more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

第83回 桜花賞

リバティアイランド、めちゃめちゃ強かったですね。

 

圧倒的な差し脚でした。もう言葉はいらない感じですね。通常の桜花賞でしたらコナコーストとペリファーニアで決まっていたことでしょう。

上がり32.9は掲示板に載った他の4頭と1秒以上の差。ほぼ最後方から直線だけで差し切りましたから、それが数値にも表れたということですね。

中団から脚を伸ばした4、5着のハーパー、ドゥアイズはラストまでしっかりした脚色でゴールしている様子。2、3着は粘りこんでいますが、他馬も止まってはいないんですよね。そこを差し切るわけですから1頭だけ違う能力を示したという以外に形容する術がなさそうです。

「彼女がそういう走りを自分で選択した」「仕方ない」。川田将雅の精神状態はこれまでより泰然としたそれだったようです。スタートから進んでいかなかったパートナーを受け入れながらレースを組み立てていた、にしてもあまりにも後方待機に過ぎますよね。

ハープスター桜花賞もあり、昨年リーディングを取り切ったこともあり。川田自身が積み上げてきた経験がこのポジションを許容する胆力につながっているように見えています。

最近だとプログノーシスやウシュバテソーロの騎乗にも表れているでしょう。ポジションを取りにいかず、馬のリズムを尊重した中でレース前半を組み立てる。そこにはレース後半のパフォーマンスで勝負になるという、経験に裏付けられた自信が必要になるはずで。…ほんとうに凄いジョッキーになりましたね。

 

「無事に届いてくれてホッとしています」。そのひと言を発した際のトーンは、おおよその目算はできていたけど実際に差し切れてよかったです、くらいのニュアンスを感じさせました。

ハープスターの時のインタビュー、第一声も「ホッとしています」だったんですよね。当時より余裕を感じさせる「ホッと」でございました。

 

個人的には、直線のハッとする末脚で春のクラシックを制した父ドゥラメンテが思い出されました。娘のほうがお行儀よく直線に向いていましたね。そこは似なくてよかったかな。

 

公式レースラップ

12.1-10.4-11.5-11.9-11.7-11.4-11.3-11.8

 

馬場は日曜にむけて回復

金曜に降った雨が残ったまま土曜の開催が始まっていました。ダートは不良、芝は重でスタート。日曜午前中まで芝は稍重でしたが、午後には良に回復。そして先行有利のバイアスがあった認識です。

だからこのトラックバイアスを大外一気で覆したリバティアイランドが規格外なんですよね。

 

オークスに向けて盤石では

阪神ジュベナイルフィリーズのあとは、桜花賞まではリバティアイランドで仕方ないのでは、という語り口がよく見られました。おそらくマイルにアジャストした走りや血統からそうしたイメージが醸成されたものと思います。2歳のころはもう少し気持ちがはいった様子が見て取れましたしね。

でもこの桜花賞でいわゆる「遅く走る」ことができたわけで、距離延長にむけてはだいぶ不安が払しょくされたのではないかと。個人的にはオークスまでは盤石と思っていましたので、折り合いのつきやすさが加味された分より頼もしい存在になったと思っています。

 

もう秋の話

同世代にライバルがいないとすれば、今秋の古馬との対戦が初の強敵との邂逅になるのでしょう。個人的にはスターズオンアースとリバティアイランド、新生京都の2200mで対戦するのは楽しみですねー。

もしジャパンカップに行くとしたら。ドウデュースvsイクイノックスvsスターズオンアースvsリバティアイランド、という夢ドリームも。これはすごい、観たいですねー。

 

オークスの2着候補

最後の脚色をみると先ほど述べたハーパーやドゥアイズが有力かなと思っています。でもシンリョクカの脚色も悪くなかったですね。ラヴェルは外枠発走から直線狭いところで減速しながらのゴールとなりましたから、不完全燃焼という一戦になった模様です。

ライトクオンタムはどちらかというとオークスに照準を合わせているように感じていまして。武幸師も決して大っぴらに語ることはないでしょうが。桜花賞のレースを通じて、勝負に深追いする場面がなかったように見えるんですよね。パンパンの府中で改めて見直してみたい1頭ではあります。

…ホントに、リバティアイランドが凄すぎて、他馬の可能性を語る余地はあまりなくなっていますよね。

 

ジョッキーカメラの迫力

ずいぶん前から企画していて、今回G1で初めて導入、川田が装着しての撮影から公開になった模様です。臨場感たっぷりの映像になってますね、凄いです。ほとんどチャンピオンジョッキーの世界ですね。

「お嬢さん、終わりです」の声がけもなかなか印象深く。まだの方は以下の映像をご確認くださいませ。

 

www.youtube.com

 

以下のnetkeibaの有料コラムでは川田本人の発案であったことが語られています。今後も毎回ではないのでしょうが撮影を許容してくれるジョッキー目線の映像が公開される模様。楽しみにしています。

news.netkeiba.com

 

最後に

桜花賞当日はパークウインズ府中へ。指定席を取ってのんびり観戦となりました。馬場入場時の固定カメラは有難かったですね、各馬がキャンターに下ろしていくそのフォームを観られますから。買い目を決めるのに大事にしているんですよね。

できれば馬番順に紹介するのを止めてもらって、返し馬での走行フォームをチェックできるようなカメラワークをお願いしたいところです。馬場コンディションとにらめっこしている日は特にそうですね。

 

さて、新卒研修などを平日の業務としてこなしているとあっという間に週末に。皐月賞の枠順も出ておりますね。

土曜は1日雨予報ですので日曜にどれだけ影響が残るのか。まずはそれを見極めなければいけませんが、真ん中の7番枠に意中のファントムシーフがはいりましたので、ほぼ勝利宣言のような気分になっております。

トップナイフと内外が逆であればもっとシンプルな乗り方になったように見えていますが、ルメールさんですからね。

 

1枠1番からも勝ち馬はでていますが、いずれも三冠馬というデータ。ソールオリエンスには決して有利な枠ではないと思われます。

いまのところ、タッチウッド、トップナイフ、ホウオウビスケッツ、ソールオリエンスはひとつ評価を下げて、フリームファクシ、マイネルラウレアあたりを気にしようかなと、こんなイメージでおりますが、まだまだ決めつけずにまいりますよ。

 

…こうしてメンバーを見ていると、おそらくオーナーがその判断をしないと思いますが、リバティアイランドは次走ダービーでもいいかもしれませんね。