more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

2022年 年末のご挨拶

大掃除は前日までに済ませて、大晦日の今日は自宅から程ないパン屋さんのイートインへ。最寄り駅ではなく通勤途中の駅の近く、このブログを書くことも含めていつもお世話になっています。

カレーパンもフレンチトーストもあんバターパンも、本格こだわりとは異なるいつもの味。こだわりぬいたパンももちろん美味しくいただく機会はあるわけですが、落ち着くのはこちらの方。Gallop年鑑をパラパラめくりながら1年の記憶の整理に時間を充てたところです。

 

例えば、ジャンダルムとナランフレグ。スプリントG1の覇者はオーシャンSでワンツーでした。振り返ってそうでしたねと再認識するあたり、20代30代に比べて日々がさらさら流れてしまっているのでしょう。

オーシャンS、出先で結果を確認していたんですよね。こういうレースをきちっと心に止めておけないからスプリンターズSで中山巧者を評価しきれないことになるのでしょう。

そうそう、来年2023年から最優秀短距離馬の年度表彰は最優秀スプリンターと最優秀マイラーに分かれることが決まっています。タイキシャトルロードカナロア、グランアレグリアのように傑出した馬は別として、スプリントに特化している馬たちにとっては年度の記録に残っていく機会が増えたことになりますので、これは朗報と思っております。遅きに逸しているともいえなくもないですけどね。

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2022年は直接対決を制している分、ジャンダルムに軍配でしょうか。ナランフレグが香港で結果を残していたら文句なしでしたね。個人的にはナムラクレアがスプリンターズSを獲っていたら…。という心残りも書いておくのが年末のフリカエリにふさわしいでしょうか。

 

府中での競馬観戦

今年を振り返ると府中のスタンドで観戦する機会が増えたことがまず挙がってきます。まだまだコロナ感染の波は続いていますが(年明けは中国からの影響が心配ですね)、その中でもオンラインで抽選に通れば競馬場には入れますからね。入場者数の上限が7万くらいまで増えて、ダービーや有馬記念を除けば入場券はまず手に入るようになりましたので。

ソダシの完璧なヴィクトリアマイルや、放馬でスタート時間が大幅に遅れたオークスは印象的でした。スターズオンアースの強さはあのオークスでしかと刻み込んだ次第です。じっくり時間を使うせいもあるのかな、生観戦の印象があると、あとあとの楽しみ方が大きく膨らむんですよね。欠かせない体験なのだなぁと改めて確認をいたしました。

しかし、ウオッカといい、アーモンドアイといい、グランアレグリアといい、今年のソダシといい、傑出した牝馬が見せるヴィクトリアマイルは美しいレースになりますね。…ホントに個人的な心象ですけどね、いいんです個人のブログなので。

 

ドウデュースのダービーも生観戦

そうでした、生観戦といえばダービーです。40代半ばの紳士がタオルを頭から被って2時間パドックに座っている姿は我ながら「好きだねぇ」のひと言に尽きます。でも有力馬の見極めにパドックを見届ける儀式は欠かせなかったんですよね。がんばりました。ドウデュースのピッチが全開になってからこちら、スタンドのほぼど真ん中でめちゃめちゃ絶叫させていただきました。

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ダービーは運のいい馬が勝つ、とは相当昔の格言。他のレース同様に運の要素はあるとして、今回のダービーは1、2コーナーでキラーアビリティ横山武史にポジションを譲らなかったレジェンドの判断と胆力の賜物と思っています。そこから先が圧倒的に自分に向く流れになりましたものね。運よりも勝利を引き寄せる能動性があのダービーの要点ではないかと思っています。

キーファーズとのエピソードはレースの前後でずいぶん取り上げられましたが、それを踏まえると武豊はジョッキーという肩書を前提にしながらプロジェクト・ドウデュースのマネージャーとして立ち回っていた側面があるように見えています。改めて、そんなジョッキーはそうそう出てこないでしょうね。…あぁ、コントレイルに対する福永祐一はそれに近いかもしれませんね。

 

年末のタイミングでダービーを振り返ると、のちのグランプリホースと菊花賞馬を完封、という見え方になりました。ダービー馬はより大きな存在感と期待を背負って来年を迎えることになりますね。ここに本命を打てた自分でよかったなぁ。レース後フラフラになりながら食べたクレミアの味は格別でした。モカソフトは行列が凄すぎましたからね。

 

天皇賞秋は内馬場観戦

生観戦ですともうひとつ。天皇賞を内馬場観戦したのはいい選択でした。観戦する際のアングルは限られるわけですが、3コーナーで大逃げに対する端的などよめきが4コーナーで「もしかしたら」という高揚感に変わっていくスタンドの様子を、少しだけ客観的に、でも現場にいる当事者として体感できました。

パンサラッサの逃げは結果的にマイペースに近いそれだったと認識していますが、その戦略を勝利に結びつけるのは実際の人馬のアクション。レース全体を通して攻め切った吉田豊のファインプレーは勝ち馬同様に評価しています。

 

イクイノックスは天皇賞秋でシャフリヤールを、有馬記念でエフフォーリアとタイトルホルダーをそれぞれ破りました。いずれもピーク前やピークアウトといったコンディションの問題はありますが、昨年のクラシックホースを直接対決ですべて下してのG1連勝。個人的にはこれで年度代表馬確定でよいと思っています。

 

レースジオブザイヤーは宝塚記念

優駿のオンライン投票、このカテゴリーは毎年悩むわけですが、今年はタイトルホルダーの宝塚記念に心を決めました。やはりあの馬場コンディションと一貫して緩まないラップを2番手で追走してレコードで押し切るのは並大抵ではありません。負かした相手には香港、サウジアラビア、ドバイの勝ち馬、そして昨年の年度代表馬もいますしね。でもやはりこのパフォーマンス重視でレースオブジイヤーといたしました。

エクイターフの使い方、当初は極限の加速力勝負に寄っていた印象がありましたが、こと上のクラスのレースではスピードの持続力の究極を求める方向にシフトしてきているように理解しています。軽快なスピードだけではビッグレースは獲れない、それはポスト・ディープインパクト的な背景も影響しているように思っています。直仔はいなくなりますからね。

タフなスピードの持続、近年のチャンピオン像とは少し異なる在り様を示してくれたようにも思っています。

 

有馬記念の惨敗、凱旋門賞疲労が取り切れなかったという見え方にはなりますね。直線11.4のレースラップは不向きな加速力勝負、そうならざるを得ないくらいフィジカルもメンタルも厳しい状況にあったのかなと。年間を通じてスタミナをフルにふり絞る内容で走り続ける難しさを推察しているところです。それでも宝塚記念のパフォーマンスが色褪せるわけではないでしょう。

 

名伯楽が舞台から去る

2月には藤沢調教師が引退、8月には伊藤雄二元調教師が逝去されました。自分が競馬を始めた頃には東西のトップトレーナーでしたので、時間の経過を実感させられます。おふたりの書籍でだいぶものの見方を吸収させてもらいました。

タイプとしては伊藤師のほうが古き良き伯楽の佇まいという認識。競馬を始めた年のオークス馬ですから、エアグルーヴがやはり印象深く残っています。

藤沢師にはだいぶ馬券でやられた印象。シンボリクリスエスゼンノロブロイ宝塚記念に間に合わせるように出走して敗退しているのはよく覚えています、えぇ恨みごとですね。1頭挙げるとすればタイキシャトルかな。それは今夏、追悼記事でまとめてみています。

keibascore.hatenablog.com

 

バーイードもフライトラインも

海外競馬も忙しくチェックしていました。挙げた2頭はやっぱり凄かった。バーイードについてはラストランでの敗戦は重馬場に脚を取られてのものと見えていますので、欧州の上級馬=重い馬場得意、という構図が端的に当てはまるわけではないという事実を再確認したようにも思っています。

フライトラインは鞍上フラヴィアン・プラとともに完全に応援モードでした。強かったなー。パシフィッククラシックとBCクラシックは歴史に残るパフォーマンスでしょう。ぜひ語り継いでいきたいものです。

world.jra-van.jp

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海外競馬だと応援の仕方がどミーハーになるのは何ででしょう。我ながら不思議なのですが、無邪気にすごいとはしゃでしまう心地よい距離があるんですよね。

 

ジョッキーの世代交代

福永祐一が調教師試験に合格した一方、今年初G1タイトルを獲得したのは5名(丸田恭介、荻野極、横山和生、坂井瑠星、石川裕紀人)。Jpn1で岩田望来も勝っていますね。トップジョッキーの顔ぶれの変化はこうした象徴的な事案にも表れていると思います。

ついに川田将雅がリーディングを獲りましたしね。短期免許のジョッキーが活躍する場面は急に下火になることはなさそうですが、こうした変化は前向きに期待しています。この変化があるから5G(5爺)が輝くわけですしね。5Gをオチに使ってしまった…。

 

最後に

こんな形で書いているとあっという間に年を越してしまいそうですね。イートインスペースで書き始めたのですが、大晦日は早めにお店を閉めますよね…そりゃあそうです。自宅に戻って続きを書いておりました。ここからダート番組の改革について話し始めたりしたらもう、ね。このあたりで区切りましょう。

 

2022年も身勝手な投稿にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。一般的なレース分析の精度がますます上がっていく中、相も変わらず推察や解釈に満ちた文章をしたためておりますので、とても読みにくいタイプのブログなのではと謎の心配をしております。

日記と称しているのはそのための前置きという面が大きく、あくまで個人的な楽しみ、誰かのためではない自分のためのモノローグという軸からは離れないようにしています。そのうえで本人以外の方にも読めるようにする、とはいえ読みにくいものをお渡しするのはなぁ…といった葛藤をしながら書き続けてだいぶ月日が経ったという次第ですね。

プライベートでも様々な変化がありましてだいぶタフな1年となりましたが、競馬の魅力は相も変わらず。そのインプットが楽しい分、アウトプットまでに時間を要してしまうのが難点ですね。

このブログのアクセス解析をみると、やはりビッグレース直後のアクセス数は伸びているんですよね。で、それがグッと減ったころにレース回顧をアップするというw およそマーケティング的な発想とは真逆を突き進んでいる状況。いいんです、日記だもの。

すでにサウジアラビアやドバイへの遠征の話も複数上がっている状況。2023年も楽しみな競馬が続きそうです。ワクワクできるものが充実して引き続いていく様はやはりうれしいものですね。

本年もご愛顧、ありがとうございました。あと少しで2023年、よいお年をお迎えください。