more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

第74回 朝日杯フューチュリティS

ドルチェモア、坂井瑠星の見事なリードに応えました。

 

抜群のスタートから外枠の馬をけん制するように先頭で流し、2ハロン目からは抑えにかかって、3コーナー手前でオールパルフェを前に迎え入れてからは無理なくギアを落として番手追走に切り替えました。

おそらくはペースをスローにさせない戦略だったのでしょう。コーナー通過順は3-3。記録には表れないファインプレーは人馬のクレバーさを示していますね。

 

直線に向いてから外へ展開し、インから掬われないよう、外の馬にもけん制を効かせながらバテない末脚を発揮しました。前後半45.7-48.2の前傾ラップ、さらにその中でもアップダウンが大きいですから。

このラップを乗り切ってかつ自身で加減速しながら直線抜け出したあたり、スピードスタミナを兼備している強い勝ち方だったのではないでしょうか。坂井瑠星の乗り方と自身の特徴がマッチしているようにも見えています。

 

ホープフルSに有力馬が分散したことでレースのレベルがどうなるかと勝手に心配していましたが、上位3頭は来年が楽しみな素質を見せてくれました。

 

公式レースラップ

12.4-10.4-11.3-11.6-12.1-11.7-12.0-12.4

 

軽快な差しが効きにくいタフな良馬場

当日の新馬戦、最後方から差し切ったマイネルラウレアのタフさが抜けていただけで、力を要する分差し脚の切れが削がれる馬場という理解をしていました。そのため、タフですが内枠先行有利という傾向が表れたものと思っています。

 

準メイン、六甲アイランドSで坂井瑠星はインフィナイトでの逃げ。馬自体の特徴に沿った戦略ではありますが、前半3ハロンは12.2-10.6-10.9、気持ち突っ込んだラップを作っていました。これでどれだけ前にいって残れるか、ある程度計れたかもしれません。

上がり最速がダノンタッチダウンの35.2。2歳暮れの完成度で力強くフィニッシュするには少しタフだったという印象です。その分接戦を演じた上位3頭は少し抜けていたといえるように思っています。

 

坂井瑠星はG1・2勝目

スタニングローズの秋華賞に続いてのG1制覇。どちらも先行策から直線で押し切る内容。先行意識の高いジョッキーという認識は広まっているものと思いますが、本人が磨いていたのは鞍下のスタミナの底を計る力でしょう。あとどれくらいでスタミナ切れをおこすか。

こればかりは数多くのレースを体験する中で感覚的に会得するものでしょうから、厩舎のバックアップを受けながらその感覚を磨いてこれたのは大きな財産。それがG1の舞台まで結びついたものと思っています。ドルチェモアの脚色が少し鈍ったあたりでゴールでしたから、鞍上の経験の賜物といえる内容だったと思っています。

 

ダノンタッチダウンは直線までインで我慢しての2着

内容が濃厚だったのはこちらかもしれません。内枠に先行したい馬が固まったこと、自身は外目の枠。そしてまだまだスタートダッシュが利かない大柄で未完成の馬体。スタートしてからニュートラルに進める中で、インが開くタイミングがどこかに生じる、というのが川田の事前の戦略だったように思っています。

スタートからまもなく、ものすごく少ないストレスで12番枠スタートの馬を内ラチ沿いまでもっていきました。これはもうリーディングジョッキーのファインプレーといってよいでしょう。

 

直線に向いても慌てず、少しずつ外目にスライドしていって大きなストライドの末脚を繰り出しました。あとちょっとで差し届いていましたけど、そのあとちょっとが勝敗の分かれ目なんですよね。

未完成の馬体でなければ、どうしても外々を回っていたかもしれません。それを踏まえると善戦の2着といってよいと思っています。

大柄な馬体がどういう成長曲線を描くか。きっと半兄ダノンザキッドとも異なる完成になるのでしょう。来年が楽しみですね。

 

本命レイベリングは先行策から3着

まさかあの位置までとれるとは思っていませんでした。先行しましたねー。もう少し中盤でリラックスして走れればもっと際どかったかもしれませんが、テン乗りであそこまで出していった横山武史を褒めるべきでしょう。

自分のイメージは、もうひとつ後ろのポジションからダノンタッチダウンの進路を潰すように進出するのでは、というもの。鞍上の胆力が一枚上でしたね。

柔らかく大きく動くフランケル。もう少しパワーがついてくると中山で先行して押し切ることも可能なのでは、と思わせてくれております。新馬の上がりタイムが秀逸でしたが、それ以上にあのフットワークは持って生まれた才能ですね。ぜひ損なわずに来春を迎えてほしい1頭です。

 

最後に

やっぱり週末の投稿になってしまいますね。年末に向けて仕事が混んでくる時期というのもあり、ちゃんと休息をとりながら平日の業務をこなしていくとこうなりがちです。有馬記念の前々日売りもスタートしていますし、前週のまとめはもう少し早くしておきたいのが正直なところなのですけどね。

 

有馬記念、先行したい馬が外目の枠を引いたことで、スタートからファーストコーナーまで、真ん中の枠の馬が外からの押圧に耐えかねてポジションを下げてしまうのではと懸念しているところです。そう考えると、ボルドグフーシュ、イズジョーノキセキ、ジェラルディーナあたりは好枠を引いたと理解をしております。

タイトルホルダーはどうしても目標になってしまう分が心配。ジャスティンパレスもディープボンドも早めにマークして早めにアクセルを踏んでくるイメージ。トム・マーカンドと川田将雅ですからね。

そうすると狙い目はその後ろから差してくる馬。イクイノックスかな。…はい、ヴェラアズールをどうしようか考えているところでもあります。

 

予想は当日の馬場コンディションを見ながら組み立てるつもりです。中山の指定席が取れなかったので府中に切り替え済。中継映像をみながらゆったりめの府中で観戦するつもりです。いやー、楽しみですね。