more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

パールコードの記憶を紐解きながら雨に悩む

オークス前日です。週中は好天に恵まれていましたが、土曜の東京は昼前から雨。当日への影響がどうなることかとなかなか悩ましい週末になってきています。

 

桜花賞馬スターズオンアースではなく、忘れな草賞を勝ったアートハウスを選んだリーディングジョッキー桜花賞馬の乗り替わりかつ川田将雅で思い出すのはジェンティルドンナ、岩田の騎乗停止から川田に乗り替わったので今回とは逆ですけどね。

…あの時のジェンティルドンナは凄かったことも合わせて思い出しました。秋には岩田に戻りましたので、川田はワンポイントリリーフを見事に努めたというオークスでしたね。

 

追い切り後のインタビューで川田本人が今回の乗り替わりの理由を語っております。動画の3分過ぎからですが、テンプレ的な質疑を受け続けた3分間の表情も含めて観ていただくのがよいと思います。

www.youtube.com

※5/24追記

カンテレ競馬のインタビュー動画ですが、レース後は非公開になるようですね。川田のインタビュー、乗り替わりの経緯については改めてテキストを抜粋しました。参照した記事は以下。

www.radionikkei.jp

まず、この会見に呼ばれた理由というか、僕がなぜスターズオンアースではなく、こちらに乗っているのかというのが、一番気になるところだと思いますので、少し長くなりますが、話をさせていただきます。アートハウスのお母さんのパールコードに乗せていただいていまして、秋華賞2着、エリザベス女王杯4着、その後も重賞すら勝たせることが出来ずに、現役を引退する形になりました。その子どもがアートハウスという馬で、新馬前から『オークスに間に合うと良いね』という思いでスタートして、お母さんの代わりにこの馬をGI馬にしてあげたい、という思いで時間を過ごしてきている中で、(スターズオンアースで)桜花賞を僕が勝たせていただいて、一番の理由といいますか、いろんな理由がある中でのこれが一番の理由なので、皆さんいろんな考えを持って見てらっしゃると思いますが、僕のパールコードへの思いを優先させていただいた結果ですので、何とかアートハウスとともに、素晴らしいレースが出来るように、そういう時間を過ごしたいと思います。

 

「僕のパールコードへの思いを優先させていただいた結果」。ひと言取り上げるとしたらこれでしょう。乗り替わりの一報を目にした際は、先のジェンティルドンナよろしくワンポイントリリーフのような騎乗依頼で桜花賞を迎えていたのだろう、と理解していました。どうやら違うのでしょうね。桜花賞馬への継続騎乗の可能性はありつつ本人がパールコードを選択した、という経緯だったと受け取っております。

 

アートハウスの母パールコード、現役当時を振り返ると、正直強い思い入れはしていなかったですね。本命にした記憶もないですし。パッと記憶から引き出せたのは紫苑Sで進路取りが厳しくなってしまったことと、秋華賞ヴィブロス相手に善戦していたこと。

以下、JBIS-Searchでの戦歴です。ラスト3戦のタイム差からいろいろ噛み合っていなかったことが窺えます。

www.jbis.or.jp

 

調べてみると中内田厩舎のG1初出走がパールコード秋華賞なんですね。川田のパールコードへの思い入れは、厩舎へ迷惑をかけたという思いも重なっているように推察できます。ひとの繋がりを選んだ、とも。

 

ジョッキーのスキルセットやリーディング上位という少し抽象化した(ある意味では平等な)基準での頻繁な乗り替わり、特にメジャーなクラブ法人所有の有力馬ではあたり前になっているご時勢ですから、こうしたジョッキーの思いが反映された乗り替わりは少し目立って映ります。

 

思い返すと、その時々のリーディングジョッキーはこうしたバッティングに直面していますね。岡部幸雄ならシンボリルドルフビゼンニシキ福永祐一ならエイシンチャンプネオユニヴァースルメールならアーモンドアイとグランアレグリア武豊は…、多いな。タニノギムレットシンボリクリスエスにしましょうか。

能力の見立てなり、先約なり、判断基準がファンにも見える形でそれぞれのジョッキー自身の選択があった例と理解しています。川田も自身で決断を引き受ける立場になっているということなのでしょう。

 

ジョッキーの思い入れがファンの気持ちを引っ張る、という意味でも川田の存在は単なるリーディング首位ではなくなっているのかもしれません。武豊が「ワクワクする」と発言するのを心の底で待っているファンは少なくないでしょうし(はい、自分ですね)。

 

ただ今回は重賞未勝利のアートハウス。実績面でも、といったエクスキューズがつかない分、より川田の思い入れがクローズアップされる印象があります。どうなるでしょうね。

よい枠は引いたと思いますし、前進気勢とフィジカルのバランスを気にするコメントはありましたが、仕上がりは成長途上なりによいと思っています。

問題はやはり雨でしょうか。これを書きながら雨足は強くなったり弱くなったりを繰り返していますのでね。当日の馬場コンディションはじっくり見極めたいところです。

 

…これだけ書いて、アートハウス本命ではない可能性も感じているんですよね。ええ、ベテランファンは悪い意味で達観していてダメですね。