ディープの追悼記事をまとめていた矢先、残念なニュースが飛び込んできました。
右前浅屈腱炎を発症
今朝のエコー検査で判明したとのこと。復帰に向けた9カ月という治療期間より、種牡馬入りの判断を優先した格好です。
ディープインパクトの血が求められる状況下にあることは当然にして考慮されたようですし、21年には角居師の勇退も控えておりその逆算もあったようですね。
結果、凱旋門賞は断念となりました。残念には違いありませんが、角居師の「生産に返さなくてはいけない」という言葉は有難くも感じます。
ダービーが過酷であるという指摘について分析
自分が競馬を始めたきっかけは96年のダービー、勝ち馬フサイチコンコルドはダービー後順調さを欠いて(ダービー以前も順調さは欠いていたのですが)、ダービーが最後の勝利となりました。菊花賞以降は1年の療養生活、両前橈骨の骨膜炎が引退を決めさせたと理解しています。
ロジャーバローズもあの過酷な粘り込みが大きなダメージになったのでは、とパッと思ってしまいますよね。一応、過去10年(2010年以降)のダービー馬のその後を分類してみました。カッコ内はダービーを制した年とダービー後の出走数です。自分調べですのであしからず。
ダービー後G1勝ちあり
- エイシンフラッシュ(2010、20戦)
- オルフェーヴル(2011、13戦)
- レイデオロ(2017、9戦)
ダービー後重賞勝利あり
- キズナ(2013、7戦)
- ワンアンドオンリー(2014、24戦)
- ドゥラメンテ(2015、3戦)
- マカヒキ(2016、13戦)
- ワグネリアン(2018、2戦)
ダービー後未勝利
- ディープブリランテ(2012、1戦)
ダービー後未出走
- ロジャーバローズ(2019)
…イメージほどダービー後に崩れていないように見えますね。
未勝利はディープブリランテのみ、それもダービーの次走はキングジョージでしたからなかなか比較はしづらいでしょう。ロジャーバローズとの共通点はハイペースを先行して押し切ったこと、でしょうか。レース振りは似ていますが、それだけでは、ね。
ダービー後の戦歴が10戦を超える馬が4頭。レイデオロがあと1戦ですが、オールカマーに無事出走できればクリアしますので、これで5頭。過去10年で半数がダービー後10戦をこなしている事実は、必ずしもダービーの極限性を示すものではないように思います。
成長途上でのピーキングがその後に影響?
3歳春にピーキングをしたことでその後の成長に影響がでているという仮説はあり得るように思います、ただこれは証明が難しいでしょう。
Gallopだったかな、どこかで井崎先生がダービー馬の最後の勝利が神戸新聞杯になりやすい(ダービーの次のレースまでは勢いで…的な議論だったはず)、という主旨の指摘をしていたと記憶しています。
上記ですとワンアンドオンリー、ワグネリアン、海外ですがマカヒキもはいるでしょうか、古くはキングカメハメハが神戸新聞杯をラストに故障しています。あ、でもタニノギムレットともども、松国先生の理想の体現という特殊なバイアスがかかっていますので、これも何ともですね。
ダメージの程度は個体差、かな
はい、個体差、という言葉が浮かんでいます。個人的にはこちらの方がしっくりきています。
もう少し個人的な心象で語るなら、ワンアンドオンリーは成長の伸びしろをある意味犠牲にしてしまったのかなと感じています。ハーツクライ特有の成長曲線が感じられなかったんですよね。このあたり、橋口先生の悲願という言葉で分析が止まっている気もしています(その方がよいかな、とも思います)。
ダービーは極限性より特殊性、という心象
ディープブリランテとロジャーバローズが示すのは、ダービーというコース設定なり展開なりが生む特殊性のように感じています。
ワンアンドオンリーとワグネリアンが示す、これまでのスタイルを壊して1コーナーまでのポジショニングを求めた戦略もこの特殊性への対策と理解しています。前のポジションが必要、というのは競馬の質としては妥当なようにも思いますけどね。
ダービーというレースの特性に強くアジャストした馬が結果を掴むも、その後は異なるコース適性に苦労しながら戦歴を積み重ねている、という読み解き方が比較的しっくりきているところです。ただし、3冠馬を除く、でしょうかね。
そう考えると、ロジャーバローズが今後どんな適性の幅を示したのが、その伸びしろが観られないのは改めて残念。スプリングSをノーカウントにしたとして、中山2500や阪神2000など、どんなパフォーマンスになったでしょうね。
JBIS-Seach、ロジャーバローズの戦歴です。
最後に
実は今週前半、夏季休暇中でございまして。日帰りでしたが月曜は桃狩りに向かうなど、家族の時間も確保しているところです。
先週土曜の夜にディープインパクトに向かい合う時間をたっぷりとってからこちら、感動が再生しっぱなしですのでねw 明日には取っ散らかる言葉をなんとか投稿できるものと信じております。
リラックスできる時間に好きな馬の話をまとめられるのは有難いというべきなのでしょうね。