チュウワウィザード、中央のダートG1初制覇となりました。
1コーナーまでの戸崎がしっかり仕事をしていました。スタートしてから何度か外をみる所作、クリソベリルがどのくらいスピードを乗せてくるのかを意識していましたね。
テン乗りの戸崎からすれば、どのくらい出していけるのかという手探りも加わった難しい時間であったはずですが、1番人気馬の動きをけん制しながら直後を取ることに成功していました。インティを前に置きつつ、クリソベリルをひとつ外に振るように1コーナーまで並走。
1コーナーの入りで内を確認する姿も見て取れました。できるだけベターなポジション確保、吹かし過ぎないスタートダッシュ、そしてクリソベリルへのけん制。うまくいったと表現すべきでしょうね。ここまでで勝負になるかが決まったと思っています。
「競馬オタクYouTubeチャンネル」というYouTubeチャンネル、レース前日に初めて見たのですが、坂上さんの解説の冒頭、「チャンピオンズカップは椅子取りゲーム的な要素があって」というコメントに大きく頷いておりました。この椅子取りゲーム、阪神1800だった時代も大きく変わらないイメージで捉えていました。わかりやすい表現ですね。
おそらくチュウワウィザードはひとつ内でもひとつ後ろでも苦しい展開になっていたように思います。事前に練り上げられた策かどうかはわかりかねますが、鞍上の判断と鞍下の仕上がりと、両方が揃ってはじめて、この1コーナーまでの立ち回りが可能であったと思っています。…ここだけがポイントではないですけどね。
公式レースラップ
12.7-11.1-12.7-12.0-11.8-12.0-12.1-12.0-12.9
※クッション値と含水率を控えそこなってしまいました。。。過去の計測はPDFで公開されているのですが、1開催ごとにまとめてなので先週の計測値参照が難しく。先週の値こそWebで知りたいですけどね。。。
エアアルマスの逃げ、インティの番手、ヨシオのチャレンジ
テレビ中継の解説ではメイショウワザシが逃げる可能性について話していましたが、よほどのハイペースでない限り、砂被りの苦手なエアアルマスが番手に控えるイメージは湧かなかったです。外からインティも被せてくる可能性がありますからね。好位のインはエアアルマスにとっては消耗の象徴でしょうから。
かくして逃げるエアアルマス、外の番手にインティは想定される隊列のうちにはいっていました。ただヨシオが思った以上にチャレンジしてきました。この恩恵を受けたのがチュウワウィザード、結果として振り回されてしまったのがクリソベリルと思っています。
クリソベリルのポジション取りと力み
1コーナーでクリソベリルは、インに切れ込む形でヨシオのインに首をねじ込んでいきます。1頭分でもインでコーナリングをしたい意図の表れ、と見えていますが、今度はヨシオに外から閉められないためか、ヨシオのひとつ内のポジションまで押し上げる動きを取ることになりました。ここでクリソベリル、力みましたね。
レースラップでいうと12.7の箇所。先行馬はペースを落ち着かせているところ、クリソベリルだけ力んだ所作を見せていました。数秒間で手綱を引く動作は収まっていますが、レース全体のペースが上がっていることも折り合ったように見えた要因でしょう。
ここでリラックスできないと、あとは緩みのない一貫したラップでしたからね。徐々にスタミナは削られていたと思われます。
1コーナーでヨシオのインに飛び込まなければ。ヨシオの後ろで向こう正面を迎えていたでしょうし、3コーナーあたりからヨシオが下がってくるタイミングを警戒しながら、勝負どころでもうひとつ外を回るロスを覚悟することになっていたでしょう。ただ、かかることとコースロスと、どちらのダメージが少ないか。これをレース中に的確に判断しろというのはなかなか酷でしょう。
むしろ、1コーナーで躊躇せずインに飛び込んでいくのが川田というジョッキーのリスクの背負い方なのかなと。リズムを崩してもポジションを優先する瞬間はこれまでも目にしてきましたのでね。
クリソベリル、コンディションに問題あり?
1週前追い切り、最終追い切りとパートナーに先着はできませんでした。トレーナーはこの内容が不十分と判断したのか前日にもう1本追い切りを追加。それでも当日は+12kgの馬体重増。レース後の川田、「今の調子でよくここまできてくれた」「4着に辛抱してくれたのは能力の高さ」というコメント。
…仕上がりは十分でなかったのでしょうね。完璧だったJBCクラシックから中3週ですからキープが難しかったのかもしれません。
このあとはいったん放牧へ。コンディション起因であれば年明けのサウジ、ドバイは厳しいかな。じっくり立て直してほしいと思っています。
チュウワウィザードに海外遠征プラン
クリソベリルとはまさに明暗はっきりとなりました。サウジカップとドバイワールドカップが視野にはいっているようです。オーセンティック、マキシマムセキュリティが引退していますので、アメリカ勢少し手薄…というのは楽観が過ぎますかね。
戸崎のレース回顧
…競馬ラボにインタビューがあがっていました。前段の回顧をまとめた後で見つけましたので、おおむね答え合わせができた格好です。
インティは復調を示す3着
前半の行きっぷり、直線の坂を上がって先頭に立つところ、見どころたっぷりでした。フェブラリーS大敗から大きく間隔を空けたことがプラスにでたようです。結果は昨年同様の3着ですが、今年の方がその後に希望がもてる内容だったように思っています。逃げずに番手からでレースできたことも大きいですね。
カフェファラオは悪い予測が的中した形で6着
スタートからポジションを取りに行けないタイプ、かつジャパンダートダービーで見せた揉まれ弱さという側面から評価はあげられませんでした。前走シリウスSは馬群の外を捲る内容でしたからウィークポイントが出にくかったと思っています。一方で、あの内容で勝ち切った地力は評価しておきたいな、という中途半端なスタンスになってしまいました。
結果的には懸念通り、1コーナー10番手、4コーナーで外に振られる形、これだと勝ち負けはなかなか厳しいですね。条件次第でまた狙えると思っています。フェブラリーで外寄りの枠を引いたら。
最後に
もう阪神ジュベナイルフィリーズの予想をしなければいけない時間なのですけどね。土曜も身内のお祝いがありまして、なかなかじっくり予想の時間がとれない状況でした。上手く両立してくれるとよいのですけどね。24時間にプラス3時間くらい競馬専用の時間があればちょうどよいような気がしております。
リゲルSは好素材のシュリが4コーナー5番手から抜け出し。2着は番手で控えたサトノフェイバー。上がりはそれぞれ、33.3、33.6。前々につけられること、切れる脚が必要、というイメージが湧いています。
ソダシは上がりのかかる札幌でも、速い馬場の府中でも重賞を制している点が強みですね。ポールネイロンの逃げを交わせないことはないように思っていますが、エイシンヒテンには少してこずるかもしれません。
一方、サトノレイナスは中山の4コーナーをきれいに回りながら3ハロンきっちり加速していました。ゲートが苦手というより、いじわるなタイミングでゲートが開いての最後方でしたから、本番はソダシが視野に入る程度のポジションに収まる可能性はあると思っています。
メイケイエールが読めないですが、外をぶん回して勝てるバイアスではないような。。。
あとはオパールムーン、インフィナイトあたりに注目しつつ当日取りまとめようと思っております。香港もありますからね。毎年恒例にはしたくないわけですが(=発走時間の調整をお願いしたいですね)せわしない1日になりそうです。