more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

第23回 チャンピオンズカップ

ジュンライトボルト、パワーを要する馬場で切れ味を披露しました。

 

直線に向いても進路がない中、手綱を手繰りながらひとつひとつ外へ展開。オーヴェルニュ、シャマル、テーオーケインズと前にいる馬を変えながら、ノットゥルノが下がったスペースに進路を見つけてのGOサイン。「進路が見つかれば弾けると信じていました」。レース後のコメントからすると石川裕紀人は賭けに勝った、ということなのでしょう。

…もうひとつ外を回らざるを得なくなってギリギリ馬券圏内…というイメージでおりましたが、見事な腹のくくり方。本人が叫んでいた通り、ブラボーなリードでしたね。

 

公式レースラップ

12.7-11.2-13.1-12.8-12.6-12.6-12.7-11.9-12.3

 

スピードはでるがパワーを要する馬場

中京ダートは土日を通じて、速い上がりが計時されないコンディションでした。上がり3ハロンも1ハロンだけ速いラップを刻んでも、ラストの失速幅が大きい印象。1800m、1900mでは追い込みでない限り36秒台はほぼ計時されていませんでした。

スピードの持続にはパワーを要する良馬場、という理解をしておりました。…そうなんですよね、この時点でテーオーケインズ本命は少し疑うべきだったと反省をしています。

 

スローペースが予想されるメンバーと枠の並び

大外レッドソルダードが逃げ宣言をしていましたが極端なペースを作るタイプではなく。クラウンプライドは前走JBCクラシックで逃げていますが決して逃げがベストというわけでもなく。オーヴェルニュは控える競馬が続いており、シャマルは距離延長。ペースを引っ張る有力馬がほぼ皆無、というメンバー構成でした。

ハピ横山典弘はやっぱりという先行策をチョイス。しかしそれにしても前にいけましたね。春先はカラダができていない分スピードが乗るまでに時間を要し、その分前半無理をしない追い込みの形を取っていた馬ですから。ハピの成長を褒めるべき、と同時に、そういった特徴の馬が前々でけん制できるくらい先行馬不在だったともいえそうです。

 

こうなるとけん制がけん制を呼んで、思った以上のスローペースが生まれるんですよね。直線で全馬バテない、といいますか切れ味のない馬から下がっていくように見える直線の攻防をイメージしておりました。

 

テーオーケインズの複合要因での敗戦

本命にしたテーオーケインズは馬群の外を追走する流れ。ただし1コーナーまでに福永と川田にだいぶコースを切られてしまった結果であるように見えています。

クラウンプライドはスタートからあまりインに寄せず、一方のシャマルはひとつ内のテーオーケインズよりちょっとだけ前に出ている位置関係をキープ。どちらのジョッキーも大外の逃げ馬がやってくるのを待っていたでしょう。

レッドソルダードがパスした後にシャマルがテーオーケインズの前へ。テーオーケインズは内外からけん制を受けながら、インに寄せる機会を得られずに1コーナーを大きく回る格好になりました。テーオーケインズにとってのベストなコース取りをベテラン2人がクレバーに「切った」といっていいと思います。

戦前、ある程度の位置につけて、と松山がコメントしていました。やれることが限られていた面を突かれてしまったかな。

 

また、テーオーケインズの戦歴はわかりやすく、連勝がありません。1戦ごとの疲労が抜けにくい可能性が想像できます。事実、JBCからこちら、強い調教はあまり課されていませんでした。陣営も織り込み済みのメニューだったのでしょうが、おそらくピーキングの難しさはあったのでしょう。

そこに加えてパワーの要する馬場コンディション。馬群の外々を回りながらの追走は、道中でパワーを溜められる状況ではなかったでしょうね。

 

1コーナーまでの他馬のマーク、枠順と合わせて馬群の外という望まないポジショニング、ローテーションからくる疲労、パワーを要する馬場コンディション。これらの要因が複合して、直線伸びきれないパフォーマンスにつながったと理解しているところです。…それでも馬券圏内には来ると思っていたんですけどね。残念でした。

 

クラウンプライド、ハピは今後が楽しみ

クラウンプライドは1コーナー手前でかなり押さえる挙動。決してきれいな折り合いには見えていませんでした。道中の追走もマイペースではない中でラストまで脚色衰えず、ジュンライトボルト以外を完封しましたからね。

一方のハピもほぼ先行策。もう1頭は後ろというイメージでしたが、こうした展開で最後まで脚を伸ばせたのは収穫でしょう。鞍上はブエナビスタに例えていましたね、来年が楽しみというコメントでした。

 

どちらも3歳馬。1kg軽い斤量が上がり勝負で活きたとも言えそうですが、ともに来年が楽しみになりました。週が明けて、クリンチャー、オメガパフュームの引退が発表されています。レース後の印象になりますが、世代交代の印象が色濃くなってまいりました。

 

最後に

調教師試験の結果が発表、かねてから受験しているらしいという話のあった福永が合格しました。ワグネリアンのダービー直後に、これで調教師になれるなとからかわれていましたが、本当に調教師への転身となりました。

ジョッキー福永祐一を見られるのは2月末まで。どこかで自分なりに振り返りたいと思っていますが、もう少し時間が取れるタイミングで取り組んでみるつもりです。個人的には調教師よりもテレビ解説者としての活躍をみたかったなという思いもありますけどね。