more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

第82回 皐月賞

ジオグリフ、すべてが噛み合っての1冠奪取でした。

 

4コーナーで先行せざるを得なかったイクイノックスを射程に捉えたあたりで、ほぼジオグリフで勝負あったと見ていました。

前走共同通信杯では先行策を取れたこと(好スタートから少し引っ張ってポジションを下げてましたね)、その前走から調子を上げられたこと、最終追い切りで乗り替わりとなった福永が喉なりを含めた感触を確かめたこと、当日稍重スタートという少し重めの馬場コンディションだったこと、外差し寄りの馬場バイアスに対して7枠14番を引いたこと、アスクビクターモアが仕方なしの逃げでペースが落ち着いたこと。

これらのプラス材料もスムーズにレースを進められてこそ。テン乗りの福永が見事にリードしました。どうやらレース前のイメージに近い展開だったようです。

ドレフォン産駒は初G1。ドレフォンーキタサンブラックで決まるクラシックはポスト・ディープインパクトという移行期の最中である、という印象を強く覚えます。

 

個人的に、朝日杯前まではジオグリフが抜けた存在と思っていましたので「ここできたかー」というのが率直な感想。関東地方はレース後の日曜夜から降雨ですので、乾燥し過ぎていない気候も後押ししたかもしれません。いやー、ドウデュース、ジオグリフからの3連複はもっていたので当たりはしたんですけどね。

 

公式レースラップはこちら。中盤で緩んでいることが見て取れます。12.8は急に緩み過ぎな気はしていますが。

12.6-11.0-11.6-12.2-12.8-12.3-12.3-12.0-11.4-11.5

 

本命はドウデュースでした。もうバキバキに仕上がっていましたものね。馬体がパンプアップしていくいわゆる成長曲線はサリオスに近い印象でした。スタートからニュートラルなスピードで中団につけて直線は外差し、というレース展開をイメージしていたんですけどね。

スタートは問題ありませんでしたが、その後プッシュしてポジションを取る意思はないようでした。後から考えると、この先のダービーや凱旋門賞を見据えたかな、とも思えます。距離延長に耐えられる追走のリズムを馬に伝える、という。

ただ1コーナーにたどり着くはるか手前で、自身より外枠のラーグリフ、マテンロウレオに外から壁を作られてしまいました。押し込まれるようにして1コーナーを迎えた結果、縦のポジションもずいぶん下げることに。1、2枠の人馬が陥るような後手の展開になってしまいました。

武豊が「結果的に後ろ過ぎた」というように、思惑に近いリズムでレースは展開できたのでしょう。1、2コーナーで少しかかる素振りがありましたので、2000から2400で強気にスタミナを使っていくタイプではないのかもしれません。

末脚の切れは見事なもの。でもあの位置からでは勝ち切るには至りませんでした。万が一イクイノックスが控えたときはこんな競馬で差し届かないかな、というレース運びをまさか本命馬がやることになるとは。理想はオニャンコポンのポジションだったんですけどね。

ダービーでも有力という認識ですが、今日のレースでイクイノックスの能力の高さを強く意識することになりましたので予想はどうなるかな。ピーキング後のコンディションをキープできるかも要注意と思っています。

 

イクイノックスは力を示した2着。大外枠を引いてしまいましたが、ディスアドバンテージを埋めるべく、3コーナーに向けてじりじりとポジションを上げていきました。スロー寄りのペースですから大きな負荷ではなかったでしょう。半周以上かけてのポジションアップ、ルメールならではの先行策だったと思っています。フィエールマンのラストランを思い出しました。

1コーナーでオニャンコポン、2コーナーでサトノヘリオス、向こう正面でジオグリフを絞り上げる辛い進路取り。正直ラフでしたね。ただ、これがあってもなくても上位争いには加わっていたでしょうから、パフォーマンス自体はそのまま受け取ってよい認識です。

東スポ杯以来、5か月ぶりの実戦。異例のローテーションですが馬体の成長を促す点で個体にとって最適な判断だったものと理解しています。フォトパドックは見栄えするものでしたがそれでもまだまだ成長途上という印象。調子を落とさずにダービーを迎えられるかがポイントですね。

 

ダノンベルーガはやはり最内枠が堪えた格好に。鞍上の特性からいったん後方に下げる判断は可能性少なめと思っていましたが、馬場のわるいインを通りながらの先行策を選択しました。1コーナーまでのスピードの乗せ方に無理な場面は少なかったように思います。

ただ、1コーナーでちょうどジオグリフが隣に。ここが運のつきでした。福永は先行策を取りながらある程度川田が取ってくる位置を先読みしていたかもしれませんね。結果、3コーナー過ぎまでジオグリフがダノンベルーガの蓋となりました。勝ち馬に押し込められては進路厳しいですね。川田がインにハンドルを切ったあたりで、福永もイクイノックスの外へアクセルを踏んでいきました。

4コーナー最内は本意ではなかったでしょう。右トモの弱さが指摘されつつ、内枠スポイルのバイアスを跳ね返しての4着、強さを示したという認識です。

ダービーが良馬場ですと大幅な巻き返しが期待できると思っていますが、未完成の馬体が疲労を残さずにレース当日を迎えられるか、要注目になりますね。

 

アスクビクターモア、キラーアビリティは内枠がアダになってしまいました。アスクビクターモアは外から逃げ馬がやって来ず、ベストとはいえない逃げを打つことになりました。一方のキラーアビリティは出遅れで万事休す。枠順が大きいとはいえ、軽快なスピードが特徴のディープインパクト産駒が馬場と展開にスポイルされたのは残酷なコントラストに見えています。

 

最後に。G1、それもクラシックだと書くことが多くなりますね。短くまとめようと思ったのですがもう2500文字に達しようとしています。「短想」のタグは外しておきましょうか。。。

毎日杯3着でドゥラドーレスが春のクラシックを断念。別路線組から今日の皐月賞上位馬をおびやかす存在は現れるでしょうか。トライアルをチェックしつつ、優先出走権を取った馬(1~5着ですね)のなかで短期間で大きく変わってくる馬がいないか、そこがダービー予想のポイントになりそうな気がしています。

まずは何より、各馬無事に駒を進めてほしいですね。