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1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

第38回 ホープフルS と第67回 東京大賞典

もはやこの2レースをまとめて書くことが恒例になりつつあります。もう少し年末のスケジュールに余裕があるとよいのですけどね。

ホープフルSはキラーアビリティ

先行策から見事に押し切りました。強力な逃げ馬がいないメンバー構成、スタートからポジションを取る判断は横山武史の特性からすればごく自然だったと思っています。あれだけスムーズに好位のインをキープされたら、ねぇ。

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2021年ホープフルS、序盤で先行策を取るキラーアビリティ

序盤で気づいたポイントをひとつ。スタートで煽ったコマンドラインを把握していたのか、武史はスタートから少し進めたところで1頭分外へ進路を移しています。ひとつ外枠だったコマンドラインの進路を切る挙動。抜かりなし、というところですね。

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2021年ホープフルS、スタート後にひとつ外にずれて出遅れたコマンドラインの進路を切るキラーアビリティ横山武史

公式レースラップ:ホープフルS

12.6-11.3-12.0-12.2-12.0-12.0-12.2-12.2-11.7-12.4

昨年のダノンザキッドのレースラップはこちら。馬場コンディションも違うので比較にはなりにくいでしょうか。序盤の息の入り方に差がありますね。

12.8-11.4-13.0-12.7-12.0-11.9-12.2-12.0-12.2-12.6

横山武史、乗り替わりで1発回答

デビュー戦はルメールで5着。岩田望来で臨んだ小倉の未勝利戦は印象的でしたが、3戦目の萩Sはダノンスコーピオンに差し返されての2着。そしてG1での乗り替わりですから、まだ鞍上が固定されていないことを意味していると理解していました。

追い切りでまたがって少し操作の難しいところに言及していましたし、向こう正面での力んだ姿にまだ改善の余地が見えるところですが、横山武史が1発回答をだしましたね。これでクラシックのパートナーは固まったでしょうか。

コマンドラインは不利が重なっての大敗

伸び上がったスタートだったことが運のツキだったと言えそうです。その後は全くスムーズな場面がありませんでした。1コーナー少し手前にマテンロウレオが外から締めてきたことで、フィデルと丁々発止。1頭分しかない前方の進路を川田と奪い合う形になりました。何度も派手に接触していましたね。

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2021年ホープフルS、1コーナー手前でコマンドラインフィデルが前のスペースを取り合う

横山典弘がそこまで考えていたかは、…いたかな。リーディング1、2位が争わざるを得ない場面を作り出していたかもしれません。ルメールもここでポジションをせめぎ合うとは思っていなかったのではないでしょうか。結局インに押し込められたまま1コーナーへ入ることになりました。

そこから先は終始マテンロウレオに蓋をされる展開。斜め外にいたサトノヘリオスが4コーナーで仕掛けたことで一瞬進路が開けましたが、横山典弘の再度のブロック。直線半ばでまたポケットにはいってしまい、ここでルメールは観念した格好になりました。

マテンロウレオ、息子へのアシスト騎乗などとやっつけるのは議論が雑に過ぎるでしょう。デビュー戦は中団待機からインを捌いての勝利。2戦目のG1で一番外を回して掲示板までハナ差の6着、走破タイムを1.7秒縮めてきたわけですから。

流れの中で1番人気にイージーな競馬をさせないようにすることは妥当な戦略でしょう。実際にブロックした結果コマンドラインには先着していますしね。ベテランの判断が光ったレースだったと理解しているところです。

コマンドライン、展開からほぼノーチャンスでしたから心身にダメージさえなければ巻き返しは必死でしょう。現地参戦されたファンの方が撮られた写真もTwitterで拝見しました。レース後と思われる、充血した目と不服そうに見える表情。ぜひ立て直してほしいと思います。

東京大賞典はオメガパフューム

4連覇は現地観戦となりました。とんでもない記録なのですが、正直今年は例年より少し小粒なメンバーだったかなという思いもあり。もちろん年齢を重ねてなお勝ち切る力を否定するものではないのですけどね。クリンチャーは決して脚が上がっていたわけではないですから。

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2021年東京大賞典、ラスト100を切ってクリンチャーを交わしにかかるオメガパフューム

メイショウダッサイがいたらどうなっていたか、という思いが残りつつオジュウチョウサンのパフォーマンスに拍手を送った感覚が近いように思っています。

公式レースラップ

12.0-11.3-11.9-13.3-13.0-12.2-13.1-13.0-11.9-12.4

スロー必死のメンバー構成

カジノフォンテンがチャンピオンズカップに回ったことで強い逃げ馬が見当たらない、キャッスルトップに誰が競り掛けるかな、というメンバーになりました。内枠を引いた分アナザートゥルースが番手を主張していましたが、あくまで外側へ展開することが優先、キャッスルトップがそれなりにペースを上げていたことでハナ争いはすんなり決まりました。

向こう正面に入ってから一気にペースが落ちたのはラップに如実に現れています。現地ではそこまで感じ取れませんでしたが、ミューチャリー御神本が躊躇なく仲野光馬を飲み込みに行きましたから、ああきっとスローを嫌ったなと。

オメガパフュームは前を塞がれるリスクを避けた外目のコース取り

1コーナーまでのポジショニング、9番枠も奏功したでしょう、ミルコは早々に外目のポジションを取っていました。道中いつでも馬群の外を進出することができる位置。先行馬が下がってくる3コーナー以降を織り込んだコース取りだったでしょう。結果的にクリンチャーを真ん前に見ていましたしね。

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2021年東京大賞典、1コーナー手前で外目に持ち出すオメガパフューム(右端の芦毛

ミューチャリーが被せ、キャッスルトップが下がったことでクリンチャーはインへコースを取って3、4コーナーへ。変わって先頭に立ったアナザートゥルースがペースを抑えたことで直線に向いてからの加速力が問われる展開になりました。

ミルコは向こう正面から少しずつ馬群の外々を押し上げていく形。4コーナーではミューチャリーに追い付いていましたから、有力馬を射程圏内にいれながら進めてきたということでしょう。序盤のポジショニングはこのためにあったと思っています。

4コーナーで大きく膨れたシーン

ミューチャリーと接触し大きく膨らんだオメガパフューム。どうやらミューチャリーが何かに驚いて外へ回避行動した結果だったように見えています。あくまで推察の範囲ですが、ミューチャリーが反応した地点はちょうど日陰から日向へ移るところ、おそらくイン側か足元で何か急に光ったように映ったのかもしれません。頭をあげて避ける挙動があり、そこにたまたま1番人気が進出していたための接触だったと受け取っています。

nankankeiba.comのレース映像ではちょうどカメラが切り替わるタイミングなので確認が難しいのですが、フジの中継、それも勝利ジョッキーインタビューの途中に差し込まれた映像では4コーナーの2頭をほぼ正面から捉えたシーンが確認できました。

レース直後は御神本がミューチャリーのお尻を振ってオメガパフュームを外へ弾いたのかななどと邪推していました。ポンという程度の接触、少し鋭角にコーナリングすれば当たって「しまった」ように見えますからね。

コーナリングの場面ではないですが、ダイワスカーレット桜花賞が同じ理屈で分かりやすい例にあたると思います。ただ、今回はあくまでアクシデントでしょう。

本命ロードブレスは展開向かず

パドックで目を引いたのがロードブレスでした。みやこSはハイペースだった分鮮やかに追い込んでいたという認識でしたので、今回はペースが向かないだろうというのが事前の見解でした。ただ、パドックがよかった。前走からの積み増しが大きいと見て取りました。充実期にある5歳秋と考えると展開ひとつであり得るのでは、という色気がでてしまいましたね。

しかしスタートの反応がいまいち。キャッスルトップにずいぶん待たされてしまったことを鞍上は敗因分析として語っています。自分からすると前日のコマンドラインと同じリズムなのですが、このスタートが大きなディスアドバンテージになってしまいました。直線は十分に伸びているだけにねぇ。

脚質転換が功を奏した前走。そこからすると3コーナーまでにジリジリと脚を使ってしまい、3コーナーでは被せられて尻もちをつく不利。きれいに末を溜められる展開にはなっていなかったようです。せめて3着は取れたのでは。。。期待をかけ過ぎたとは思っていないんですけどね。残念でした。

最後に

久しぶりの大井は悪友との観戦でした。どちらも別々のタイミングで抽選を通る強運を発揮。大井での観戦はいつ以来だろうと話していたのですがどうやらコロナ禍の前だった2年前の東京大賞典以来のようです。勝ち馬が同じオメガパフュームなのでそのあたりも紛らわしくなった要因かもしれません。どちらも40半ばですから記憶が上手くひっぱり出せなくなっていますね。

大井に向かう途中では、川田と御神本がペースを締めないわけがない、などとごにょごにょ展開予想。おかげさまであちらは3連複、こちらは3連単と的中することができました。自分は前日までに検討していたオメガ、クリンチャーの2頭軸マルチを押さえにしつつロードブレス単勝という変則的な勝負をしておりました。それくらい直前の気配にやられていましたし、坂井瑠星と喜びたかったんですよね。

さてさて、東京大賞典で競馬納めをした格好で、30日はあれやこれやの買い物三昧でした。その流れで秋葉原にも。だいぶ混雑していたラジオ会館、さらさらと上層階まで上がって10歳の頃からファンを続けている作品の模型を確認してきました。FSSといっても分かる方にしかわからないかもしれませんね。

あー、ラキシスやレディオスソープといった馬の名前の由来、といえば通じてくれますか。あの馬主さんはきっとFSSファンなのでしょう。今年はレッドミラージュがデビューしています。来年以降イェンシングフェイディーとか命名してくれたら最高、香港名は「焔星緋帝」でお願いしたいですねー(9文字に収まらないじゃんというツッコミ込みで受け止めていただくネタです)。

合わせてGallop年鑑も購入。フジでは昨日深夜に2021年のまとめ番組が放送されていました。大晦日も予定がありますのでゆっくり時間は取れないかもですが、年度の締め、書きたいと思っています。