more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

プリティーダービーとサイレンススズカ

Twitterサイレンススズカが話題になっていたようで、プリティーダービー、観てみました。

そもそもアニメを観ることが減っていまして。AbemaTVでも観れるんですねー。ピンと来ないながら公式サイトを頼りにわちゃわちゃと探して、ニコ動とAbemaTVで7話と8話を視聴しました。

アニメの存在は知っていたのですが、正直、こちらの世代をターゲットにしていないのだろうと思っていました。全然、違いましたね。いや、10代20代も入りやすくしつつ、アラフォーも取り込めるキャラクター設定にしているという方がよいでしょうか。

7話で毎日王冠、8話で天皇賞秋。ともに1998年ですから、20年経っているんですよね。このブログタイトルよろしく20年以上リアルタイムで競馬を見続けていれば別でしょうが、最近ファンになった方が、20年30年分のエピソード、その歴史を辿ろうとするには膨大な情報量になっちゃいますからね。アニメ化して、擬人化して、キャラクターにエピソードを持たせる方が取っつきやすい、というのは納得するところです。…こんな能書きは不要で楽しく観るのが吉ですねw

でも「スぺちゃん」と呼んでいた時点でけっこうザワザワしてましたけどねw いや、いっこ前の投稿を見ていただければ、おおよそ察していただけるかとw ディスるとかでは全然なく、自分のもっているイメージと脳内でコンフリクトするのは仕方ないとわかりつつ、ですね。


史実のオマージュ

楽しめました。以降はネタバレしますのでご注意をw

オグリキャップが大食いなこと、スーパークリークが失格になること(これは有馬記念ですね)、イナリワンが割とグラマーなこと(大型馬でした)、このあたりはリアルタイムで観ていませんがなるほどなるほどな展開。イナリワンだけはこちらの主観かもしれませんがw

回は前後しますが、グラスワンダーマルゼンスキーに手合わせをお願いするあたりはおおおおとテンションが。嵌ってますねw 当時のフジの中継、グラスワンダーの朝日杯で「マルゼンスキーの再来です!」と実況したのは三宅アナでした。

ゴールドシップメジロマックイーンを絡ませるなら、マルゼンスキースペシャルウィークも…いやでもあのキャラだと噛み合わないかな。などと、こういうめんどくさいツッコミがはいるのが「more than a score」な競馬ファン歴の賜物なのでしょうね困ったものです。

サイレンススズカが自室でグルグル回っているところはもう、ね。旋回癖が左回りであることも含めて完全再現でした。あのおかげで左回りが得意になった、というエピソードが当時よく語られていましたね。

毎日王冠のレース展開もお見事でしたねー。作り手の愛を感じました。グラスワンダーがプライドを賭けて早めに追走を開始するところ、エルコンドルパサーがひと呼吸おいてそれを追撃すること、サイレンススズカを含めた3人の位置は史実通り、4コーナーのそれでした。リアルに府中のスタンドが加熱したところ。おそらく作り手にリアルタイムで観戦していた方がいらっしゃるのでしょう。はい、自分も現地観戦でした。

グラスワンダーが脱落すること、エルコンドルパサーが追いつけないこと、その前をサイレンススズカが自分の走りで勝利すること。再現VTRを作る目的ではないのに、よく仕上がっているなぁと。レース後にスタンドの歓声に応えるあたりもですね。…やっぱり事前の知識と年齢からか、ちょっと作り手寄りな目線かつちょっと俯瞰で観てしまっているのかな。

史実と違う点が多々あることはもちろんでしょう。それを含めて楽しく観ることができました。

サイレンススズカのイメージ

アニメでは落ち着いた性格設定のようでしたが、実馬はもう少し勝気なイメージで記憶しています。ただ、毎日王冠のあたりはタイムトライアルのようなレースぶりだったのは違和感なく。自身のフィジカルと向かい合うアスリートのようではありました。

エアグルーヴらの会話の中で、昨年とは別馬、的な件がありましたが、このあたりもイメージは一致するところ。上村→河内とバトンをつないでいたころはまだまだ未完成な素質馬という評価でしたから。強くて速いスズカのイメージは年が明けてのバレンタインSからですね。

この感想とはそぐわないかもしれませんが、実際のデータはこちらで。

www.jbis.or.jp

沈黙の日曜日の描き方

いったいどう描いたのだろうと思っていました。TwitterのTLで安堵するようなコメントが散見されていましたので、まぁまぁ安心しつつ拝見して、納得。というより、当時のファン心理をよく押さえたうえでまとめてもらったなぁ、という、なにやら有難いという思いが先にやってきました。

トレーナーに名前がない設定なのは、彼女たちを見守るというファンの立ち位置をもたせるためでしょうか。ゲームの設定としても違和感ない形ですね。そのトレーナーが病院で目覚めたスズカにかけた最初の言葉。「まぁ、なんにせよ、こうして話せてほっとしたよ」。…不覚にもちょっとうるっと来てしまいました。現実には、この種の思いを抱くことはできないですからね。ファンの深層にやさしく踏み込む、難しい瞬間をうまく演出してくれておりました。

スペシャルウィークが馬場に飛び出して脚を支える場面、実際に故障後にジョッキーが脚を支えて救護を待ったシーンをどこかで目にしたはず、と記憶を手繰っているのですが、どの馬だったかな。思い出せればよいのですが。


最後に

続き、観てしまいそうですね。翌年の天皇賞は描かれるのか。スズカがスぺちゃんの背中を押すことになるのでしょうか。スペシャルウィークを主人公に据えたのはこのあたりまでストーリー展開できるからだろうなぁ。などと、おそらく作り手の狙い通りに気持ちが動いているところです。