3月の記事ですが、南カリフォルニアを中心に騎乗していたフラヴィアン・プラ Flavien Prat が、今シーズンの春夏、ニューヨークに拠点を移すという内容です。
ドバイワールドカップはフランキー騎乗のカントリーグラマーが勝利したわけですが、物凄い砂を浴びながらインから突っ込んできた2着ホットロッドチャーリー、その鞍上がフラヴィアン・プラ。チュウワウィザードと合わせて、よく差してきたなと思っていました。
フラヴィアン・プラについて調べてみたところ、残念ながら日本のニュース記事もブログ記事も少なかったという印象。。。
直近の成績はとJRA-VAN Ver.worldを頼りにしたところ、ちゃんと覚えておこうねと自分にダメ出しすることに。今年のサウジダービー、パインハーストで2番手から押し切ったのがプラでした。セキフウが追い込んで届かなかったレースですね。
何よりサウジカップではカントリーグラマーで2着惜敗。押し切る寸前でエンブレムロードに交わされましたが、改めて観るとそれまでの運び方はお見事でした。
最内スタートから押してポジションを主張、いったん外に膨れて、ひとつ下げながら中団のインを確保しました。いったん膨れたのはラチが切れるあたりでしたから、その間は内ラチではなく外の馬を頼らせた可能性もありますね。無駄が少ないハンドリングに見えました。
先のホットロッドチャーリーは2021年米クラシックでのパートナー。ケンタッキーダービー3着、ベルモントS2着、ペンシルベニアダービー勝利からデルマー開催のブリーダーズクラシック4着。日本でいうと春のクラシック惜敗、秋に世代限定G1(菊花賞かな)を勝って有馬記念入着といったところですから、例えるならナリタトップロードが近しい戦歴でしょうか。
2015年にフランスからアメリカ西海岸に拠点を移してから、早々に頭角を表すというキャリア。パインハースト、カントリーグラマーはボブ・バファート厩舎、ホットロッドチャーリーはダグ・オニール厩舎ですから、有力調教師からの覚えもよいようです。
少し遡って獲得したタイトルを調べてみましたが、なるほど、カントリーハウスでケンタッキーダービーを勝っていましたね。マキシマムセキュリティ1位入線からの失格による繰り上がり。マスターフェンサーが参戦して6着だった年です。
びっくりしたのはビング・クロスビーS。2015年から2021年まで、7年で6勝とは。
直近の2021年はドクターシーヴェルで勝利。はい、先日のドバイゴールデンシャヒーンでは中団から差し脚を伸ばし、スイッツァランド、レッドルゼルに続く3着でした。
これまで挙げてきたレース映像をチェックしての印象、鞍下のスタミナの見積もりが的確というのと、そしてそれを絞り切るタイミングでの仕掛けと粘り込ませる力強いフォーム。ちゃんと認識していたら、サウジもドバイも楽しみ方が変わっていたでしょうね。
アメリカへ拠点を移した直後の記事でしょう、一問一答の取材を受けたようです。いま持ち出したら本人は恥ずかしいかもしれませんね。
競馬を3つの単語で表現してほしいという問いに、「Competition, passion, dedication」という解答。日本語だと競争、情熱、献身といったところでしょうか。これだけでも真摯な性格が窺えます。
サンタアニタ競馬場のアカウントで30秒の動画がアップされていました。ひととなりが何となく伝わるかな。
拠点を変えることが成績アップに繋がるのなら、きっと全米リーディングに近づくことになるのでしょう。ルメールがアーモンドアイを指して言った「ライフタイムホース」に出会うことで名実が伴うのかなと思っています。いずれは短期免許を取得して日本でも騎乗してほしいですね。