more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

第46回 エリザベス女王杯

アカイイト、よもやよもやのアップセットでした。

使い込んだ阪神の馬場、スピードの持続にはパワーを要する直線。最内枠レイパパレの操縦性、逃げ馬が外から被せる枠の並び。アカイトリノムスメの充実度と秋華賞ラスト1ハロン12.9のアクション。このあたりを加味してG1馬2頭を軽視、馬群の外を追走して直線そのまま外へ展開できる馬を狙う、という組み立ては合っていたんですけどね。ウインキートスではなかったかぁ。

アカイイトの2走前、垂水Sは印象的でした。掘れる良馬場を、馬群の外を回しての追い込み。サターン川田が中団追走から完璧に立ち回ったところを目標にして、ゴールまで捉え切りました。

1番人気の勝利でしたし鞍上横山典弘ですから、狙いすました差し切りという見栄えだったかもしれません。個人的にはよくあの位置から届いたなと感心していました。ひとつふたつ後ろ過ぎと見えていたんですよね。

今回、その再現だったと思っています。垂水で嵌って、府中牝馬で嵌らなかったリズムが、ここではぴったりでした。内回りの分4コーナーの捲りという形になりましたが、あくまでリズムは近しいなと。ステラリアを交わし、アカイトリノムスメの動かす捲り。鮮やかでしたね。

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2021年エリザベス女王杯、4コーナーで大外から捲るアカイイト

後ろ過ぎる位置から息の長い末脚、キズナのダービーとも重なります。よく似た追い込みでの産駒G1初制覇となりました。個人的にはまたやられてしまいましたね。

なお、垂水Sの日のメインがマーメイドS、2着に追い込んだのがクラヴェルでしたからある意味ではリピーター、G1実績<馬場適性とコース適性だったかもしれません。

公式レースラップ

12.2-10.7-11.2-12.5-12.4-12.3-12.1-12.2-12.2-11.8-12.5

阪神の馬場は継続使用でパワー寄りに

良馬場ですが時計がかかる馬場。直線インから3~5頭目まではだいぶ掘れてしまっていましたから、瞬間的に速いラップが出現してもそれをキープするのにパワーを要するというコンディションをこなせるかどうかがポイントと見立てていました。直線でそのさらに外へ展開できるポジショニングも重要かなと。

阪神、中京を行き来するような開催ですから、どうしても例年よりレース数が多くなってしまいます。やはり京都が使えないのは大きいのでしょうね。

気になった馬

ステラリア

クイーンC忘れな草賞オークス秋華賞エリザベス女王杯。いい戦歴ですね。この間、本賞金の加算が忘れな草賞勝ちしかないわけですから、陣営が一貫して強い相手を選び続けてきたことがわかります。期待の大きさが覗くローテーションと捉えれば、もう少し評価を上げる方に振ってもよかったかな。松山の前半のポジショニングも好印象です。

テルツェット

終始インを選択、向こう正面では内ラチ沿いを選んだままグッとポジションを上げていきました。ここで動いた意図を図りかねております。スムーズに行きたかった3、4コーナーではランブリングアレーに進路を消され、直線伸びきれず。クラヴェルにインへ押し込まれて終戦となりました。馬場も向かなかったようですが、ちょっとちぐはぐな動きに見えています。

ウインキートス

向こう正面まではよかったと思っています。前に出しながら外へ展開したステラリアの直後。前半のハイラップを深追いせず、1、2着とほぼ同じ縦のラインですから絶好といってもいいかもしれません。

向こう正面からインを選択しているんですよね。ここからリズムが悪くなってしまいました。4コーナーでイン→アウトを選択するイメージだったかな。向こう正面の後半はイズジョーノキセキの直後で詰まったような形に。ストライドを詰めながらの追走で3、4コーナーへ。外へ進路を見つけたところへアカイイトに捲られてしまいました。今度は慌ててトップギアにいれる流れ。…これだと仮に馬場がよかったとしてもスピードに乗せきれずに終わってしまっただろうと思っています。

目黒記念で見せた柔らかくて大きなフットワーク、活かすことができませんでした。府中の良馬場の方が合っているのかな。残念でした。

レイパパレ

あれだけ引っ掛かっては勝負にならないですね。向こう正面からアクセルとブレーキを踏み続けるチグハグさでした。距離短縮だからよいのか、というのが率直な感想。大阪杯の投稿で「(川田が)レイパパレの気性を受け入れてつくったラップ」という表現を使ったのですが、乗り替わりのルメールには酷な条件だったのかもしれません。

最後に

前日の武蔵野Sは1年ぶりに悪友と現地観戦となりました。去年はサンライズノヴァだったねぇなどと話しながら、金沢→デルマーという小回りコースのイメージから早く府中に頭を切り替えないといかん、などとパドックでこしょこしょ。

スマッシャーすごく胴が詰まってない?とか、サトノアーサー、ダイワキャグニー、エアスピネルって毎日王冠かね?などといいおっさん2人がすみません。

悪友はエアスピネルから入って相手がおらず、こちらはブルベアイリーデ-オメガレインボーのワイドが本線という。ワイドを狙って3、4着ですからね。お互い1年ぶりでも平常運転ということで、よかったのかわるかったのか。

最終のブッチーニまで見届けて、府中駅近くでクレープなどを嗜みまして、ジャパンカップの抽選を頑張ろうと示し合わせをしての解散となりました。ダービー馬4頭が揃い踏みする予定ですからね。何とか揃って現地観戦できればと思っています。