more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

第37回 フェブラリーS

モズアスコット、芝ダートのG1を制しました。ちょっと一方的な強さでしたね。

インティの逃げ、おそらく今年は難しいだろうとみていました。終わった後だから何とでもいえる的な指摘はありそうですが、アルクトスとワイドファラオの初速が上回るのではないかと思っていました。田辺と福永ですから、どちらかというと突っ込んだ前傾ラップになったことに驚きをもっています。

先行勢が団子になるのはほぼイメージ通り、その直後で立ち回れる馬にアドバンテージがあるだろうと展開予想して、ピックアップしたのはモジアナフレイバーでした。実際はその位置をルメールが取っていましたね。スタートを決めてから、いったん下げてのポジショニング。人馬とも完璧でした。

公式レースラップ

12.5-10.9-11.2-11.8-12.3-12.2-11.9-12.4

2頭が前傾ラップを演出、インティはスポイル

内枠を利して、前々で立ち回ろうとした人馬が多かったようですね。3コーナーの通過順位、転載します。勝ち馬より前は見事に1~7番と内枠が揃っていますね。

(2,*3)-4(5,6)1,7,12-(15,13)-10(16,9)-(8,11,14)

アルクトスとワイドファラオの雁行した逃げは、インティ対策だったでしょうか。3ハロン目を緩めなければインティはなす術なしになるのは見たままでしょう。ただ、この肉を切らせて、という戦略を2騎が積極的に選んだことがちょっと驚きで。3コーナーに入っても丁丁発止を続けていたことを指して「勝負にいった」とはあまり言い難いなと。もし当事者2人が勝負していたと感じているなら相当にイチかバチかという攻め方であったと見るしかない、と感じています。

モズアスコットは史上5頭目の芝ダートG1制覇

厳密にJRA・G1というべきでしょうか。過去4頭をソラで言えるか、試してみました。クロフネアグネスデジタルイーグルカフェアドマイヤドン。言えましたね(笑)ホクトベガを入れようと思ったのですが、フェブラリーSが当時G2のためノーカウントの模様。ヴィクトワールピサドバイワールドカップ、はAWだから含まれないのでしょうね。

個人的な心象では、走っていればどちらも勝っただろうとG1馬は多いのですが(ダイワスカーレットフェブラリーS挑戦とかね)、ローテーションの難しさや、芝優先という価値観のハードルもありそうですね。賞金も違いますし。その意味では今回、積極的な挑戦であったと思っています。

この後のローテーション、報道ではドンカスターマイルブリーダーズカップダートマイルなど、わくわくする文字列が並んでいます。一度ピーキングしているでしょうから、是非慎重かつ大胆に。フランケルの血が日本を経由して別の大陸に向かう姿、楽しみにしています。

モジアナフレイバーは芝スタートがすべて

1頭だけスタートが上手くいっていませんでした。レース後の繁田のコメントでも、芝スタートで滑ったことが指摘されています。まぁ、そりゃそうか、というところなのですが、残念には違いないですね。その後、まっしぐらにインを目指したのはファインプレーでしょう。2着ケイティブレイブも4コーナーまでインベタですしね。

鞍上のコメント通り、もう1、2列前でペースに乗りたかったですねー。外目の枠でしたが先行気味に進めていたら、ケイティブレイブのポジショニングが上手く取れていたかもしれません。東京大賞典から連続しての本命でしたが、モズアスコットを除けば悪くない見立てだったのかなと反省をしております。

ケイティブレイブは長岡のファインプレー

最低人気なのは理解していましたし、おいしいなぁとも一回は思いましたが、ペースに嵌るイメージが湧かなかったんですよね。先の通り、もう少し拮抗した平均ラップになる想定でしたので。しかし、何より、鞍上長岡のリードを語るべきでしょう。

スタートよく下げずに追走し、先行馬が行き切った後のぽっかり空いたスペースを内ラチまですーっと寄せていきました。ピンク帽が3、4コーナーをインベタしている姿はいい意味で目立ちましたね。展開に恵まれた面はあるでしょうが、色気を出さずに直線までロスなくまとめた鞍上の判断が大きく奏功したと思います。フェブラリーSへの出走を進言したようですし、よくわかっているジョッキーの騎乗、そのアドバンテージがしっかり出たといえそうです。

一点だけ、あらかじめ外に出すつもりという誘導に見えましたので、もしあのまま直線インに突っ込んでいたらどうなっていたか。少し欲を出したタラレバですけどね。

最後に

コロナウィルスの予防策がなかなか難しい時期のG1開催となりました。自分は迷ったうえで、午前中に府中で馬券を購入、帰宅してテレビ観戦という形にいたしました。都心のオフィスタワーに通勤している手前、府中の5万人に紛れることとどのくらい差があるかというと…、などと思いつつ、入場者数の少ないタイミングで動くという謎の微調整を施して、活動を止めない判断にいたしました。

いまのところ手に入る情報の限りでは、高齢者や乳幼児、基礎疾患を持っている方の罹患には注意しなければいけない(=重症化しやすい)、という理解。もし両親と同居していたらだいぶ判断が変わっていたでしょう。

一方で過度の自粛も経済活動へ悪影響がでてしまいますしね。個人的には、すでに蔓延していて自分も感染していると前提したうえで、なるべく広げないように配慮しながら普段の活動は大きく止めないという判断にしています。でも明日には違う情報を元に警戒感がぐっと増すかもしれませんし、予断は許しませんね。

このバランスを取るストレスが続いてしまうと、不安が徐々に蔓延してしまうんですよね。インフォデミックなどという単語も目にしましたが、これに理性をもって抵抗しようとする姿勢は大事と心得ます。

毎週の競馬が無事に開催されることは平和な日常が続いているバロメーター、と言えそうですね。早期の終息を願いつつ、個人で注意すべきポイントと判断のバランスを見極めていくつもりです。努めて冷静に、まいりましょう。