コリアカップ、コリアスプリントとも、日本馬が圧倒する結果になりました。
川田は直接的な表現を避けてインタビューに答えていましたが、いずれも格の違いというべき内容でしたね。
KRBC RACEというYouTubeチャンネルでは中継映像がアーカイブとしてアップされています。おそらく現地の方が英語で解説を加えながら番組進行していたようなのですが、コリアカップ直後には、解説の男性が「No one following and no one competing against him」あたりから言葉を探すのが苦しくなっていました。。。進行役の女性も笑いながらもう十分よとフォローをいれてます。年間を通じて観てきたであろう現地馬がこてんぱんですから、そりゃあね。1:49:00あたりから視聴すると雰囲気がつかめると思います。
レース結果の閲覧はこちら
JRAの公式発表はこちら。
KRAのサイトで結果を確認したのですが、レースごとの静的なURLはなさそうです。以下のページから2023/9/10、7レースと8レースとたどって結果をみることができました。ラップタイムもしっかり掲載されています。
KRAのYouTubeチャンネルにはどちらの映像もアップされていますね。
コリアスプリントはこちら。
コリアカップはこちら。
公式レースラップと所感
公式レースラップはこちら。サイト表記をまま引用しています。
コリアスプリント
0:13.0 0:10.7 0:11.1 0:11.8 0:11.6 0:11.8
コリアカップ
0:13.9 0:11.7 0:12.8 0:11.9 0:12.3 0:12.1 0:12.8 0:11.7 0:12.3
コリアスプリント、リメイクのラスト3ハロンは34.3(!)。ダートですよね。次に上がりが速かったのは5着のアメリカ産馬で35.7、3着バスラットレオンで36.0ですから、如何にリメイクが傑出していたかがわかります。
その傑出馬がロスのないコーナリングでインから抜けてくるわけですから、そりゃあ圧勝になりますね。
一方のコリアカップ。施行される1800mは、スタートから4コーナーまで内回りコースを通り、4コーナーで外回りコースへ飛び出す形で直線だけ外回りコースを使うというコースレイアウト。ですので4コーナーはコーナリングではよりゆったり回る形になります。
レースラップでは12.8というラップが2回計時されていますが、位置的には2コーナーと4コーナー。一番強い馬が馬なりで逃げながら4コーナーでペースをコントロールしているわけですから、そりゃあ圧勝になりますね。
速い上がりが計時できる馬場コンディションでしたから、招待されつつ辞退したメイショウハリオのような脚質だと少し手こずった可能性もあるかな。
逃げつつ差し脚をのばしてきさらぎ賞を制したのはリーチザクラウン。その産駒にはうってつけの条件だったかもしれません。…ラニはどうなんだ、というツッコミはやめてくださいね。
ジャパンカップの黎明期になぞらえるコメントについて
レース後のTLでは、海外馬に負けていた黎明期のジャパンカップになぞらえて韓国競馬の印象やフォローなどのコメントが散見されました。
第6回という歴史の浅さと、今年初めて国際グレードを取得したという背景も、これからというニュアンスが感じ取れる要因なのかなと受け取っています。
もちろん、当時の日本と現在の韓国では経済成長にかかわる諸々の背景が異なって然るべきですので、端的な比較は難しいでしょう。ただ、平均給与という指標では韓国が日本を上回っているというニュースも目にしていますし、GDPは上昇中ですからね。日韓だけで比べるのはどうかとも思いますが。
国の経済規模に合わせて、競走馬の生産や売買、エンターテインメントとしての競馬の興行などに関心や資本がむいてくるのはこれまでの歴史が示していることではあります。韓国競馬が膨らんでいくとしたら、きっとこれからなのでしょう。
それに合わせて、日本競馬の立ち位置がどうかわるのか。少し前に英国競馬の価値低下をなげくコラムを取り上げましたが、数十年後の日本の姿であるかもしれないなと余計な未来予想までイメージも膨らみました。ここからの日本経済の肥大化は想像しにくいですものね。
KRAのサイアーランキングのページを覗いてみたのですが、検索条件に「Country」という項目がありまして。何だろうとプルダウンを選択したところ「Korean-bred」「Foreign-bred」という2つの選択肢が表示。
平成前半までの日本競馬を知っていればピンときますね。父内国産か輸入種牡馬か、という区別だと端的に理解をいたしました。
サイアーランキングにあたってはこの区別が現在有用である、ということなのでしょう。これが実効性をもつ間は日本馬優勢という構図が実態と考えてよいように思いました。
最後に
いつからでしょうか、この2つ国際レースの開催を「韓国国際競走」と銘打っているようなのですが、KRAのサイト内にはそれを大々的に取り扱っているわけでもないようです。JAIRSの開催要項のニュース記事ではその表現を確認できました。
KRAのリリースから関係者向けのリーフレットにたどり着くことができます。でもコリアカップ、コリアスプリントの文字しか見当たらないんですよね。そもそも9/16閲覧時点で閲覧件数と思しき数値が254と表示されており。。。少ない。。。
またサイトの最上部、ヘッダ部分に「Japanese」というリンクがありまして、クリックしてみたらPDF。日本語で韓国馬事会の紹介をする内容なのですが、10年前のデータで止まっていまして。。。プロモーションという意味でもまだこれからなのかな。
日本のダート競馬再編が進んでいるところですし、上手くコラボレーションする未来があると発展的ですよね。まずはそうした期待をもって見守っていきたいと思います。