more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

第71回 日本テレビ盃と第28回 マリーンカップ

2日連続で開催された船橋交流重賞。その連続性を見出すことになったのでまとめて書いておこうと思います。

 

日本テレビ盃はウィリアムバローズ

坂井瑠星のラップメイクが見事でした。ウシュバテソーロでもこれでは差せないですね。良発表ですが当日は若干の雨模様でしたからそれも味方につけられたでしょう。

 

レース結果はこちら。

www.keiba.go.jp

 

公式レースラップはこちら。
12.0-11.7-13.0-12.9-12.8-12.0-11.8-13.0-13.6

 

強く主張する逃げ馬がいなかったこともありますが、ウィリアムバローズはきっちりスタートダッシュを決めて、ゲートから1コーナーまでの後半半分はスピードを抑えることに成功していました。13.0-12.9のあたりですね。

1コーナー手前から向こう正面の前半まで、いわばトラックの半周分で緩ラップをつくれたことになります。この貯金をどう使うかがポイントになるわけですが、鞍下の特性を考慮したのでしょう、瑠星は残り4ハロンからのロングスパート勝負に持ち込みました。仕上がり途上だったはずのデルマソトガケ、3コーナーで一気に苦しくなりましたね。

 

おそらくですが、中央勢はウィリアムバローズの単騎逃げを警戒してのポジショニングだったでしょう。一番顕著にでていたのはメイショウハリオの先行策。それでも追走で手一杯になってしまいました。

おそらくはそれも見越しての逃げとロングスパート。上村師と瑠星は事前にそのように打ち合わせていたようですね。イメージ通りの内容、というコメントが端的にそれを表しています。

 

ネームヴァリューからいえばアップセット=番狂わせという評価になりますよね。きっと海外の関係者には、ケンタッキーダービーで僅差の勝負をしたジョッキーがドバイワールドカップ勝ち馬を退けた、という見え方になるのでしょう。

 

いやー、個人的には坂井瑠星の先行技術が相当な域に達していることを示すレースだったと受け取っています。すんなり逃がすとこうなる、というのが改めて内外に伝わったのではないかと。きっと川田はレース中にそれを理解して直線で深追いしなかったのでしょう。

 

えー、そのウシュバテソーロ、相変わらずの化け物っぷりですね。この展開であそこまで差を詰めてくるとは。相変わらず本気になるための難しさを抱えているようですけどね。衰えなし、でよいと思っています。

川田将雅の直線のアクションはもう「無理はしません」というメッセージを出しまくっていてこちらも素晴らしかった。本番は先というのはもちろん、年齢も重ねていますしレースに嫌気がささないようにという配慮もあったように見えています。

 

なお。近年は重要なステップレースになっている日本テレビ盃について、Idol horseでレース回顧記事が上がっていましたので紹介いたします。地方競馬という立ち位置も含めてまとめられていますので、最近ファンになった方の理解も助ける内容ではないかと思っています。

idolhorse.com

 

マリーンカップはテンカジョウ

今年から3歳牝馬限定戦になったマリーンカップ。一転して差し競馬になりましたね。じっくり構えた国分優作が抜け出す結果になりました。

 

レース結果はこちら

www.keiba.go.jp

公式レースラップはこちら。
11.6-10.8-12.5-13.2-13.1-12.2-12.5-13.9-13.7

 

先行馬2頭が争ってしまいましたね。レース後のXやニュース記事ではどちらかというと田口貫太アンデスビエントがからんでいった、という語り口が多かったかな。自分は譲らなかった坂井瑠星アンモシエラにも一因はあると思っています。

アンデスビエントは番手に控えた場合、何かウィークポイントがあるのかもしれません。今の時点でそれが明るみにでるのは…というのが貫太のハナへのこだわりなら理解できるところです。

 

ただなー、逃げたいのに逃げられなかった展開でそのままペースとポジションを深追いしてしまうのは重賞初騎乗だった(はず)日経新春杯リビアングラスと同様。というより今回の方がより質が悪いように見えています。戦略を切り替える判断が遅いといいますか、引かない気持ちが前に出過ぎているのかもしれないですね。

 

両レースに通底する坂井瑠星への評価

ここからは自分の一方的な見立てですが、その見立てからすると今回の深追いには理解できるところもあり。

坂井瑠星を単騎で行かせてはいけない、という呪縛のような観念が貫太にあったなら。すんなり行かせて控えた時点で敗戦が濃厚になるわけです。多少の深追いこそが勝負になると考えていたなら、納得する面もあるなと。

貫太のレース後コメントが見つからないのですが、後日出てくることでしょう。瑠星の先行技術が生み出したオーバーペース、だったのかもしれませんね。

 

そう考えると、その明と暗が連日の船橋で観られたことになりますし、そう考えるほうがこちらとしては今後の予想が面白くなるというものです。

 

ジョッキーの技術と周囲の評価をいい意味で追いかけると、競馬を点ではなく線で捉えて楽しめると思っています。…まぁ多分にこちらの妄想だったりするかもしれませんけどね。

 

最後に

土日の雨を見てからでないと予想が組み立てられないスプリンターズS。瑠星は春秋連覇を目指すマッドクールとのコンビ、こちらも先行馬ですよねー。

 

まだ追い切り映像も観ていないのですが、気になっているのはサトノレーヴ、ママコチャ、オオバンブルマイ、ウインマーベル、モズメイメイあたり。単騎逃げができるならピューロマジックも、というところですが、その直後にはマッドクールがいるのではないかと。

 

レーンがこの1日1鞍のために短期免許を取得したようで、未確認情報なのですが奥様が妊娠中という背景がある模様。いずれにしても期するところがあっての来日ですから、その分も加味する必要がありそうです。

枠順パッと見て、サトノレーヴはピューロマジックをみながらインへ寄せられるいいところにはいったなという印象。こういう第一印象は大事にしたいものです。