングラインの負けがちょっともったいなかったなと。直線入口で後方外目に持ち出したゴドルフィンのモージが僅差2着まで差し込んできてますからね。

何と言いますか、前走毎日王冠というレースの質(レースのペースや追走のリズム)がサンタアニタの3、4コーナーの攻防とギャップが大きかったような。。。

 

そしてターフのオーギュストロダンの勝ち方。あの4コーナーイン突きについてライアン・ムーアは「プランF」という表現をしていたようです。

https://www.bloodhorse.com/horse-racing/articles/273159/auguste-rodin-finds-a-way-in-breeders-cup-turf

記者から前が開かなかった時のプランBはあったのかという質問に対して「(いやいやあのイン突きはプランAどころか)プランF」という回答だったようですね。つまりやむを得ず選択したコース取りだったと。

ヴェラアズールのジャパンカップに似た状況だったかもしれませんね。しかしそれにしても非常に力強い末脚でした。

 

ブリーダーズカップ後のカルティエ賞はエースインパクトが年度代表馬と最優秀3歳牡馬を受賞。オーギュストロダンは英愛ダービー英チャンピオンS、そしてBCターフのG1を4勝して受賞なしという。。。どうやらブリーダーズカップが評価対象にはいっていないこともあるようですが、パディントンも受賞なしですから今年の3歳牡馬はレベル高めだったかな。

 

Bloodhorseのレース結果、まとめページはなんとなく来年上書きされてしまいそうなURLに見えてしまったので、BCターフのページリンクを貼っておきます。サイドナビゲーションに2023年の各レース結果ページへのリンクが一覧されていますので、そちらから辿るのがよいかなと。

https://www.bloodhorse.com/horse-racing/race/usa/sa/2023/11/4/8/longines-breeders-cup-turf-g1t

 

JBIS-Searchでは恒例の現地レポ。サイトがリニューアルして写真もきれいに拝見できました。担当の方の現地での奮闘ぶりがXを通して伝わってきましたね。おつかれさまでした。とても楽しめた要因のひとつです。

enjoy.jbis.or.jp

 

あとはグリーンチャンネルの中継にはいらなかったBCスプリント。エリートパワーが盤石の連覇でしたね。こちらの馬券販売があればしっかり買って応援したかったところです。

そしてこの勝利を最後に種牡馬入り。ジュドモンドファームのPRビデオがかっこいいです。すごくいい。

stallions.juddmonte.com

 

最後に

すでにエリザベス女王杯当日。京都は金曜の雨の影響もあって、なかなか難しい馬場コンディションに見えています。

基本は外枠不利というのがこれまでの傾向なのですが、あくまで改修前の京都のデータ。外回りの4コーナーの角度が調整されたこともどう影響するのか、何とも言い切れない印象でおります。

前日のデイリー杯2歳Sは最内を突いたジャンタルマンタルが快勝。ただし最内の1頭分だけ走りやすく、2~5頭目あたりが掘れる馬場コンディションのように見えています。

 

ブレイディヴェーグのルメールは、馬群の捌き方を考慮したうえで最内か馬場の中央から末脚を伸ばすのかなとイメージしています。ただ、当日の馬場コンディションはしっかり見極めていかないといけないでしょうね。

気になっているのはハーパー、ライラック、サリエラ、ルージュエヴァイユあたり。アートハウスは馬場が回復してくれば。マリアエレーナ、ビッグリボンは外過ぎるよなーと思っています。

ジェンティルドンナヴィルシーナの娘同士のG1対決。どちらも実力を伴っての対決はなかなか稀有な光景と思いつつ、ジェラルディーナ、ディヴィーナともに軽視しつつ予想を組み立てるつもりでいます。好走したら素直に人馬を褒めましょうか。