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1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

キングカメハメハ種牡馬引退

セレクトセール1日目終了の夜に速報がはいりました。キングカメハメハ種牡馬引退。

今年の種付けを中止していたのは既報ですので突然のニュースという印象ではなかったのですが、そりゃあびっくりはします。セレクトセール2日目、ラストクロップとなる当歳のセリ直前での発表というタイミング、これには皮肉でも賞賛でもなくオーナーサイドの演出が見事という感想が先に立ちました。キングカメハメハで夢を見る最後のチャンスであることは疑いようがないですものね。

ドゥラメンテ産駒が高評価だった背景にも、キングカメハメハのコンディションがあったのかもしれません。売り手にも買い手にもポスト・キングカメハメハの意識が十分醸成された中での発表だったのかなと受け取っています。

免疫機能の低下

デイリーの記事には徳武さんの「近年は免疫機能が低下し、感染症や熱発することが増えていた」というコメントが。

www.daily.co.jp

2013年にも種付けを休んでいるため、産駒数が減っているんですよね。種牡馬生活の半分以上は体調との戦いであったことが窺えます。

社台スタリオンステーションのギャラリーページ

7/10時点で、社台スタリオンステーションのNEWSページには引退の件に関する更新はありませんでした。ぐるぐるとサイト回遊していると、Galleryページが。すてきな写真が並んでおりました。

shadai-ss.com

サイト内には「Successive Stallions」というカテゴリー分けがあり、ノーザンテーストサンデーサイレンス主な繋養種牡馬が並んでおります。近しい将来、キングカメハメハもこのカテゴリーで見ることになるのでしょう。…亡くなった訳ではないから、まだ先かな。

もろもろ振り返るタイミングですよね。ということで、つらつらと思い付くことを言葉にしておきたいと思います。

見事な記録

キングカメハメハ、JBIS-Searchのページです。

www.jbis.or.jp

各世代の種付頭数などのデータはこちら。

www.jbis.or.jp

2013年の頭数減少の一方、2010年と2016年の種付頭数増加。2009年にはローズキングダムアパパネの2歳G1独占、一方の2015年にはドゥラメンテの2冠がありましたから、おそらくは人気が再燃する要因になったと思われます。これに限りませんよね、コンスタントに産駒が走っていたことで、引退前年まで100頭以上の種付頭数を確保し続けました。

母父サンデーの最良の受け皿に

JBIS-Searchを回遊する充実感に浸っておりますね、「種牡馬成績」ページ内の「もっと見る」リンクで遷移できるページが以下。成績順に産駒が並んでいます。

www.jbis.or.jp

ページを送ってみると母父欄にサンデーサイレンスの文字が多いことがわかります。やはりといいますか当然といいますか、血統の素人でも広がっていくサンデーサイレンス牝馬に何を種付するか、この端的な問いにキングカメハメハが最も応えていたことが伝わってきます。

また、母自身がG1勝ちなり重賞勝ちという良績をもっていることも特徴でしょうか。ベスト×ベスト的な発想で種付けされていることもキングカメハメハが時流にマッチしていたことの証明と思われます。

後継種牡馬は多彩な特徴

もうここで語るのは野暮なくらい、後継種牡馬が活躍しております。ロードカナロアはその筆頭でしょう。順調にいけばサートゥルナーリアやステルヴィオ種牡馬入りするでしょうし。一方でルーラーシップはより中距離からクラシックディスタンスに寄った特徴を示しているでしょう。ドゥラメンテも短い距離ではなさそうですよね。

キングカメハメハ自身は様々な産駒を出していますが、どうやら後継種牡馬はより際立った特徴を表現しているように映ります。ホッコータルマエレイデオロはどんな特徴を示してくれるでしょう。個人的には現役の走りが好きだったドゥラメンテが上手くいってほしいと思っていますが。

母父キングカメハメハでもすでに実績十分

あんまりJBIS-Searchのリンクばかり並べるとなーと思いテキストで書くことにします。「BMS成績」タブで母父成績も確認ができます。…そりゃあワグネリアンが真っ先に挙がりますよね。デニムアンドルビーもそうですが、ディープインパクト×母父キングカメハメハの可能性をを両馬のオーナーが自ら結果で示す姿はそれこそインパクトたっぷりだなと。

これに限らず、ブラストワンピースやインディチャンプなど活躍馬が目立つようになってきました。もう少ししたら母父キングカメハメハでのまとまった傾向などがよく周知されるようになるのでしょう。

キングカメハメハの特徴はこちらの解説が参考になりました。望田潤さんのブログから、ご自身が種牡馬引退の際に引用していた投稿です。

blog.goo.ne.jp

現役の印象はやはりダービー

現役時代のパフォーマンスでいえば、ダービーでしょうか。NHKマイルカップの際は、内側の掘れる馬場を避けられる枠だったことも奏功していると思っていましたが、ダービーは4コーナーを待たずにハイアーゲームとやり合うロングスパート。そのまま坂をあがってハイアーゲームを振り切り、直線にかけたハーツクライを寄せ付けずにゴールしていますから。翌年ディープインパクトが同タイムで走りますが、この力尽くのレコードが一番印象に残っていますね。

現役の走りで他に印象深いといえば、京成杯でなぜ負けたんだろうということと、神戸新聞杯の3コーナー過ぎで手応えが怪しくなる姿、でしょうか。ダービーの強さが鮮烈だった分、コントラストがついていますね。

あのまま順調だったら。きっと海外に行っていたでしょう。厩舎が厩舎ですからドバイワールドカップへのチャレンジもあったかもしれませんね。ダート、こなしたんじゃないでしょうか。いいですよねこういう「たられば」なら。

最後に

ジャパンダートダービーの当日に休暇を取れるのはその時点での仕事が順調な証拠と、毎年バロメーターのように感じています。今年もおかげさまでキンカメをゆっくり振り返る時間が確保できました。

個別の産駒の話に及ぶともう終わらないですものね。おつかれさま、のひと言に尽きるということで、区切りたいと思います。

大森駅ビル内にあるカフェでひととおりこの投稿を書き終えました。はい、すぐに大井競馬行きの送迎バスに乗れますねええ準備は万端でございます。

ロードグラディオがキングカメハメハ産駒ですが、あまり感傷に流されずに、ミューチャリー、デルマルーヴル、トイガーあたりに目配せしながらクリソベリル本命視のつもりでいるところです。