more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

第17回 ヴィクトリアマイル

ソダシ、圧巻の走りでした。鮮やかで、強かったですね。

現地観戦だったのですが、ゴール直後の拍手、拍手。コロナ以降、最も集客をしたであろう府中のスタンドで直接聞くことができてよかったです。マスクをしている分、表現方法は変わっていますが、ソダシ強い!という共通認識がゴールの瞬間に生まれたように感じました。馬券を離れて拍手がでるのはいいものを観たとき、ですよね。

 

公式レースラップはこちら。
12.5-10.8-11.4-11.6-11.7-11.1-11.3-11.8

 

好スタートのソダシとレシステンシアはすぐに雁行。お互いにスタートダッシュを深追いしたくない心理が働いたでしょう。二の足がつかず押っ付けたローザノワールは2頭に迎え入れられる形で先頭に立ったように見えています。きっとアクシデントがなければ、レイパパレがここから強くけん制していたはずなんですけどね。

レイパパレはスタートから1歩目でつまづいてしまいました。パトロールビデオでは川田の体が左に大きく傾いでいるのがわかります。ここから立て直すからジョッキーの体幹は凄いですよね。右の鐙も外れていました。リズムを崩したとはレース後のコメントですが、ここからリカバリーしてポジションを上げつつ、ペースを深追いしないよう先団で手綱をがっちりキープする判断になりました。

 

内からソダシ、レシステンシア、レイパパレがスピードを押さえながらの雁行。ペースをけん制した結果、直後の馬は手綱を引かざるを得なくなりました。レシステンシアの後ろで収まり切らなかったクリノプレミアムは、力んで左右にふらつく所作。結果インの2頭、ディヴィーナとデアリングタクトが順にショルダーチャージを受け、2頭ともエキサイトしてしまいました。

3コーナーではソングラインが躓くアクシデント。どうやらですが、アンドヴァラナウト福永に被せられないよう外に張りにいったところ、斜め前方にいたファインルージュの後ろ脚を踏みそうになってしまったようです。インに閉じ込められないように早く動いたことが、アクシデントを招いてしまったようですね。

直線ではファインルージュ、前方のクリノプレミアムの外へ展開しようとしたところわずかにクリノプレミアムも外へ流れてきてしまい、踏ん張った左前脚のグリップが効かず、脚をとられたような形になっていました。1完歩分フォームがバラバラになってから立て直しての2着ですから、よくリカバリーできたと感心するところです。

 

こうしてみると有力馬に軒並みアクシデントが発生している、ちょっと特殊なレースになった印象があります。

ただ勝ったソダシは好スタートからインへポジションを取り、ソングラインの進路を消しつつ直線までスタミナを温存する、まさに自分の展開に持ち込むことができました。3、4コーナー中間では先週のダノンスコーピオンよろしく、いったん右手前にスイッチする間が。それだけ追走に余裕があったものと受け取っています。

アクシデントに巻き込まれなかったことは、アクシデントを避けられるポジションを自力で取れる力と特徴があったというべきでしょう。上がり33.4は自身最速。アブレイズ、シャドウディーヴァ、テルツェットが32.9で上がっている一方、逃げたローザノワールが4着ですから、序盤のポジションが大きくものを言ったレースになりました。

 

本命はソングラインでした。序盤でソダシ、ディヴィーナに順々に前に入られて、かなりポジションを下げてしまいました。もうひとつポジションを主張するかなと思っていたのですが、結果的に後手後手の展開に。この枠の並びでは内枠がアダになったかな。残念でした。

 

そしてデアリングタクト。繫靭帯炎での1年以上の休養明け。トウカイテイオーが引き合いに出されていたのはウマ娘から競馬にはいったファンにもわかりやすいエピソードになっていたかもしれません。復帰前と同様に最後の馬場入りを選択していましたが、カメラが向いて場内アナウンスが流れると、こちらも拍手が。3冠牝馬に対するリスペクトはこんな形で現れるものなんですね。個人的にレース前の拍手は控えているのですが、これだけは止めませんでしたね。

レースは内枠からそのまま直線で最内を伸びるコース取り。それしかなかったともいえますが、少し柔らかめであろう最内を通ったあたりに鞍上の労りがあったかもしれません。正直、このメンバーで勝負になる出来かといわれると…、という評価に落ち着いていましたが、あのパフォーマンスで6着と頑張ってくれました。1頭だけ、自身との戦いをしているようにも見えましたね。ここから次走を考えるなら宝塚記念かなと推察しますが、まずは無事に復帰戦を終えたことを喜びたいです。

 

さて、当日はウマ娘から関心をもった後輩と観戦。ソダシのがんばれ馬券を持っていたあたり、ビギナーズラックというべきかこちらがベテランの経験を活かせていないというべきか。初めての競馬場であのスタンドの拍手を体験してくれたのはよかったと謎の老婆心を覚えているところです。

ゴールドシップ皐月賞を予習していたので(ワープという単語が真っ先にでてましたね)そこから今浪さんに話がつながったり、馬場コンディションが勝敗に影響するなどなど、なかなか込み入ったエスコートになってしまった模様。充実感はあったようですのでリアルの競馬の魅力にも目覚めてもらえたらよいですね。

 

最後に。オークス週は日曜まで天候がぐずつく1週間になりそうです。とはいえ京王杯当日の馬場の回復具合は驚くばかり。当日朝まで降っていたのにメイン前に良馬場へ回復とは。とんでもない排水性です。

ヴィクトリアマイルを観る限り、Bコース代わりを割り引いても馬場は(地下茎は、かな)壊れていないようですから、雨の影響はあまり気にしなくてもよいかもしれません。いまのところ日曜は雨があがる予報ですしね。

いまのところ桜花賞とは違う質のレースになるのではというイメージ。サークルオブライフ、アートハウスに期待しつつ、情報収集でワクワクする1週間になりそうです。