more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

第71回 毎日王冠

サリオス、盤石の内容で秋緒戦をまとめました。

ダイワキャグニーがいい目標になったとはいえ、テン乗りルメール、けっこう難しいペース判断を迫られていたようにも見えました。まして大柄の馬体がさらにパンプアップ、追い切り後の鞍上の言葉通り「ムキムキマッチョ」でしたから、休み明けの分も含めてどのくらい反応するか。やってみないと、という面はあったと思います。

ただ、スタートからニュートラルなスピードで4番手が取れたこと、直後のサンレイポケットがザダルをインに閉じ込めたことで直線までストレスフリーな、自身のペースを確かめながらという追走になったようです。

直線入り口、400少し手前と肩ムチを受けながら、ダイワキャグニーを壁にエンジンを吹かすサリオス。カッコよかったですねー。あーもう勝つわー、という充実した準備の間。

 

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2020年毎日王冠、直線に向いてルメールがサリオスの右肩に肩ムチを入れる瞬間

府中の残り300から点火するルメールのパターンからすると、少し遅らせたゴーサインだったでしょうか。ダイワキャグニーの外にスライドして、視界をクリアにしてからはワンマンショーになりました。うーん、理想的な追い切り、という印象も持っておりますが、そうできるだけ力が抜けていたということでしょう。素質馬の完勝でした。さすが。

公式レースラップ

12.5-10.7-11.3-11.7-11.8-12.1-11.8-11.9-11.7

クッション値と含水量

2020-10-11 東京芝コース
クッション値 7.8
含水率:ゴール前 19.7
含水率:4コーナー 19.0

台風14号の影響

四国、九州の南から本州に向かって接近していた台風14号。金曜で東に進路を変えて、本州の南を沿うような動きに。これで東~西日本の広範囲で雨。土曜日いっぱいまで、まとまった降水量になりました。

せっかくの開幕週なのに、という思いになってしまいますね。東京は土曜を通じて芝不良。日曜は雨が上がって、そこからの回復力は相変わらず。毎日王冠稍重で迎えることになりました。

土曜のサウジアラビアロイヤルカップは最後方からステラヴェローチェが突き抜ける展開。一転して日曜は後方一気が難しくなっていた印象。日中に乾いていくわけですから、日曜朝のクッション値も参考程度と理解すべきでしょう。

7~8は「やや軟らかめ」ですが、インから2~3頭目、ちょうどダイワキャグニーが避けていたあたりがそれに当たるでしょうか。うーん、でも乾きながらその上を走ってしまっていますからね。3~4コーナーのインは特に掘れていたように見えていますし。クッションの程度なり、馬場の壊れ方には馬場の場所によって差が生じていたと受け取っています。

トーラスジェミニコントラチェックの前傾ラップ

思った以上にハイラップを踏んでいきました。

コントラチェックはこれでも折り合いが難しいのでしょう。上手くトーラスジェミニの直後にはいりましたが、向こう正面も引っ張ったまま。

JRAの映像では3、4コーナー中間でアップになるのですが、だいぶ手綱を詰めても制御しきれない力んだ様子が確認できます。先頭じゃないと、というタイプなのでしょうね。トーラスジェミニの木幡育也、わかっていて先手を取ったのなら正解ですね。

このラップをニュートラルなスピードで進められればもっと粘っていたかもしれません。展開も馬場コンディションも味方せず、という先行策になったのでしょう。中山中距離に良績があるように、ワンターンが向かないというのもありそう。でもなにより、スタートの所作を見ると逃げたかったんだろうな、と思いました。

サリオスの次走はマイルチャンピオンシップか香港

天皇賞ではないのですね。アーモンドアイとの対決はさすがに同じオーナーですから厳しいところかな。ただ、マイルチャンピオンシップにしても、グランアレグリアと鞍上がバッティングしますので、この動向も見守ることになりそうです。

マイルチャンピオンシップだと淀のマイルかぁ合うかなぁ、という微妙なマッチングをイメージしようとして気が付きました。今年は代替開催で阪神マイル。朝日杯を勝った舞台ですから懸念は不要ですね。馬体の完成はもう少し先という印象もありますし、楽しみが膨らんでまいりました。

ザダル、サトノインプレッサは馬場をこなせず

期待された3歳の2頭はともに回復しきっていない馬場をこなせなかった印象です。ザダルは終始インに閉じ込められたこと、サトノインプレッサは見たまま出遅れたこと、どちらもマイナス要因がありますが、伸びきれなかったように見えますね。

サトノインプレッサはこの結果を受けて菊花賞へ登録。1800や緩馬場への対応より、道中の追走スピードと前進気勢を見ての判断かなと思っていますが、どうでるでしょうね。

京都大賞典も少しだけ

グローリーヴェイズ、川田がそつなくまとめてきました。

京都の方が乾くのが早かったようですが、早くも外差し傾向がでていた印象。直線で川田が選んだコースがよいコンディションでかつギリギリ内、だったのでしょう。

川田のひとつ後ろで運んだシルヴァンシャーは直線グローリーヴェイズの外に出し損ねていたようですし、その出したい位置にいたパフォーマプロミスはグローリーヴェイズのポジションが欲しかったようですし(外枠発走で難しかったでしょう)。

キセキはどうしても気性面へのカバーが要りますので、あれ以上があったかは何とも。キングオブコージがせめて5、6枠だったらと思いますが、このあたりは運もありますね。

計測された数値は載せておきましょうか。公式レースラップは以下。

12.8-10.9-11.8-12.3-12.6-12.5-12.7-12.8-12.2-11.6-11.6-11.8

芝コース含水率はゴール前12.5、4コーナー12.9。クッション値は9.4。前日7.2でしたから、土曜から日曜でそれなりに馬場は乾いていったようですね。

馬券的にはシルヴァンシャー本命。日中ウインズにいってガンバレ馬券を買っていたので4着は痛恨でしたが、良馬場で見直したいなと思う内容。ミルコに手が戻る可能性はあるのかな。まだ戦歴の浅い馬ですから、次走も注目したいと思います。京都大賞典のリピーターと睨んでいたので、改修工事がちょっと悔やまれるかな。

最後に

さて、ここから3冠がかかる歴史的な2週間が始まります。JRAもばっちりキャンペーンを打っていますね。

www.jra.go.jp

個人的にはどちらも達成するイメージなのですが、週末の度に雨となるとコントレイルには逆風のような気もしています。

対デアリングタクトにはインでじっとするリアアメリアか積極策のパラスアテナ。対コントレイルならアンティシペイトの逃げかヴァルコスの切れ。…今のところのイメージですが、うーん。3冠に抵抗するかどうかは、じっくり悩んでいきたいと思います。

そうでした、オルフェーヴル菊花賞は渾身のトーセンラー本命でした。納得感はあったのですが、3冠が成るのであれば馬券も当ててストレートに喜びたいですね。