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1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

第65回 大阪杯

レイパパレ、川田の巧みなリード込みで強い逃げ切りとなりました。

4コーナーの出口付近、JRAの映像ではちょうど見切れた瞬間ですが(パトロールビデオだとカメラが切り替わった瞬間ですね)、川田が後続を確認するんですよね。外から人気馬がやってこないことを見て取って、肩ムチで明確な切り替えの瞬間を作って、一気に馬場の中央までレイパパレを誘導しました。印象的な瞬間でしたね。

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2021年大阪杯、4コーナーで後続を確認するレイパパレ川田将雅

予想の段階では、ここで有力馬は外から並びかけていてレイパパレは馬場の悪いインから2、3頭目に押し込まれてしまうイメージでした。当然川田もそうされないための戦略を準備していたでしょう。それにしてもああもスムーズに外に展開できるとは。

当日午後から雨が降り始めて、かなり馬場コンディションは悪化していました。レース直前の変化の幅を読み切るのはなかなか難しいですね。レイパパレと他馬にこれだけの差がつくとは予想できませんでした。強かったなー。

公式レースラップ

12.4-11.1-12.1-12.1-12.1-12.8-12.2-12.1-11.6-13.1

川田の巧妙な1コーナー

とはいえ、重を味方につけただけであの着差になったわけでもないでしょう。実際、レイパパレは出負け気味のヨレたスタートだったんですよね。すぐに体勢を立て直して流れを掴み先頭に立つまでのスピードとパワー。このあたりは馬の地力が発揮された場面と思います。

そのスタートダッシュでまぁまぁむきになって走っているのですが、川田はいったんそのまま流す形にして1コーナーの少し手前からじわじわとブレーキング。減速しながらインを締めてサリオスのスピードをけん制しました。1コーナーの入りでサリオスのステップが少し乱れていますので、川田のリードは自身のアドバンテージとライバルのディスアドバンテージを招く、巧妙なブレーキングであったと見ています。そりゃあ、あの位置にサリオスがいることは把握していたでしょう。

川田の巧妙なラップメイク

ラップもまた特徴的。力み過ぎない程度に走らせた、という結果が前半59.8。特に1、2コーナーを緩めずに12.1を連続させて、6ハロン目で一気に減速する戦略。鞍下の気持ちに逆らい過ぎず、ある程度走って気持ちが抜けたあたりでグッと減速したように見えています。

秋華賞のミッキーチャーム、ジャパンカップのキセキ。どちらのG1も2着だったわけですが、川田は1、2コーナーで緩めているんですよね。その制御の方がどちらかというと鞍上のコントロールしたいという意思が強くでている印象があります。ヘッドワーク重視のラップメイクと言いますか。

それに対して今回のラップは、レイパパレの気性を受け入れてつくったラップのように見えますね。馬からすれば変にペースをいじくられるより、ラストの踏ん張りも効いたのではないでしょうか。あの状況下でラスト400から11.6でラップを踏まれたら、なかなか後続はなす術がなかったでしょう。

今年の川田はひとついい変化を迎えているのかもしれませんね。

サリオスは前半の力みとインの馬場コンディションが堪えた模様

スタートダッシュがしっかりついた分、2ハロン目の11.1をどこまで深追いするか、どこまで前目のポジションを求めるか。乗り替わりの松山は最善を尽くしたと思います。できれば1度乗っているとこのあたりのさじ加減がより繊細になったことでしょう。

1コーナーの手前、陣形をみて松山は外に張る所作を見せました。おそらくはレイパパレが前にはいってブレーキングする未来が見えたのでしょう。少しインから離れて、正面に入られる形を避ける意図があったように思います。ただ、ワグネリアン吉田隼人にがっちりブロックされてインに閉じ込められたまま、前述のレイパパレのブレーキングを正面で受け止める1コーナーになってしまいました。

馬場が馬場ですから、ムキになって走ったことと強いブレーキングと、どちらもスタミナを奪う要因であったと思います。

3コーナー過ぎ、一瞬だけ外に展開しようとする松山の姿が見て取れます。その後諦めてインに戻り、直線は最内へ寄せていくことになるのですが、ここで諦めて切り替えていなければ、外の2頭に蓋をされて馬場の悪いインから2、3頭目を通らされる可能性があったでしょう。ここは松山の判断力を評価すべきだと思っています。

もう少し馬場がよければなぁ。インを突くサリオスは想定内だったんですけどね。最後はガス欠となってしまいました。

コントレイルは控え過ぎ?

前半流れたので少し控えたという鞍上のコメントがありました。グランアレグリアを前に見ながらでしたから、おそらく逃げているレイパパレを最優先でマークしてはいなかったのでしょう。ではスタートダッシュを効かせて前目につければ結果がでたかというと、何ともですね。

カラダはひと回り充実していました。やっぱり菊花賞ジャパンカップの転戦は厳しかったのかなと疑わせるコンディショニング。Unbridledはいないのですが、個人的にリアルスティールのイメージを重ねていまして。府中1800が最適、という仕上がりになってきたように思っています。やっぱり東スポ杯のパフォーマンスにたどり着くのかな、などと独り言ちております。

グランアレグリアはスタミナ切れ

タフな流れを迎え入れざるを得なかったでしょうか。外枠だった分インベタは難しいですし、外々を中団で追走したところコントレイルに早めに捲られて被せられてしまいました。直線に向いた時点でもう余力はなかったでしょうね。

昨秋の2戦が鮮やかだった分、2000mへの距離延長も期待感をもって見られていました。代替開催が多く馬場コンディションが悪化しやすい年に当たってしまったことも不幸だったでしょうか。良馬場の2000なら、という陣営のコメントは、そのまま受け止めておきたいですね。

レース前の見立て

馬場

  • 午後からまとまった雨、外差し傾向
  • 先行馬と序盤のペース
  • レイパパレの単騎逃げ

隊列やレース展開

  • レイパパレは落ち着くまでに時間を要する、ハイペース寄り
  • コントレイル、グランアレグリアは直線外にだせてアドバンテージを取りに行く
  • モズベッロは馬場が合いそうだがポジションは?

各馬の評価の上げ下げ

  • サリオスは少し太め、それでも馬場をこなすのでは

勝敗に強く影響するであろうファクター

  • 馬場と枠順、直線でインを突く=アドバンテージではないか

最後に

年度替わりで平日はバタバタとマネジメント業務、通学も始まりました。やっぱり平日は休息も含めて、なかなか時間の確保が難しいですね。

いわゆるマンボウは発令されてしまいましたが、久しぶりに天候の心配が不要な週末となりそうです。予想の組み立てはひとつ楽になりますね。

さて、桜花賞阪神JF上位組が一枚上ではと見立てていますが、これから追い切り確認など情報収集に時間を割こうと思っています。

まともにレースができれば、排気量はメイケイエールが少し抜けている印象があり。ただしあのキャラクターですものね。横山典がどんなお祈りをしてくるのか。

個人的にはサトノレイナスを上位に取りたいのですが大外ねぇ。レース直前まで悩んでいることでしょう。堪能したいと思っています。