more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

第39回 フェブラリーS

カフェファラオ、速かったですね。

 

スタートからスムーズに好位に取りつく姿を見て「上手くいっているな」と思い、4コーナーの充実ぶりで連覇を確信させられました。肝心な内容は「堀先生に聞いてください」ととぼけた福永の、実にそつのない騎乗が見事でしたね。

 

当日の東京は降ったり止んだりの小雨模様。脚抜きがよいのでしょう、G1も4コーナー1、2、3番手が1、2、3着。ひとつでもポジションを控えた人馬が軒並み着順を上げられない、先行有利になりやすい馬場コンディションだったと思われます。

 

外枠のテイエムサウスダンが本命、内枠の先行勢を見ながら運べる絶好の並びと見ていました。序盤のペースの鍵になるのは岩田のポジションの上げ下げだろうと思っていましたが、まさかハナまであるとは。

 

初速のつかないインティ、行き切ったらオーバースピードになったであろうダイワキャグニーとアルクトス、オーバースピード上等とばかりにハナを主張したサンライズホープ。これらの2ハロン目を動向をやり過ごしてから、グッとラップが落ちるところでハナを奪いに行きました。

 

公式レースラップはこちら。3、4コーナーでグッと溜めているのがわかりますね。

12.2-11.0-11.3-12.3-12.4-11.6-11.2-11.8

 

このラップでハナに行くのは、未知であるラスト1ハロンについて鞍下の地力に賭けるという腹の括り方だったのではないかなと。自分で調教を付けて仕上げて、交流重賞でタイトルを積み重ね、根岸Sで中央重賞を獲りG1へ。一頓挫あった岩田の執念と経験がこの積極策を生んだと受け取るのが妥当と思っています。

 

府中専用というより、速い馬場でまぎれのないレースでこそのカフェファラオなのでしょう。渾身のテイエムサウスダンを軽快に突き放していきました。スタートからインへ寄せず真っ直ぐ進めることで前方をクリアにすることに成功していました。それでもテイエムに前を横切られるときにかかりそうになっていましたから、危うさは変わらずなのでしょう。もっと心身ともタフだったら、サウジカップとか面白そうなんですけどね。

 

3着ソダシはなかなか難しい傾向が見えたように思っています。残り200を過ぎてカフェファラオに交わされてから、少し上体が起きる場面が見て取れるんですよね。mahmoudさんが指摘していましたが、4着ソリストサンダーが接近してくるともう一度ギアをあげているようです。

 

一連の反応からすると、昨秋のレースぶりからも類推できますが、レースのストレスに対して敏感な馬なのかもしれません。レース後はケロッとしているという報道も目にしましたし、全力の手前で自ら止まれるキャラクターという表現も成り立ちそうです。

 

接戦になった場合にスタミナを振り絞って力強く制する場面が想像できる一方、馬体を離して外から一気に差されるような展開にはもろさが見える、という未来が少し見えたような。白毛というわかりやすい特徴も含めて、稀有なキャラクターと戦歴になっていくかもしれませんね。

 

4着以降は速い馬場と岩田が作り出した緩急にスポイルされた、勝ち負けに参加できなかった、と表現するのが適当と思っています。いずれかの騎乗に非があるという意味ではなく、先行策を取れない時点で勝算がないという強いバイアスがそこにあっただけなのでしょう。次走、2桁着順の馬でも平気で巻き返してくると捉えておきたいです。

 

最後に。最終登録まで名前のあったテーオーケインズ、マルシュロレーヌはサウジカップへ。フェブラリーSにでていたらどうだったでしょうね。テーオーケインズがカフェファラオに蓋をする、みたいなタラレバがふっと浮かんでおります。

 

テーオーケインズ、通用してほしいなぁ。サウジカップの馬券販売がないのを残念に思いつつ、夜更かししながら応援したいと思っています。