more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

サートゥルナーリア引退に寄せて

左の飛節、左背部のダメージが思わしくなく、現役続行を断念したようです。

おそらくと断り書きをしつつ、宝塚記念のダメージは大きかったのでしょうね。ジャパンカップウィークにはいる前週日曜夜にジャパンカップ回避の一報、その時点で左の飛節に腫れが見つかっていました。

1週前に追い切りに乗っていた池添は手ごたえを感じていたようでしたが、乗り替わり予定だったコンビは実現せず。引退の報を受けて、乗りたかった旨本人のツイートは、ファン目線ではちょっと有難くもありました。

角居師の近著『さらば愛しき競馬』で、レース後の筋肉疲労について指摘している箇所があります。「日本の馬場は硬く、レース後に足元にダメージを受ける」「筋肉的ダメージはわかりにくい」「深刻な筋肉疲労があり…季節が変わるくらい後になって出てくる、その可能性を否定できない」という説明が加えられていまして、個人的には今回のサートゥルナーリアにも多少重なって見えているところです。

宝塚記念は重馬場でしたが、持ち合わせているフォームからして苦手な馬場コンディション。筋肉の使い方、負荷のかかり方に無理があったのかもしれません。春のダメージと左背部に関連はないのかもしれませんが、実際に疲労回復の遅れから早々に天皇賞秋を見送ってジャパンカップ、でしたからね。

引退の判断にあたっては今後の療養期間、本来のパフォーマンスを発揮する難しさが考慮されたとのこと。血統が血統ですから、妥当な判断であったものと受け取っています。果てしなく、残念ですけどね。

※1/23追記:JRAのリリース、以下の通りです。

www.jra.go.jp

netkeibaのニュースは以下。

news.netkeiba.com

(まだ振り返りたくないですけど)戦歴

全10戦6勝の戦歴はJBIS-Searchにて。

www.jbis.or.jp

鞍上の変更が続いていたわけですが、外から見ている限り、積極的な判断はデムーロルメールくらいかな。日本ダービールメールの騎乗停止ですし、天皇賞秋と有馬記念のスミヨン、出走回避となったジャパンカップはいずれもルメールにアーモンドアイがあってのスイッチ。基本、ルメールでいく方針であったのだろうと推察しています。

ダービー直後はだいぶ恨み節になっていました。乗り替わりでレーンに乗りこなせというのは相当に難しいと思いつつ、という言葉が並んでいるダービーの回顧は以下にて。

keibascore.hatenablog.com

ルメールを確保し続けられなかった点は不運と言えばそうですが、特にアーモンドアイとの対決を回避できる状況でもないですからね。活躍の時期が重なったが故の出来事と理解すべきでしょう。…例えば3歳秋に、はじめから香港遠征などを検討すれば状況は異なっていたかもしれませんが。

神戸新聞杯が印象的

4コーナーから直線半ばまでのトップスピード、その時のダイナミックなフォームに圧倒されました。柔らかく大きく、回転が速く力強いフォーム。胸前まで前脚を振り上げる、その高さとスピード。是非その視点で映像を観ていただければと思います。

スローで逃げたシフルマンを残り800過ぎから交わしにかかって、自らのリズムでギアを上げていく流れ。フジの実況は直線に向いて「まだ追わない!まだ追わない!」と連呼していましたが、もともと強い前進気勢、少ない手綱のアクションで手前を変えて、連呼したころにはすでにトップスピードにはいっていましたよね。

 

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2019年神戸新聞杯、サートゥルナーリアのラストスパート

レース前の期待とレース後の期待と、どちらも高揚感たっぷり。やっぱり自分はこの神戸新聞杯が最も印象深いです。ダービーの敗戦があっての秋緒戦でしたので、一般的にはレース後の期待感の高まりの方が強かったかな。これがなかったらきっと天皇賞秋はアーモンドアイ本命だったでしょうね。

そうそう、レース直前に雨が降り出したので、映像の見た目と馬場コンディションにはギャップがあります。時計のでやすいコンディションに加え、かなりのスローペースも手伝ったでしょう、自身の上がりは32.3、ちょうど上記のキャプチャのあたりですが残り400からのラップは10.2。上がり勝負という特徴が際立つレースとなりました。

アーモンドアイが一度、3着に敗れた安田記念で32.4を計時していますが、あの時のフォームも凄まじかったですね。いずれもロードカナロアという符合、産駒の特徴をひとつ表しているのでしょう。

三冠馬三つ巴のジャパンカップで観てみたかった

回避したジャパンカップ、やっぱり参戦していて欲しかった。枠順次第ですが、アーモンドアイの直後に控えるサートゥルナーリアなら、相当に面白かったと思っています。池添もどう立ち回っていたでしょうね。

結局、競走生活を通じてジャパンカップを走ることはなく、府中の2400はダービー一度だけ。個人的にサートゥルナーリアのコース適性を見いだせていないことがあり、古馬になってからのあのコースで一度見たかったという思いがあります。

そういえばシーザリオフラワーカップをこなし、旧阪神マイルのインを捌いて2着ですから、こちらも適性を明確に言い切れないような。それだけ万能だったと結論付けるのはちょっと思考停止でちょっと勿体ないかなとも思っているところです。治郎丸さんとちらっとTwitterでやり取りしましたが、妄想はファンの特権ですのでね。もちろん関係者に迷惑をかけない範囲で。

マイルG1で観てみたかった

妄想ついでに。安田記念マイルチャンピオンシップ、どちらもアリですね。特に2020年のマイルチャンピオンシップだったらグランアレグリア、インディチャンプ、アドマイヤマーズとの対決になりますから、あのグランアレグリア包囲網にどう参加したのか。

…先のジャパンカップと、どっちが観たかったんだというツッコミがきそうですね。ええ、もちろんどちらも観たかったんですよ。軽快な馬場で締まったマイルのペース、この条件でどれくらいパフォーマンスが上がるのか、観てみたかったという希望があります。

あー、2020年の香港マイルという手もありますね。ゴールデンシックスティ VS サートゥルナーリア。夢のようです。

こうやって書いていくと、やっぱり2020年秋のサートゥルナーリア不在は、自分にとっては大きかったようですね。

社台スタリオンステーション種牡馬入り

この記事の投稿時点(1/17早朝)では、まだサイトニュースもサートゥルナーリアのページもアップされていないようです。こういう投稿は記録にもなりますので、見つけ次第編集してリンク貼るようにいたしますね。

※1/23追記:社台スタリオンステーションのリリースです。初年度は600万円ですね。

shadai-ss.com

ブリックスアンドモルタルレイデオロ、スワーヴリチャード、アドマイヤマーズ。2021年のシーズンに向けて、新種牡馬の導入発表が続いていますが、ここにサートゥルナーリアが加わることになるようです。コロナ禍でなければ見学に躊躇はないんですけどね。

早速、TwitterではJBIS-Searchの架空血統表を使ったお遊びをみることができます。一昨年の有馬記念の1、2着、サートゥルナーリア×リスグラシュー、とかね。素敵です。自分もひとつ試してみました。3/4同血クロスなど凝った内容を考えたわけではなく、ベタベタなベストトゥベスト、サートゥルナーリア×グランアレグリアです。

www.jbis.or.jp

試してみて改めて気づくのは、サンデーサイレンスの3×4はこれで成立するんだということ。奇跡の血量を尊ぶ発想はだいぶ相対化されていますが、インブリードが無理なく出来上がる程度にはサンデーサイレンスが「奥まっている」のだなぁ、と感慨深くなってしまいました。ディープインパクトの肌にサートゥルナーリアと、いう配合には無理が少ないというですものね。

最後に

実はこの週中、もう一頭の引退馬についてあれこれ言葉を探していたのですが、サートゥルナーリアの引退の報が重なってしまいまして。まずこちらからまとめた次第です。はい、サートゥルナーリアが昨秋順調だったら最優秀4歳以上牡馬のカテゴリーで票を分け合っていたであろう、あの受賞馬ですね。

中京の馬場読みが相当に難しいこの土日ですが、何とか予想をまとめつつ、書きかけの記事もまとめたいと思っています。