more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

武豊、6度目のダービー制覇

興奮冷めやらぬまま、そのまま浮かんだ言葉を書いておきたいと思います。ドウデュース、見事に差し切ってくれました。

 

40代男性が全力で叫ぶ機会は1年にどれくらいあるでしょうね。現地のスタンドで観戦、末脚全開で一気に先頭に立ったあたりから何やら両手グーを高く掲げて叫んでおりました。6万人もいると上手く紛れると信じておりますが、周囲の方にはご迷惑だったかな。やっぱり本命武豊でG1を勝つと気持ちがいいんですよね。

 

少しだけ冷静に。他の「3強」はそれぞれ難しい側面が出てしまった印象があります。

出していってかかり気味になっていたジオグリフ福永。おそらくフィジカル面でピークアウトしていたであろうダノンベルーガ、さらにゲート前の輪乗りではだいぶイレ込んでいましたね。

そして1コーナーまでにダッシュを求めたうえで押し切るには…、というイクイノックスの出来。決してわるくは見えませんでしたが、大外枠を地力で克服するまでのフィジカルとテンションではなかったかなと。

 

パドックでは他の3強のコンディションと戦略を整理しながら、ドウデュース武豊はジオグリフとダノンベルーガを前に置いて盤石の待機策に徹することができるのでは、と展開予想のイメージが収斂していきました。このイメージをまとめるために当日パドックで2時間待機という荒行。暑かったですねー、その甲斐がありました。

 

実際に向こう正面ではジオグリフとダノンベルーガの直後のポジション。デシエルトがハイペースで引っ張る展開も含めて、この位置取りがレースが進むほど理想的になっていった印象です。はい、2400mの間、ワクワク感がずーっと上がりっぱなしでした。

 

4コーナー出口でジオグリフの外へ。「しびれるような手応え」で視界をクリアにできた後、一気に全開になってしまったようですね。いまの馬場コンディションだったらラスト1ハロンの鈍り方も少ないだろう、という読みもあったように思っています。

この一気に全開になるあたりが、皐月賞の待機策を選択する背景だったかもしれません。自分のペースで少しずつギアを上げていく経験、ダービーに向けて必要な1戦分の経験を踏まえることができたのでは、と改めて推察するところです。

 

レース後のスタンドの拍手と歓声。明らかにコロナ前より客層が変わった(若年層が増えましたね)こともあるかな、ユタカコールもテンポが速かったようです。でも6万人の歓声はやはりすごい。コロナ禍でマスクしながらという状況下ではありますが、あの圧を体感することもダービーの醍醐味ですね。

 

他のライバルの動向を待機策で虎視眈々と構えるレースは、ちょっとアドマイヤベガにも似ているように思っているところです。詳細はもちろん違うわけですが、レース運びのリズムは近いように感じております。ウマ娘から競馬をみるようになった方には、そういう角度から楽しんでもらうのもよさそうですね。

 

もう少し細かいフリカエリは週中にでも。まずは緻密な戦略と人馬の落ち着きで6度目のダービーを引き寄せた千両役者の余韻を大いに堪能したいと思います。いやー本命にできてよかった。