2021年、最後の投稿になります。
コロナ禍の中での競馬
日本では春からワクチン接種が開始、自分が接種したのは8、9月でした。自治体ごとにスケジュールは異なっていましたが、若年層が接種できるようになった時期と概ね同じだったかなと思っています。秋にはオミクロン株の報道が増加、水際対策がどこまで奏功するのかは年明け以降の推移を見守ることになりそうです。
JRAのリリースを辿ると、3/13の阪神、中京から競馬場への入場が再開されています。8月には栗東の関係者に感染がありましたが、無観客に戻ることなく、入場者を絞りながら開催は途切れずに続きました。まずはその事実が重いですね。関係者の努力に感謝するばかりです。
指定席予約サイトに何度ログインしたことでしょう。府中で現地観戦できた重賞は、ヴィクトリアマイル、ダービー、富士S、武蔵野S。宝塚記念の府中開催も当選しましたね。パークウインズ府中も通いましたね、セントライト記念を狙って獲ったのはよく覚えていますし、ジャパンカップと有馬記念の前日は府中にいたことも。
そうでしたね、都心で仕事をしている分、他の競馬場への遠征は選択肢に入れていませんでした。実際は大丈夫だったのでしょうけどね、中山には足を運んでもよかったかな。来年は心置きなくあちこち移動できるとよいと思っています。
レースオブジイヤーがひとつに絞れない
東京大賞典のあと、悪友と2021年のベストレースについて話しておりました。ちょっとひとつに絞れないね、というのが結論でした。
3冠馬の系譜、コントレイルの強さをついに証明できたジャパンカップ。横山武史の年でもありましたから、それを語るなら天皇賞(秋)かしら、いや有馬記念は素晴らしかったじゃない、いやいや始まりは皐月賞でしょう、などなど。
悪友は天皇賞秋かジャパンカップという2つ。細江さんの気になる1頭みたいに絞り切れませんでした(笑)。
語るべきレースが多かった2021年
上記に挙げたレースだけではないんですよね。ブリーダーズカップの2つの勝利はエポックメーキングな出来事ですし。ラヴズオンリーユー、マルシュロレーヌの年度表彰はどうなるでしょう。
年間ベストレースには選びにくいですが、グラスワンダーから4代続いてG1制覇となったピクシーナイトのスプリンターズSや、武豊がついに呪縛を解いたドウデュースの朝日杯、テーオーケインズがチャンピオンズカップで見せたあの力強いピッチも印象的。
グランアレグリアのマイルチャンピオンシップも鮮やかでしたね。藤沢師の引退に花を添える、と端的にまとめるには2021年のローテーションはチャレンジングだったと思っています。
シャフリヤールのダービー、2着エフフォーリアともども、秋の2頭の活躍はあのダービーの価値を高めるものでした。エフフォーリアの2021年を語る際にはかかせないレースになりましたね。
いやー、いいレースが多かったですね。
個人的レースオブジイヤーはジャパンカップ
netkeibaで投票するのにもなかなか迷ったわけですが、個人的にはジャパンカップをレースオブジイヤーに推したいと思っています。やはり3冠馬は強いんですよね。日本競馬がずっと紡いできたオリジナルの価値ですから、それを保って引退レースを制したことは大きいなと。
レース直後のあの何とも言えない「よかった」感。きっと福永の涙が象徴的に語られていくのでしょうが、3冠馬の大団円という独特な価値観を多くのひとが共有できた瞬間なのではないかと。
横山武史の躍進を織り込みたい気持ちもありましたが、勝ってファンの気持ちを大きく動かす福永をひとつ重視してのジャパンカップ選択ですね。
ブリーダーズカップディスタフ勝ちはもっと評価されてほしい
メディアの取り扱いが少な目なのは気になりますが、アップセットとはいえディスタフのマルシュロレーヌはとんでもない快挙ですからね。37回の歴史の中でアメリカ馬以外での勝利はカナダのダンススマートリー(カナダの3冠馬で殿堂馬)のみ、北米以外の地域の馬は勝利実績がないレースだったわけで。北米牝馬の最高峰をいきなり奪取してしまったわけです。
Gallop年鑑でレイ・ポーリック氏がコラムを寄稿していますが、「ブリーダーがダートのトップパフォーマーの生産に力を入れるようになれば」日本馬が北米でも活躍できるようになるとの見解。多分にリップサービスを含んでいると思いますが、それでもこのコメントを引っ張り出せたわけですからね。
なお同コラムでは、サンデーサイレンスのサイアーラインがブリーダーズカップ勝ち馬を輩出したことを感慨深い出来事と表現しています。自分が競馬を始めた頃はまだ「日本は種牡馬の墓場」という表現がリアリティをもって響いていました。国外への血の還流。隔世の感がありますね。
ウマ娘と競馬の語りなおし
2021年に特有の現象といえばウマ娘のブーム。これで若年層に競馬へ関心をもつきっかけが出来たことが非常に大きかった1年でした。
語られないものは廃れていくばかり。日本の人口は減少方向ですから、なおのこと語られずに姿を消すものが増えていく未来が想像できるわけです。ダビスタ以来、次の世代にフィットした語り口を得られたのは日本競馬にとって大きなプラス材料でしょう。
サラブレッドと直接向かい合っている方からすれば相当に違和感を覚えていても不思議ないと思っていますが、きっかけはなんでもよいのだと思っています。
実際、ダビスタが競馬の仕事に携わるきっかけになった方も多いようですしね。ある意味、誤解をまき散らしながら競馬の捉え方をアップデートしていけばよいと思います。ポイントは次の世代が競馬を語る動機をもてたこと、でしょう。
上手く表現できていない気もしていますが、以前に投稿した記事を改めて。
最後に
個人的には日々の忙しさに加えて、腸の調子を崩した1年でございました。検査の流れで手術を行いまして、痛みなどの自覚症状より保険金が支払われるなどの文脈からまぁまぁのおおごとであったのだと実感しているところです。
いつまでも同じ元気をキープできるわけではないなと思いつつ、いつまでも競馬を楽しみたい気持ちも再確認いたしますね。若い時分は年配の方の健康トークに全くピンと来ていなかったわけですが、ここのところは実感を持ってよくわかるようになりました。切実なんですよね。
まさかブログを開始した頃は、ここで健康の話をすることになるとは全く想像していませんでしたからね。
もろもろ整えながら、2022年も心置きなく競馬を楽しめるよう工夫してまいりたいと思います。このブログも分析寄りのレース回顧記事が中心になっていますが、そこに楽しさを感じているから。長文になりがちなのがなかなか難儀なところですけどね。体力と時間のバランスを考えながら、書いていこうと思っています。
本年もご愛顧、ありがとうございました。来年の競馬も楽しみですね。まもなく2022年、よいお年をお迎えください。