more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

第72回 安田記念

ソングライン、上がり勝負を制しました。

 

ダノンザキッドが3コーナーで2番手に押し上げていたのが象徴的と思って観戦していました。3、4コーナーで凝縮する馬群はスローで流れているサインでよかったようです。

残り1000~600の2ハロン、おおよそ3、4コーナーの区間で12秒台が続いたことがもろもろのレース回顧記事では強くピックアップされています。この2ハロンがともに12秒台だったのはロゴタイプまで遡りますね。逃げ切りのレースじゃないですか。。。

前走の反省を踏まえて、池添は早めに踏んでいったようです。向こう正面でいったん下げて前に迎え入れたサリオスに、直線を待たずに外から並びかけていきました。残り600ありますが、この早めの進出が勝因のひとつといえそうです。

サリオスの粘り込みも、インに進路を取ったシュネルマイスターも凌ぎ切ったのは馬の仕上がりの賜物でしょう。ヴィクトリアマイルで悔しい思いをしたのは鞍上だけではなかったようですね。

 

公式レースラップはこちら。
12.2-11.0-11.5-12.0-12.0-11.2-11.0-11.4

 

おそらく逃げるのはホウオウアマゾン、外枠レシステンシアは交わすまでには至らず、という予想まではついていましたが、まさかダイアトニックがレシステンシアの壁になるとは。さらに1頭分内を開けて走っていたことで、ダノンザキッドの前方がぽっかり空く形にも。岩田の巧妙なポジショニングがスローを呼び込んだ一因と見えています。

 

本命はダノンザキッドでした。内枠スタートから川田が待機策にする判断はないだろうという読み、あとはパドックでみた仕上がり。素晴らしかったですね。テンションの高さがあだになるという可能性と秤にかける時間が必要でしたが、前に壁がつくれるであろうと読み、本命にしました。

実際は4角先頭、直線は有力馬の目標になるという川田の雄々しさの分6着まで下げてしまったという認識です。…あ、全然責めてはいないですね。あのテンションであの3コーナー、前に行くべきであったでしょう。

当日のパドックまではソングライン本命、単穴でダノンザキッドのつもりでした。このあたりが思い入れですね。直前でひっくり返した分配当は下がりましたが、ソングラインの単勝を買っていたのは自分で自分を褒めてよいかなと思っています。

 

シュネルマイスターはドバイからこちら、順調ではない仕上がりに映っていました。個人的にはよくこれで2着まで突っ込んできたなと。昨年、グランアレグリアと僅差で勝負していたのは伊達ではないですね。おそらくはドバイでの惨敗は現地調整が上手くいかなかったのでしょう。秋の予定は報道ないようですが、国内に絞って毎日王冠からマイルチャンピオンシップなら勝機十分と思います。

 

ソングライン-シュネルマイスターという組み合わせは昨年のNHKマイルカップと同じ。自分なりのイメージですが、1400最適のソングラインと1800最適のシュネルマイスターの交点が府中マイル、というように映っています。

仮に中盤ラップが緩まない流れだったら、ソングラインはシュネルマイスターより後ろでないと勝機を見出しにくかったかもしれません。その意味では池添のペース読み、馬場読み、ポジショニングで利用する馬(サリオス)の選択、非常に上手くいったと考えているところです。

 

一方で馬群の中にいた待機勢は、余力十分の先行馬群と外から被せる有力馬を相手に直線で進路を確保する難しいミッションに挑むことになりました。

イルーシブパンサーは外に張ったエアロロノアに進路を消されてスポイル。2頭とも上がり32.6で7、8着ですからね。。。

イルーシブパンサーについては前走東京新聞杯のスタートダッシュをみて消しと判断しました。初速が速くないんですよね。スタートからのポジションで後手にまわってスローペース想定で後方追走はかなり厳しいだろうと読んでいました。

 

一方ソウルラッシュは3コーナーでシュネルマイスターにインへ押し込められ、そのまま挽回できずに直線馬群へ突っ込む形になってしまいました。馬群の中で我慢するイメージで臨んでいたのでしょう。スローが予見されるなか、外枠から素直にインへ寄せた鞍上の戦略が十分練られたものであったか、少し疑問を覚える詰まり方でした。

 

ファインルージュは直線外へ展開しようとしたところ、大きく外へ展開したダノンザキッドに進路を消されてしまいました。やむなくインへ。この日のインの馬場で上がり勝負は分が悪かったでしょう。さらにダノンザキッドが併せる意図でインに寄せてきたことでなかなか苦しい直線になりました。

パドックでは他馬に比べてスマートなトモという印象。パワーで加速、パワーでスピードをキープするには少しやさしいプロポーションだったと思っています。

 

3歳馬セリフォスは強い4着。ゴール手前わずかに左にもたれていたように見えていますが、向こう正面ではシュネルマイスターとショルダーチャージを繰り返しながらポジションをキープ、3コーナーでは張り出したソングラインの外に膨れる形で大回りのコーナリング。このあたりのロスがありつつ32.8で追い込んできましたからね。

秋以降、もうひとつ馬体が膨らんでくると後々まで楽しめる存在になるかな。2歳から成績がジリジリ下がって見えていますが、相手関係が強化されながらの戦歴。パフォーマンスから、まだ結論を出すのは早計と思っています。

 

最後に。宝塚記念を残していますが、春のG1はこれで1番人気が0勝。力のある馬が勝ってはいるんですけどね。予想するうえでは面白いムードができているなとは思っています。

現地観戦も少しずつ普段のリズムになりつつありますね。パドックと返し馬を追いかけて見定めるパターンを踏んで、自分なりに選択する感覚。テレビ中継とネット投票では得られない手ごたえがありますね。

馬券は当たってほしいわけですが、この手ごたえも同じくらい堪能したい要素だなと改めて。あとは東京都外への遠征ですね。欲張りになってきたかな。でも塞いだ状況よりはよほどよいですものね。