more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

第53回 高松宮記念

ファストフォース、ついにG1に届きました。

 

3、4コーナーをおっつけながら追走しているように見えていましたが、直線アグリのインを突いてからの脚色は力強かったですねー。やむを得ずという進路取りなのかなとも思ってみていたのですが、どうやら団野にとっては想定内の進路だったようですね。

これまでは2年前にレコードでCBC賞を逃げ切った前傾ラップのスピードタイプというイメージが強かったのですが、前走のひとつ控えた位置から伸びてきたレース振りと当日のパドックの充実ぶり。

ちょっと別馬といいますか、パワーが兼備されてきた印象がありました。これに馬場バイアスを加味して外せないという評価ができたのはよかったです。

 

土日降り続いた雨で日曜の芝は外差しというよりインが水分を含んでスピードが担保できないコンディション。終始インを通るためには内ラチ沿いを1200mきっちり走る覚悟が要ったでしょう。トゥラヴェスーラ丹内がそれを実践していましたが、やはりバイアスからするとカウンターの策という域をでなかったようです。

終わってみれば中京開催のシルクロードS1、2着。ですが、中京1200のリピーターというより、馬場バイアスを味方につけられるだけのタフさをもっていた2頭で決着したという印象です。

 

公式レースラップ

12.5-11.3-11.8-11.6-11.9-12.4

 

ファストフォースは3、4コーナーのコース取りが見事

スタートからアグリの外を通り、3コーナーへ進入した時点で斜め前にメイケイエールを置く形に。ここで団野は少し動かしてメイケイエールの真横までポジションを取りに言っているんですよね。これがとてもファインプレーに見えています。

自身は狙った外のコースを進みつつ、メイケイエールが外へ進出する可能性をブロックした格好。狙っていたでしょう、お見事でした。

ただ、本人が反省している通り、直線半ばで左手綱を手繰った際にファストフォースが右に流れてしまいアグリの進路をカットする形になりました。ある程度抜け出していましたから着順への影響はなかったでしょうが、3コーナーでロータスランドに接触しているあたりも含めて、もう少し丁寧な運びがあるともっとすっきりした勝利になったでしょうね。

 

人馬とも初G1制覇。個人的に団野のイメージがまとまっていないのですが、こうした勝負にでていけるタイプ、という認識には至っています。今回のG1を含めて重賞4勝のうち3勝が中京。覚えておいた方がよいのかもですね。

 

ナムラクレアは惜しい2着

土日の天気とにらめっこになりましたが(というより日曜のレースを見るまで思考を止めていましたね)、外枠を引いたことが奏功するという読みになってからはもうナムラクレア中心という軸がぶれることはありませんでした。

馬体重、パドック、返し馬、ひとつひとつナムラクレアで大丈夫という確認をしていった格好です。あとは浜中が4コーナーで進路に迷わなければという賭けになりましたね。…ジョークになっていますでしょうか。

おそらく、4コーナーはできるだけスムーズに外に出すことを考えるだろうと思っていました。やはり前が詰まる、能力を出し切れないで終わる、という結果は避けるだろうと。

 

ロータスランドをインに閉じ込めながらファストフォースの後ろで4コーナーへ。そこから外に展開してよく伸びてきましたけどね。

一瞬のキレでいえばファストフォースに上回っているのでしょうが、あの馬場では少し違う資質を求められたでしょう。よく頑張ってくれましたね。スプリンターズSから半年待った本命、堪能できました。

 

メイケイエールは折り合えず、進路をとれず惨敗

池添はどうやって外に進路を求めるか、という意識を強く持っていたようです。パトロールビデオを見る限り、スタートから外へ外へ、意識がずっと向いていましたね。

若干の立ち遅れと走りにくい内枠からのスタート。プッシュしてポジションを取りに行き、その分抑えが効かずに3コーナーへ。抑えている間に勝ち馬に外への展開をブロックされ、そのファストフォースに前方をパスされたあたりで戦意喪失となってしまった模様。…なかなかの悪循環になってしまいました。

 

どうやら左回りにこだわって、次走はヴィクトリアマイルになる模様。スプリンターのスタートではないように見えていますし府中の馬場の方がまだフィットするのでしょうが、スムーズに先行するソダシのアシストのような形がパッとイメージできてしまうのが何とも難しいところ。。。

 

ナランフレグとグレナディアガーズは強靭な差し脚を示す

インからでられずに末脚不発と思っていたナランフレグ、外々を回らざるを得ず馬場も合わずに争覇圏内にはやって来れないと思っていたグレナディアガーズ。どちらも強烈な差し脚で突っ込んできましたね。2頭の上がり、35.1と34.9がこの馬場で出せる限界だったように思っています。

岩田望来は乗り替わり2戦目。阪急杯の1番人気はちょっと持ち上がり過ぎ、と思っていましたが、今回は10番人気と急落。馬場も加味してかえって思い切って乗れたかもしれませんね。

 

ピクシーナイトは無事に復帰

もちろん着順が上であるに越したことはないですが、あのスプリンターズSからすれば相当にギャップのある馬場。タフなレースになったことでしょう、最後戸崎も無理をしなかった様子です。

香港の落馬からこちら、まずは無事に復帰できたことを喜びたいですね。個人的には京王杯で会いたいなと思っています。

 

最後に

当日は所用の流れから、ウインズ後楽園で久しぶりの観戦。うーん、だいぶさびしい状況になっていましたね。複数のフロアが閉鎖されていましたし人数もまばら。90年代はネット投票がありませんでしたから毎週のように通っていましたし、下の本屋(山下書店だったはず)には大変お世話になったなぁ、など。

コロナ禍という逆風もありますが、新宿や銀座など他のウインズと比べると…という印象も。楽しみ方が変わっていますからね、不可逆な流れなのかもしれません。水道橋駅から橋を渡って、あの長いエスカレーターを上っていく間のワクワク感。なつかしいものになるのかーそうかー。

 

さて、歴史的快挙となったドバイワールドカップミーティング。まだ言葉にしていませんね。どうやら昨年の投稿へアクセスされた方が多かった様で、申し訳なく思う必要はあまりないのかもしれませんが申し訳ないと思っているところです。

この週末で書きたいと思っていますので、気長にお待ちいただければ。