more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

第167回 天皇賞(春)

ジャスティンパレス、完勝でした。

 

最内枠から中団をキープ。出入りの多いペースをやり過ごしながら2周目の1、2コーナーで馬群の外へ切り返しました。その結果、先行勢のアクシデントもきれいに避けながら外目から直線へ。溜めていたディープインパクトと負担をかけないルメールと京都の馬場ですからね、直線の切れは納得のそれでした。新生京都コースの、きもち時計のかかる馬場コンディションもあっさりクリアしていましたね。

 

2周目の向こう正面で前にディープボンドを置いたあたりで勝負は決していたように思っています。残り1000の手前で和田が外側を振り返って後続を確認していましたが、すでにルメールにターゲッティングされた後でしたね。

全力を出し切りに加速しているディープボンドを直線早々に交わしての戴冠。文句なしの内容でした。

 

公式レースラップ

12.3-10.8-11.9-12.1-12.6-12.0-12.0-12.6-12.8-12.9-13.3-13.2-12.3-11.9-11.5-11.9

 

コースが異なりますが、昨年阪神天皇賞春のラップも。
12.7-11.9-11.9-12.0-12.0-11.9-12.2-12.8-13.3-12.9-12.3-12.0-11.9-11.5-11.7-13.2

 

当日は雨の影響が残る馬場

朝まで降った雨の影響で日曜は終日やや重での開催。芝コースはスローで流れても33秒台の上がりが珍しいという時計の出方でした。

翌週の京都新聞杯、勝ったサトノグランツで33.3、上がり最速はマイネルラウレアで33.2ですから、新コースならではの特徴というわけではなさそうですね。

 

タイトルホルダーは2周目の下りで競走中止

右前肢跛行との診断、その後の検査では腱や骨には異常がなかったとのこと。まずは一安心ですね。

 

どうやら横山和生はレース前に「異変」には気づいていた模様。返し馬直後に輪乗りから離れて丹念にほぐす時間があったようです。フジの中継でも輪乗りから離れて少し動かしてまた輪乗りに戻るシーンが映っていました。あとから振り返ると右をかばっているようにも見えます。

パドックでは若干肩の動きに固さを見て取ることはできるのですが、競走中止を予見するほど明らかなそれではなかったでしょう。むしろ仕上がり上々に見えていました。

 

SNSの一部では故障がわかっていて何故走らせたというコメントも見られました。1番人気を除外にすると返還があって売り上げが減る…という論法なのでしょうが、状態に明らかな問題があればジョッキーに限らず周囲が気が付いて止めていたでしょう。実際、12.3-10.8を逃げ馬の直後で走ることができていますしね。3200mの2ハロン目は登坂ですから、相当加速している状態にあります。

 

個人的にはレース直前に筋肉を傷めて、それをレース中には庇い切れずに走りに支障をきたしてしまったものと受け取っています。

アップダウンの大きいラップも苦しくなりやすい要因だったでしょう。速めかつある程度一定のラップで後続を引き離していくスピードの持続力が武器というタイプでしょうから、筋肉を傷めつつ苦手な加減速を強いられた形になりました。

 

競走馬の加減速についての基本的な考察とタイトルホルダーの分析はmahmoudさんの投稿が参考になると思います。自分も考え方の再確認などできました。

bookers.tech

 

アフリカンゴールドとアイアンバローズ

上記のmahmoudさんのバランスに近いと感じているところですが、あのアフリカンゴールドの逃げは否定はしないけど何とも…というところ。うーん、自分はもう少し否定的かもしれません。あのラップを刻んで勝とうと思っていたのかが引っかかるんですよね。

自分の形に拘るというのもひとつの競馬の形ですが、なぜ逃げの形に拘るのかといえば勝利を目指すからですからね。お互いを潰し合うことが優先されてしまう競馬はいずれ多数の関心を失っていくと思います。鞍下の特性からやむを得なかったのかもしれませんが、あまりポジティブには評価できない逃げでした。

 

更新していないので古いデータで止まっていますが、自分の旧ブログで投稿していた2002~2016年までの天皇賞春のラップ一覧です。2ハロン目に10秒台が計時されたことはありませんでした。ご参考まで。

keibadecade.blog98.fc2.com

 

一方のアイアンバローズ、坂井瑠星はタイトルホルダーの異変を感じ取っていたのでしょう。2周目の2コーナーから手が動いていますから、かなり早めにタイトルホルダーをけん制しにいったことになります。

そもそも上村師がスタミナを活かすタイプと事前にコメントを出していました(これを読んでおけばよかった…)。曰く「前走(阪神大賞典)はまともなレースをしてしまった」「ポジションを取りにいかなかったことで最後は伸びても前に届かない展開に」。…瑠星にスタミナを活かすよう(=前々で競馬するように)指示を出していて不思議ないですよね。

 

ただ、乱高下したあとのペースですし、ペースを上げられないタイトルホルダーに向こう正面でお付き合いすることになりました。そしてそのタイトルホルダーが踏ん張り切れなかったことで3、4コーナー中間で自分から仕掛けて先頭に立つことに。

いずれも早めのラップでダラダラとスタミナを使っていくレースを理想とするならだいぶかけ離れた後半になってしまいました。残り400からの11.5、ディープインパクトの切れを引き出す流れでしたものね。

 

上村師の前走の見立てから、控えてのロングスパートという選択は念頭になかったかな。ファンの側ならではの結果論かもしれませんね。可能な範囲で勝負にいったことは評価しているところです。

 

ボルドグフーシュは伸び切れず4着

こちらも前走、阪神大賞典の進め方が大きく影響する待機策でした。自分で動いて展開をつくらない判断だったのでしょう。2周目向こう正面ではジャスティンパレスの真後ろですから川田のポジショニングも見事なそれだったと思います。

それにしては直線伸び切れませんでした。距離と考えるのが賢明なのかな。個人的には体型と走り方から下りでの加速をあまり上手にこなせないのではないかと仮説をもっていたのですが、明らかな傾向は見て取れなかったと思っています。

あ、川田が長距離苦手という心無いコメントも聞かれましたね。武豊はダービー勝てないという揶揄と同じ程度で受け止めておきましょうか。

 

最後に

このGWは、機種変に手間取ったり本を読んだりChatGPTの反応を確かめたりカレーをつくってみたり。まとまって仕事を離れて心が遊んでいる時間は大事ですねー(ChatGPTはどうした、という感じですが遊んでいる感覚です)。

なかなかタイトルホルダーの顛末に言葉を探していたのも投稿に時間を要した理由でもありました。

いやいや、それにしては引っ張り過ぎですね。すでにNHKマイルカップ当日ですし、すでにケンタッキーダービーのナイストライも終わっていますし。

 

これから府中なのですが、まだどの馬にするかは何とも。昨夜はかなり風が強く、夜半過ぎから雨が降り始めていて、まさにいまいま降り続いている最中ですからね。

カルロヴェローチェ、セッション、モリアーナ、オオバンブルマイ、ナヴォーナ、シャンパンカラーと順不同ですが気にしているところですが、馬場次第ですね。現地で返し馬を穴が開くほど凝視してまいります。