more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

年末のご挨拶

2019年、最後の投稿になります。

日中の暖かさから一転して、風の音と冷え込みの強い大晦日となりました。所用を済ませて、買い込んでいたGallop2019をパラパラとめくっております。

表紙に「天に駆けた名馬たち」と書かれているのですが、それだけ名馬の死が続いた年という印象はあります。特に夏はショックが大きかったですね、ディープインパクトキングカメハメハ。立て続けにリーディングサイアーの2トップが逝ってしまいました。個々の死の悲しさとその後の影響に馳せる思いと、なかなか取りまとまらない時間が続きましたね。

サンデーサイレンスの死後、ディープ産駒が走り出すまでの群雄割拠としたリーディングの模様がありました。ブリックスアンドモルタルアニマルキングダム、サンダースノー、ホークビル、カリフォルニアクロームなどのビッグネームの輸入は、ポスト・ディープ、ポスト・キングカメハメハを意識した動きと受け取っています。この辺りは村本さんの記事が詳しいのでそちらに。

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ウオッカも亡くなりました。阪神ジュベナイルフィリーズ日本ダービー、ともに逃げ馬が逃げ残るレースを1頭だけパワフルに差し切った姿が思い出されます。2007年クラシックですから、もう12年前なんですね。2008年天皇賞はもちろん印象的なレースですが、美しいと思うのは2009年ヴィクトリアマイルウオッカの特徴がよくでたレースと思っています。

現役馬の話をしましょうか。リスグラシュー有馬記念で引退。改めて戦歴を眺めてみましたが、やはり鞍上武豊が大きく効いているのだなと改めて。ここで無理をしていたらその先はなかったように思いますし、東京新聞杯武豊でなければ勝てないレースであったでしょう。その後の本格化を収穫期とするなら、鞍上武豊の時期は育成期、その少し長めの助走期間を経てこそ、2018年秋以降の収穫期が充実したのだろうと思っているところです。なにか武豊を育て専のように形容していますが(笑)

個人的にざっくりと「3+1」という捉え方を試みたことがありまして、リスグラシューはそれに当たる戦歴となりました。中央4場で「異なる3場でのG1勝ち+残る1場で重賞勝ち」という戦歴は総合力の高さの証という捉え方ですね。いろいろなディテールを無視していますが、わしづかみに強さを捉えるには有用ではないかなと思っています。アーモンドアイは3+0ですね。

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アーモンドアイには厳しい1年となりました。鮮やかなドバイターフ天皇賞秋がある一方で、安田記念のアクシデント、そして有馬記念の惨敗。そうですね、チャレンジであった有馬記念ひとつで、最強馬としての評価がひっくり返ってしまったように受け取っています。おそらく年度表彰もなしでしょう。敗戦後、様々に語られてはいますが、決して高速馬場専用ではないでしょうし、中山2500がダメというわけでもないと思います。凱旋門賞を背負うという期待からは外れたかな、2020年はより自身の適性に拘ったローテーションも可能になるでしょう。是非、もう一度圧倒的なアーモンドアイが観たいですね。

2019年は海外レースでの日本馬の活躍が目立った1年でした。国際的な競馬サーキットの舞台へ日本馬がしっかり参加していく姿勢も、大手生産牧場がはっきり示した年でもあったと思います。個人的には、アエロリットのペガサスワールドカップターフ招待S参加、メールドグラースのコーフィールドカップ制覇が印象的でした。こうした適性や評価を求めたチャレンジが続くことで、日本馬を常に評価し続ける必要が生まれますから。国際的な市場へ常に参加していることは、長く日本競馬が規模を保って続いていくことに寄与するでしょうから。

ひとでいうなら、今年は川田将雅にリーディングを獲ってほしかったですね。夏までは相当可能性があるのでは、と思わせてくれただけでも凄いことですけどね。乗鞍を厳選していたことは騎乗数から窺えますし、ひと鞍の質を意識したマネジメントがそこにあったと思っています。最終日のベテルギウスSはワイルドカードで危なげのない勝利、これまでと変わらずにミスを抑えて必要なポジションへきっちり馬をリードする騎乗がみられていました。意気消沈することなく、来年こそはリーディング奪取を期待しています。

あーそうでした、東京大賞典ではモジアナフレイバーを本命にしたのですが、1、2コーナーでオメガパフュームの後ろに控えてから、直線オメガの外に展開した瞬間まで、かなりワクワクできたんですよね。繁田の狙いはよく伝わりましたし、地方馬の戴冠か?というストーリーよりも、陣営と作戦をともにしたような感覚でレース観戦できたことが爽快であったいいますか。勝利で終わることができませんでしたが、しっかり力を評価して、見当違いでない馬券勝負が、気持ちのいい単勝をもつことができたんですよね。

自分の見立て方ひとつで、賭けるレースの楽しさが増す可能性を改めて受け取りなおした次第です。来年もしっかり予想して、ワクワクできるレースをたくさん目撃したいですね。


今年も本ブログのご愛顧ありがとうございました。

例年よりも平日業務とのバランスの中で、言葉をまとめる時間を確保するのがなかなか…という場面が多かったと思っています。体力がなくなってきた実感も相まって踏ん張り切れない時間も経験しました。競馬に気持ちが向かないという瞬間もありましたしね。今年の後半は体力づくりのために泳ぎ始めたのですが、徐々に体力がつくにつれて集中力は体力が支える面もあるなと実感した次第です。

書くこと自体が楽しくないと書いている意味も半減ですしね。土曜の中継でルメールが覚えた「心身ともに充実しています」という日本語はまさに自分にもあてはまるなぁと感じております。

年が明けてもきっと、相も変わらず自分目線で感じた確からしい言葉を並べていくことと思います。SNSがすっかり普及し、確からしい言葉がよりノイジーになっているご時勢ですけどね。禁止したりけん制したり委縮させるのではなく、競馬の面白さの一端に触れるような言葉を紡いでおければ、日記を公開している意味もあるのかなと信じております。

来年の競馬も楽しみですね。まもなく2020年、よいお年をお迎えください。