サークルオブライフ、スローの切れ味勝負を制しました。
アップダウンのあるレースラップ、使い込んでパワーを要するタフな馬場。そのバイアスに逆らってはいないでしょうし、道中あちこちで見られた接触シーンにも巻き込まれることはありませんでしたから、中団外目をスムーズに回ってこれたというアドバンテージはあったでしょう。
それでも強かったですね。直線にはいってもベルクレスタの直後でアイドリングしながら、満を持して外へ持ち出す十分な間。エンジンがかかってからはゴールまで鈍らない脚色。あー決まったなという息の長さを見て取ることができました。
前走アルテミスSの脚色をそのままトレースしたような、という表現が頭に浮かんで、評価すべきはそこだったなと反省中です。
星と鼻梁白(で合ってますかね)、シャドーロールと四輪駆動の息長い末脚。最盛期をリアルタイムで観ていないのですが、ナリタブライアンの差しにイメージが重なりました。ロベルト系以外にあまり接点がない気がしますけどね。
外へ持ち出す手前で一度インに行きかけたところを右鞭でポンと矯正する場面は、2歳っぽさも覗いたかな。それも含めて、今後の成長が見込める中での強い勝ち方だったと思っています。
公式レースラップ
12.2-10.4-11.5-12.3-12.6-12.1-10.9-11.8
インは掘れる馬場
外差しというより、使い込んでインが掘れてしまう馬場コンディション。来春までこのままの傾向が続いてしまうのかな。代替開催の分、開催週が多いですからね。当日の9R、オリオンSがかなりわかりやすい外差しでした。
8番枠のステルナティーアがスタートからまっすぐ進んでいますし、3着ウォーターナビレラも道中は内ラチ沿いから直線入口で一気に5、6頭インを開けて外へ展開。ルメールも武豊も直線をインで迎える選択肢をあらかじめ外していたのでしょう。先のオリオンS、勝ったルビーカサブランカは鞍上武豊ですしね。サークルオブライフの進路取りも妥当なそれと思っています。
1コーナーまでの接触
2歳馬戦らしいといえばそうですが、有力馬のパフォーマンスに影響がでていたので目についてしまいますね。
スタートからウォーターナビレラが主張、その内で張っていたラブリイユアアイズはひとつ内をキープしようとしたようですね、脚色が違ったウォーターナビレラに前に入られるまでインへ押圧される格好に。そのまま内側にいたシークルーズ、ステルナティーアを順に挟んでしまう形になりました。
ギリギリのせめぎ合いですし、誰かに一方的な非があったようには見えていませんが、個人的には団野にウォーターナビレラの外へスムーズに出していく選択肢が浮かんでいれば避けられたかなとも。でもなぁ、そのまま2着に粘り込んでいますからね、ポジションを主張すること自体に意味はあったわけなのですが。
ラブリイユアアイズとの脚色の差をみてその前に入っていったウォーターナビレラ武豊も、スタートから1コーナーまでを大きく使ってハナを取ったダークペイジからプレッシャーを受け、驚いてインへ逃げる形に。
ファーストコーナーまで距離はあるのですが、先行したい馬が少し外枠に多かったかな。このあたりがスムーズだと、レース結果にエクスキューズがつなかくてよいんですけどね。
なお、サークルオブライフはこの玉突きの直後に構えていてほぼ影響はなかったと思われます。
サークルオブライフの血統
カーリアンとサンデーのクロスは見つけていましたので、エピファネイアに柔らかさが増しているイメージをもってはいましたが、望田潤さんの記事をみてなるほどそうかブエナビスタと気づくのが遅め。以下、引用と記事リンクです。
CaerleonとマルゼンスキーはNijinsky、Princequillo、Pharamond、BigHurry≒Businesslikeなどが共通するニアリーな関係で、ビワハイジとスペシャルウィークを通じてCaerleon3×4にマルゼンスキーを合わせるというのは、血統をやる人ならばブエナビスタを思い起こすことでしょう
父と娘の着順の妙
ロゴタイプ、エピファネイアの名前が並んでいるのをみて、週中にああ皐月賞はワンツーだったなぁと思っていましたが、レース後しばらく、エピファネイアがリベンジを果たしたワンツーフィニッシュであることに気づかず。
直線の位置関係は父と娘では逆。そしてどちらも勝ち馬にはミルコ・デムーロ。…長く観ているといろいろ繋がってきますね。
気になった馬
ナミュール
ド派手に出遅れてしまいました。もう少し程度の軽い出遅れで済んで、道中ベルクレスタのあたりに陣取っているイメージだったんですけどね。
その後のクリスチャンのリカバリーはパトロールビデオをみると非常に妥当。サークルオブライフの真後ろにポジショニング出来ていましたから、このままレースを進められたら結果は違っていたかもしれません。
ただそのあとが厳しかった。隣にいたサクが寄れて接触、クリスチャンが「他馬をこわがった」というのはこの場面でしょう。驚いたことも相まって大きくインに切れ込んでしまいました。もう直線で馬場の外に誘導するのは至難の業になりますね。
直線入り口で少しでもアウトコースを模索するクリスチャンの姿が確認できますが、さすがに進路はなく。最内に突っ込んで土を跳ね上げながらの末脚発揮となりました。それで勝ち馬とコンマ2秒差の4着でしたから、もったいないレースになったという印象です。
出遅れなければ、というエクスキューズがつきながら春のクラシックに臨むことになるのか。今後の課題はそこでしょうね。本命視したのですが、力の見立ては合っていたかなと思っています。
ステルナティーア
ファーストコーナーまでの不利で外傷を負ったことも不本意な着順の要因と思います。前走サウジアラビアロイヤルカップは府中の開幕週ですから、馬場にだいぶギャップがあったでしょうね。桜花賞まではこの馬場と向かい合うことになるわけで、その巧拙がどうでますか。
最後まで本命にするかを迷っての対抗。初輸送のマイナス10kgと合わせて、春にむけてよい経験になったといえるかな。
ウォーターナビレラ
折り合いがついての先行策。特徴的なのは直線入口で外に持ち出してから、あっという間にトップスピードまでギアを上げたこと。ジョッキーもゴーサインを送ってはいましたが、外で張っていたアネゴハダ、ベルクレスタに闘争心むき出しという見栄えでした。いったん先頭に立っているように、加速力は非凡なもの。最後に交わされてしまったあたり、もう少し軽い馬場コンディションがよいのかもしれません。
トレーナーとジョッキーで兄弟G1制覇はおあずけ。でも見せ場十分だったと思います。これがあるから買い目から切れなかったんですよね。
最後に
一度勢いがついたミルコには気を付けるべき、なのでしょう。土曜のターコイズSは内枠を捌き切れないと思ったミスニューヨークで後方一気。引き続きやられてしまった格好です。
朝日杯ではプルパレイに騎乗。決してスタートが速いわけではなく、前走デイリー杯も3ハロン目でじわっと先頭に立つ流れでした。目標になってしまった分の4着という認識です。左右の先行馬に挟まれなければ、前走よりやれるかもしれません。
喉の不安がなければジオグリフ一択ですんなりだったんですけどね。あの追い切りと合わせるとどうしても不安が先行してしまいます。
折り合えばアルナシーム、流れればドウデュース、ドーブネとオタルエバーは先々も見据えたときに先行争いをするかしら、などなど、少し検討しなければならない馬が多く時間を要するなと思い始めているところです。
そうそう、ひとつ前の投稿で最優秀ダート馬はテーオーケインズだろうと書いていましたが、マルシュロレーヌがBCディスタフ一発で受賞する可能性もありますよね。ドタバタ書こうとするとあれこれ楽しんで巡らせている着眼点が十分まとまらないなぁと。
…香港をまとめる時間をつくれるかしら。あわてずにじっくり振り返りながらまとめたいとは思っています。