more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

第172回 天皇賞(秋)

マスカレードボール、3歳で天皇賞を制しました。

 

直線、タスティエーラの真後ろで加速しつつ、タスティエーラがインに寄ったタイミングでトップギアに。これだけスローですとトップスピードの持続力はかなり高いレベルで求められるはずで、少し早く全開にしたタスティエーラは残り1ハロンがもちませんでした。決してバテているわけではなかったでしょう。

今週もルメールの判断が光りました。スタートをそつなく決めたところ、2コーナーで置かれ気味な鞍下を叱咤しながらポジションを確保したこと(ジョッキーカメラですとセイウンハーデスの寄せに文句言っていましたね)、そのままタスティエーラの直後を確保したこと。

 

あれだけスローですと逃げ切りも外からの追い込みも難しく、後方インだと直線で前方の馬たちを捌き切れないリスクがあります。ルメールが確保した中団の2列目は、スパートのタイミングで複数の選択肢が生まれやすいポジショニングだったのではないでしょうか。

後半の極端な上がり勝負が目につきますが、序盤のポジション確保が後半のスムーズかつ確かな末脚につながったと思っています。

 

抜け出した後すぐに耳を立てるなど、まだまだレースに集中していないマスカレードボールをテン乗りでよく導きましたね。お見事でした。

 

公式レースラップはこちら。
12.6-12.3-12.2-12.5-12.4-12.2-11.5-10.9-10.9-11.1

 

メイショウタバル武豊のスロー逃げ。誰もつっかけていかないシーンには、そりゃあ不満も感じるところでしょうが、前半にかかり癖のあるタバルに競っていくメリットを織り込む馬がいませんからね。

個人的には全体を遅くしない、速めの一貫ラップを刻むものと思っていましたが、どうやら鞍上はタバルの折り合いの経験値を重視したように見えています。

 

もちろん負けるつもりでは臨んでいないでしょうが、勝機が少ないのであれば次につながるレースを、と考えていても不思議はない鞍上かなと。

次走はおそらくジャパンカップ有馬記念、いずれにしても距離を延ばすわけですから、折り合いを欠いてそのまま押し切りにかかるような経験ではなく、スローでも折り合える経験を求めたと考えるのが妥当な気がしています。

 

ちょっとだけ、メイショウの先代オーナーの忘れ形見に対して大事に乗り過ぎた、という情緒も感じています。それも織り込んで予想ができたら素敵なんですけどね。

ゴールドシップ産駒が府中の良馬場のG1で、勝ち馬とコンマ2秒差の6着は大検討と言っていいでしょう。スタート直後に他馬と競った場合がきになりつつも、これでグランプリが面白くなりました。

 

ミュージアムマイルは直線大外に回しての2着。正直、4コーナーのポジショニングからは惨敗かなと思っていましたが、末脚切れましたね。

皐月賞馬というよりは京都外回りの朝日杯2着が連動しているようなイメージ。末脚勝負になったときの強さは証明できたように思いますが、他馬よりアドバンテージをもつような特異な条件がちょっとわかりにくくなった印象もあります。ここから成長してくる馬体なのか、ちょっと注視が要りますね。

 

単穴的に買っていたブレイディヴェーグは2コーナーまでにポジションが取り切れず後方から。ミュージアムマイルより後ろですからね。これは厳しかった。。。

向こう正面ではプーシャンの押圧に馬群の外目まで追いやられる形になっていましたし、リカバリーとして直線インを突いたと思われますが前方が詰まり抜け出すラインを見つけられないままゴールを迎えてしまいました。

上がりは勝ち馬と同じ32.3。直線が不完全燃焼ながらこの数値ですものね。次走はジャパンカップとのこと、楽しみな存在になりそうです。

 

最後に。

 

なかなか文字にする時間がとれないまま、もうエリザベス女王杯ですね。ブリーダーズカップJBCも短時間しか割けないながらも楽しんでおりますし、なによりフォーエバーヤングがね。もう素晴らしい限りです。

 

JBCをまとめる余力はなさそうですが、ブリーダーズカップクラシックについては書いておきたいですね。何とかがんばろう。

 

天皇賞当日は現地観戦でした。会員先行抽選で指定席がとれたのは初めてのような。ゴール過ぎのあたりの席を押さえられたので、返し馬がばっちり肉眼で観れたのはよかったですね。前年のドウデュースが競馬場のあちこちでデコレイトされていたのもさすが。感動が再生しますよね。

 

肝心のレースはスロー過ぎてスポイルされた馬が多かった印象ですので、次走平気で巻き返してくる馬がいておかしくないと思っています。挙げた馬ですとタスティエーラやブレイディヴェーグなど。ここにダノンデサイルとカランダガンが加わりますから、ジャパンカップはちょっと玄人好みといいますか、こじれたファンには予想が楽しめそうな気がしております。ふふふ。