more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

第56回 札幌記念

これしかない、というリードでノームコア横山典弘が決めました。

4コーナーは鮮やかでしたね。内ラチから離れて、遠心力に逆らわずに、視界をクリアにして直線を迎えるまでの曲線の何と美しいこと。2着ペルシアンナイトにもけん制の効いたタイミングですので、なおさら映えて見えます。

パワーでこじ開けた昨年のブラストワンピースとは対照的な画になりました。そうですね、これに関してはどちらが優れているということではなく、質の違いですね。ファンの側は好みで選べばよいように思っております。

公式レースラップ

12.7-11.1-12.0-12.3-12.2-12.2-11.7-11.7-11.6-11.9

これしかない縦のポジショニング

最内枠にはいった時点で、相当に限られた戦略しかなかったように思っています。スタートから出していくタイプではなく、1コーナーまでのスタートダッシュで後手を踏めば、思った以上にポジションを下げてしまう可能性がありました。緩やかな3コーナー過ぎで外を回すのは相応のロスになります。とはいえ前がマイペースならインで控えるのは直線で詰まるリスクが。

1コーナーの入り、縦のポジションは理想的に見えました。これ以上前でも、これ以上後ろでも、それぞれ苦しい展開になっていたでしょう。狭いスイートスポットに嵌るポジショニングができたものと理解しています。

2コーナーでの減速のタイミング

横山は1コーナー過ぎまでブレーキを踏んでいないように見えるんですよね。ここは推測するしかないのですが、外のポンデザールをインに寄せないように張っていたように見えていまして。

向こう正面の少し手前、手綱を引き始めたのはポンデザールが先行馬の外を回ることがほぼ確定したあたり。そこから先は外を回して押っ付けるルメールと、インで手綱を引く横山のコントラストが観察できます。

ひょっとすると、この場面でポンデザールがインに進路を確保していたら、4コーナーできれいにイン→アウトの曲線を描いていたのはポンデザールだったかもしれないなと。…まぁポンデザールのキャラクター的に馬なりでスーッと、ではなかったように思いますが、この2コーナー付近で静かなポジションの探り合いがあったように思っています。ここを制したからこその勝利、ではないかなと。

阪神と札幌のコースレイアウトの差

一方で、きりっとした議論をみつけましたので、こちらで紹介。

note.com

これを踏まえるとラッキーライラックは、前半それなりに脚を使いやすいコースで、実際に脚を使わざるを得なかったように見えますね。エリザベス女王杯の差しからはかなりギャップのあるペースだったことが窺えます。

今回は真ん中の枠からのスタートにポジションの柔軟性を見ていたのですが、結果的に前を取りに行き過ぎたのかもしれないですね。

今年の戦歴、距離経験を嫌ってノームコアの評価を下げてしまう

ノームコアの2000m。紫苑Sのイメージはありましたが、近走の距離選択がね。2000mのペースへの適合に疑問符をつけたため、印を下げた形になりました。

とはいえ、そういえば安田記念も前半は後方から、中距離馬が差し損ねるような内容でしたものね。1000m通過はそりゃ2秒ほど差がありますが、前回と今回、近しいリズムで走れていたのかもしれません。競馬は難しいですね。

姉妹対決?

クロノジェネシスの動向次第ですが、秋の姉妹対決の可能性がでてきました。んー、でもローテーション重なるかは微妙な気もしています。府中1800で観ることができれば、という個人的な楽しみはありますけどね。可能性がある、と話題になるだけでもすごいことです。

イェッツトの人馬、追い込むシルエット

5着だったイェッツトの脚色、今後楽しみなように思っています。前走は4コーナーで大外を回っての僅差2着でしたから、今回は指示があったか乗り替わった横山武史のひと工夫か、インに拘る戦略でした。骨折での長期療養、そしてまだ2勝クラスですから、もうひとつ伸びしろがありそうですね。

しかし、勝負服が勝負服というのもありますが、4コーナーの回し方はカンパニーと横山典弘、父同士のコンビによく似ている印象。懐かしいですね。

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2020年札幌記念 4コーナーのイェッツトに注目

個人的には2008年天皇賞秋や2009年安田記念、待機策から追い込んでいる姿が重なりました。…この乗り替わり、オーナーの意識的な采配だとしたら、なかなか粋な計らいです。

最後に

昨日8/26、船橋競馬がひと開催中止が発表されました。6人の騎手がコロナウィルス陽性反応とのことで、感染拡大への予防措置をとるため、8/31~9/4の5日間開催中止の判断に至ったようです。

厳しい状況ですが、賢明な判断だと受けとめています。感染経路の特定がまだのようですので、並行して調査が進むことでしょう。

一刻も早くウィルスの蔓延が落ち着いてほしいところですが、当面はしっかり対策を取りながらのお付き合いが続きそう。競馬の開催続行という点からは、風評による悪影響につながらないよう、適切な対策と賢い情報公開を望んでおります。感染者ゼロが続く確率の方が低いでしょうからね。

…現地観戦はきっともう少し先ですね。