more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

第43回 帝王賞

クリソベリル、豪華メンバーの上がり勝負を制しました。

予想通りのスローをしっかりけん制しながら外目4番手。先頭に福永、好位の外で川田という布陣ですから、安定したラップが刻まれるのは納得するばかり。道中、無理に抗する人馬はいませんでしたし、するとしたら1コーナーまでにという展開だったでしょう。スタートからその意思を見せたのは繁田、レーン、和田、御神本かな。ルメールニュートラルにスピードに乗せながら外を意識していましたしね。

3コーナー、オメガパフュームが外からギリギリけん制をかけましたが、ここで抵抗しても厳しかったですね。デムーロの判断は奇策ではなく勝利の可能性を求めてのものだったでしょう。クリソベリルのポジションを取り切る力が上回ったと理解しています。

重馬場にしては遅い走破タイムで決着しましたが、この条件下でしっかり力を示したゴールドアリュール。負かしたメンバーからみてダート中距離のチャンピオンに相応しい内容だったと思います。…あの馬体であのパフォーマンスかぁ。

公式レースラップ

12.6-11.8-12.9-13.5-13.1-13.0-12.0-12.6-11.7-12.1

ワイドファラオの逃げはスロー

スタートからストライクイーグル御神本は手綱を大きく手繰って、できるだけ前々にポジションを求めました。が、伊達にかしわ記念を逃げ切っていないですよね、ワイドファラオは馬なりで11.8のスタートダッシュ。そのまま先頭を取り切りました。

個人的にうれしい誤算はモジアナフレイバー。スタートからダッシュが効きましたね。ワイドファラオの直後、好位のインを獲れるとは思いませんでした。この挙動をみて前半3ハロンはもっと遅いイメージを持っていたのですが、モジアナが素直に先行力を発揮していたんですね。穴で狙っていたのでかなりテンション上がりました。

ミツバは11.8についていけず、ルヴァンスレーヴは外から先行勢がインへ寄せる前にポジションを取り切れず、オメガパフュームはクリソベリルとの先行力の差がでてしまっていました。クリソベリルの機動力が大きく勝っていた先行争い。これだけでも今回の勝者に相応しいのかもしれません。

象徴的な3コーナーの攻防

3コーナー目掛けてデムーロはペースアップ。3コーナーというより、クリソベリルを目掛けてというべきでしょうか。外からの捲りを察して御神本がインから張るアクション。福永はギリギリ前に入られないようにペースを上げ、デムーロは勢いそのままクリソベリルにプレッシャーをかけていきます。たぶん軽く接触していますね。

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第43回帝王賞、3コーナーの攻防

ストライクイーグルとオメガパフュームに挟まれながら3コーナーへ。川田は慌てていませんでした。最小限のペースアップでポジションをキープ。仕掛けたデムーロとここで攻守が入れ替わりましたね。

3、4コーナー中間からは、手を動かしながらひとつ外を回り続けるデムーロと、馬なりシフトアップする川田のコントラスト。

13.0-12.0-12.6というラップはちょっと大仰なアップダウンに見えますが、3コーナー手前からペースが上がったのは間違いないでしょう。ここを支配したクリソベリルに凱歌が上がりました。

チャンピオンズカップではインティの背後でタイミングを窺う3、4コーナーでしたが、今回はよりアグレッシブでコントローラブルでしたね。

クリソベリル、秋のローテーションは国内

コロナウイルスの影響がありますので、秋は国内に専念せざるを得ないのでしょう。JBCクラシックからチャンピオンズカップという音無師のコメント。来年早々の再遠征、サウジカップからドバイワールドカップという転戦を見ているなら納得するところです。

おそらく今日対戦したメンバーとの再戦になるのでしょう。先行してペースを作れるライバルがでてくるでしょうか。インティ?

クリソベリル vs カフェファラオ

観たいですねー。あえてこういう並べ方をしてみましたが、観たいですねー。

どちらも馬体の未完成さが覗いている状況ですので、国内で雌雄を決するなら面白いチャンピオンズカップになりそうです。カフェファラオが秋のアメリカ遠征に踏み切る可能性、そこまで高くないように思っていますが、まずはあの印象的なユニコーンSからジャパンダートダービーに参戦するか?という動向からですね。

モジアナフレイバーはインが詰まって惨敗

4コーナーまではよかったのですが、いや、4コーナーまでの追走にだいぶ力を削がれていたというべきなのでしょうか。直線に向いて進路を確保できず、流すような形でズルズルと下がっていってしまいました。

直線に向く瞬間に賭けていたかな。その一瞬、ストライクイーグルが膨らんだコーナリングをしたその瞬間に、進路を確保するだけの加速は見られませんでした。4コーナー手前でラチを離れていれば少なくとも前が詰まることはなかったように思いますが、それでは勝ちがない、という見立てだったのかな。東京大賞典も完全にワンテンポ遅らせてからの追い込みでしたし、繁田の気概は感じ取れるレースの運びだったと思っています。実力負けではないでしょうが、この展開で勝ち切れる馬でもなかったかな。好きな馬なんですけどね。

ルヴァンスレーヴは復調途上…?

追い切りの遅れ方が気になっていました。故障前の息の長さはここ2戦では見られず、という印象です。というより、ブランクの長さが大成を阻んでしまったかなと。故障前の延長線上に描けた馬体の完成イメージからはだいぶ。。。最近ですとブレスジャーニーが近しいパターンに見えています。

今後の動向は気になりますが、復活が成るとしても、もう少し時間を要するのかなと思っています。

最後に

例年ですと現地観戦できるか?と思いながら残務と残り時間に追われていたのですが、今年は自宅で観戦いたしました。予想の合間で仕事のメッセージが飛び交うという勘弁してほしい流れではありましたが、クリソベリルの馬体にもうひとつ上があると見立ててオメガパフューム本命。わるくないピントの合わせ方だったと思っています。

チュウワウィザードが4着だったらもう少し3連複が跳ねたんですけどね。ワイドファラオの前残りを視野にいれたあたりも上手く見積もることができました。

そのまま最終レースのチャンピオンスター賞も堪能。ハルディネロとアンティノウス、見応えあるマッチレースでしたよ。観ていない方はぜひ。