more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

エリザベス二世逝去

在位70年、96歳での逝去でした。

 

年齢が年齢ですし、70周年記念の英ダービーロイヤルアスコットも現地観戦されていませんでしたので、来るべき時が来たのかと当初は冷静に受け止めていました。でも以下の写真で、少し感慨深くなってしまいましたね。

 

 

1974年の英1000ギニー馬ハイクレア、エリザベス女王の持ち馬で孫娘がウインドインハーヘア、その息子がディープインパクト。イギリス王室の生産馬が代を重ねて日本の血統に大きな影響を与えているわけです。

 

かつて日本は種牡馬の墓場と揶揄された時代がありました。野平師がエリザベス女王から質問を受けたエピソードは記憶しているところです。詳細は以下のブログが詳しいですね。女王の生産馬と合わせてご確認いただければ。

blog.livedoor.jp

 

陛下はディープインパクト産駒の活躍を気にされていたようです。上記のブログでも触れられていますが、JAIRSの記事にもありましたね。

www.jairs.jp


天皇陛下ガリレオフランケルの産駒に触れる機会はないでしょうから、それを考えると稀少といいますか奇縁といいますか、競馬ファンからすればよい意味での権威付けでもあるのかなと。

 

競馬を通じた歴史の堆積、国を越えたつながりというものの不思議さに感じ入る機会になりました。種牡馬の墓場と揶揄された時代からこちら、日本経済の伸縮も大きな背景にありますし、ディープの父サンデーサイレンスは日でも英でもなくアメリカの年度代表馬ですしね。

 

エリザベス女王の競馬との関わりについては、Wikipediaにもまとめられています。さすがに競馬以外の内容が分厚いわけですが、ページ中ほどに「競馬との関係」という見出しがありますので、そこから。

ja.wikipedia.org

きちんと調べていないのでここは推測になりますが、カタールとの資本提携を認めていくプロセスにもきっと無関係ではなかったでしょう。いろいろな意味で強いリーダーシップを発揮されていたことは想像に難くないところです。

でも、この無邪気な笑顔が長らく競馬界を支えていた大きな動機と思っていまして。

 

ブレグジット最中のクリスマスに発信されたメッセージ、もちろんといいますか競馬に関連する直接的なメッセージは含まれていない動画ですが、女王の取っていたスタンスがよくわかる内容です。

www.bbc.com

「どれほど深刻な違いがあっても、相手を尊重し、同じ人間として接することは常に、より良い理解への有効な一歩です」

競馬に限らず、普遍性を帯びた言葉と受け取っています。

 

陛下の死が競馬界の転換点になるのかどうかは、きっと後年になってわかるのでしょう。競馬の魅力に気づいたひとりとして、遠く離れた日本から哀悼の意を表したいと思います。