more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

第58回 札幌記念

ジャックドール、タフなレースを押し切りました。

 

パークウインズ府中で観戦していたのですが、1000m59秒台という通過ラップが表示された瞬間に「遅い」というどよめきが起こっていました。

福島記念などの前傾ラップでとばしていくイメージからすれば物足りない数字に見えたのかもですね。週中の雨続き、東北地方はだいぶ被害を受けていましたし、北海道も雨量は多かった認識です。エクイターフに比べれば保水しやすい洋芝ですから、1日稍重だった土曜でダメージを負いつつの日曜良馬場だったと理解しています。

とはいえCコース代わりの週。インコースを通る有力な逃げ馬にどのくらいのアドバンテージをもたらすのか、このあたりの塩梅が難しかったですね。勝ち馬ジャックドールの上がりが37.3、逃げたパンサラッサで37.7ですから、スピードが出る一方でタフな馬場コンディションであったことが窺えます。

 

公式レースラップはこちら。前傾ではあるんですよね。2ハロン目も厳しめです。

12.6-10.9-12.0-12.1-11.9-12.2-11.8-12.4-12.6-12.7

比較として、パンサラッサの福島記念も。

11.9-10.8-10.9-11.9-11.8-11.9-12.4-12.4-12.1-13.1

 

スタートからジャックドールのダッシュがよく、押し出していったユニコーンライオンの初速もついていました。その一方パンサラッサはダッシュする意識に乏しい様子。

福島記念でみせていた前進気勢はほぼ見られなかったように思っています。ハミを取らされて何とかダッシュをし始めた、という印象。

 

ジャックドールが控えてユニコーンライオン坂井瑠星が1頭分インを開けなければ、パンサラッサはハナにたどり着かなったでしょう。ハナにこだわる戦略がパンサラッサに少し無理やりな形で10.9を計時させた、と見えています。

…パンサラッサ自身にこれまでの戦略をとり続ける根気?がなくなっているように推察しております。

 

ジャックドールは加減速を抑えたレース運びに成功したのでしょう。離れた3番手に控える判断をした時点で、勝負どころのイニシアチブを取れる立場を確保しました。それをしっかり活かし切っての完勝。決して得意ではない馬場と思いますがこなしてきましたね。

とはいえ、得意なペースについてスイートスポットが狭めという印象は変わらず。脚質に幅がでたように見えますが、今回のペースにアジャストしただけとも言えそう。秋の天皇賞、有力な1頭ではありますが圧倒的な存在として迎えるには至らない認識です。難しい予想になるかもですね。

 

本命はウインマリリンでした。もう少し先行勢が脚を使いあう流れと、もう少し時計が速い想定で、4、5番手から前を捕まえる展開を期待していました。実際とはずれていますね。

スタート間もなく、ジャックドールがインを閉めないところを見て、内ラチ沿いを取りに行きました。前傾ラップの割に逃げ先行で決まっていますから、Cコース代わりの効果はあったのでしょう。好位のインを取りに行った松岡の判断が好走の要因でしょう。

馬自身も復調モードですね。このまま秋のG1で観てみたいと思っています。

 

ソダシは5着。頑張りました。本質的に距離が長いという意見が飛び交っておりますが、クロフネ産駒の傾向に収まったという印象が強く。昨年の札幌記念が例外的な実績であり、陣営やジョッキーの工夫の賜物というべきだと思っています。

距離より馬場かなという推察もしていますが、いずれにしても以降2000mは使ってこないでしょう。阪神マイルは実績ありますからね、マイルチャンピオンシップが目標になるのかな。

なにより、白かった。この白さのキープは今浪さんの日々の積み重ねあってのもの。裏函の様子もTLで見ていましたが、信頼関係の醸成はさすがです。当日晴れでより白さが映えていましたね、よかったです。

 

最後に。当日は悪友と久しぶりに合流。コロナ禍でお互いに慎重に判断をしていた分、今年の初顔合わせとなりました。相撲みたいな表現ですね。

タイキシャトルの回顧から、当時のレースは1つ現地観戦していたはずという話に。おそらくは98年の京王杯か安田記念だと当たりがついたのですが、どちらも40代半ばのナイスミドルですからね。もはや思い出せないまま話が流れるという。加齢の影響はおそろしい。

また当時のG1は役者が揃っていたねぇという話にも。98年マイルチャンピオンシップタイキシャトル、その翌週のジャパンカップエルコンドルパサー有馬記念グラスワンダー復活、菊花賞セイウンスカイ、などなど。

そうそう、スペシャルウィークはちょうど昨年のシャフリヤールのような立場でジャパンカップ3着していましたね。アドマイヤベガ新馬戦で武豊が騎乗停止になり岡部に乗り替わっていました。

…思い出せるものは思い出せるから不思議。もちろんJBIS-SearchやRacingViewerの力を借りないと成り立ちませんでしたけどね。楽しい時間でございました。