more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

第23回 ジャパンダートダービー

キャッスルトップが逃げ切るとは思いませんでした。お見事でした。

スタートからのしを付けて(という表現、最近聞かなくなりましたね)すぐに先頭へ。ロードシュトローム松山が後手を踏んだのとは対照的なスタートダッシュになりました。

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2021年ジャパンダートダービー、スタート早々に先手を取り切ったキャッスルトップ

その他に先手を主張する馬がいませんでしたね。2ハロン目がかなり強く出していきましたが、そこからの減速が嵌りました。レースを通して乱高下するラップでしたが、操作性の高いキャッスルトップにはマイペースであったでしょう。

当初はゴッドセレクション、ウェルドーン、スマッシャーらが詰め切れなかったという印象でしたが、このラップを作り出した仲野光馬の戦略が勝利に大きく貢献していますね。お見事でした。

公式レースラップ

11.9-11.2-12.5-13.3-13.7-12.9-12.3-13.1-11.9-13.1

対比のため、今年の帝王賞のラップも。中盤ラップに顕著な差がありますね。
12.1-11.6-12.1-12.5-12.5-12.3-12.3-12.9-12.0-12.4

仲野光馬のラップメイク

先手を取り切った後、12.5-13.3-13.7と順調にラップは落ち着いていきました。ロードシュトローム以下離れた追走になりましたし、何よりキャッスルトップへの他陣営の評価は高くなかったのでしょう。

向こう正面半ば、リプレーザ幸はさすがに遅いと読んだのかインから進出していきました。ちょっと遅かったかもしれませんね。仲野はこの付近からペースアップ。3コーナーに向けて13.7-12.9-12.3と加速ラップを作りました。

これに追い付くにはそれ以上の加速を必要とします。後続はこの段階でかなりつらくなっていたでしょう。1、2コーナーでセーフティリードを取れたことがここでしっかり活きた格好です。

そして4コーナーでもう一度溜めをつくります。ニュートラルに流しつつ、直線で外に張り出すことで後続をさらに外へ振り回す形をつくりました。

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2021年ジャパンダートダービー、4コーナーで外に進路を求めるキャッスルトップとその外へ振り回される後続各馬

ひとつ前の帝王賞の投稿で「扇の要」という表現を使いましたが、キャッスルトップをその要として、外を追走した馬は扇を広げるように振り回されてしまいました。やはり要の位置は有利ですね。

後続を振り回す戦略は功を奏しましたが、それまでが肉を切らせるラップメイク。11.9-13.1を凌ぎ切ったのは馬の地力というべきでしょう。決して仲野の追いのリズムはぴったり合っていたとは見えませんでしたでしたし。

でも後続が来てくれたことで馬がファイトしたというレース後のコメントがありましたから、直線詰められてどこまで頑張れるかという展開に持ち込むプランではあったのでしょうね。

この人馬だからこそ、この一期一会といえるレースができたのだと思っています。

すみません初めて認識しました

本人もインタビューで話していた通り、仲野光馬というジョッキーは勝たれて初めて認識いたしました。このJpn1制覇まではデビュー8年で通算44勝、そして大井競馬場での乗鞍が久しぶり、という諸々の情報が事前に入っていたら、…失礼を承知で、余計に買えなかったでしょうね。

高橋佳代子さんのブログで経歴やエピソードが確認できます。ちょっと変わった配色の勝負服の由来も。いやー、まさかダイユウサクとは。ホントにダイユウサクのような単勝オッズになりましたものね。

nankandamasii.jugem.jp

勝利ジョッキーインタビューはとても好感。若干の緊張も含めて、人柄が滲み出ていてよかったです。TCKYouTubeチャンネルにアップされていましたので是非。動画の公判でジョッキーインタビューが確認できます。

youtu.be

G1という表現

気になってしまったのは、勝利ジョッキーインタビューでのインタビュアーの「G1ジョッキーになりました!いまの気持ちを聞かせてください」という投げかけ。

この勝利に水を差すつもりは全くないのですが、いやG1じゃなくてノングレードなんですよね、というツッコミがどうしても、ね。Jpn1はジーワンと読んでよいのでしょうが、わかりにくいことには違いがないのかなと。あくまでルール設定の問題ですね。

過去3年の実績をみても、勝ち馬のレーティングが110を超えているのみで、レースレーティング(4着までの平均で算出、だったはず)だと昨年は105に届いていないのでは。G1格付けを得るには過去3年のレースレーティング(の平均)が115以上だったはずですので、しばらくは望んでも国際G1にはならないでしょう。

個人的には国際格付けがなく、ローカル格付けでの運用にはどちらかというと肯定的なのですが、ここまで関心をもっていない一般のファンには分かりにくい状態と思われます。呼び方を揃えたことがより分かりにくくさせてしまっているでしょう。

「G1」は、国際格付けという定義より前に、最高峰のレースを示す表現として定着してきた認識があります。その意味では3歳ダート路線の最高峰ですから、ズレた表現ではないんですよね。

当面はすっきりした定義にならないと感じつつ、どこかで解消していくことは期待したいと思っています。変なエクスキューズなく勝者を讃えたいですものね。

最後に

期末テストもあり仕事もありで、ダートJpn1をまとめるタイミングがずいぶん後になってしまいました。もうセレクトセールも函館2歳もハリケーンレーンのパリ大賞典も終わり、クロノジェネシスはダミアンで凱旋門賞が決まり、キングジョージまであと1日を切っているという。ちょっと書かないと時間の経過が早いですね。そうですよ、オリンピックの開会式も終わっていますから。

4連休の前半で、まずはゆったり時間を過ごすことができましたので、少し溜まっている競馬関連の雑誌や書籍などに手を付けようかなと思っています。今年はPOGに手を出していないので、その分読み物に時間を使えるなと。…そうですね、こういうときにYouTubeやオンラインサロンという発想に至っていないあたりがベテランファンなのでしょうね。

自分のペースであーだこーだと脳内の引き出しを開け閉めしている時間が面白いんですよね。傾向把握のヒントは欲しいと思いつつ、楽しむためのマイペースは保ちながら参りたいなと。動画解説の利用はポイントポイントでと思っているところです。

あ、アイビスサマーダッシュパークウインズで観戦予定。ロジクライが枠順確定後に出走取消になりましたので、いまいまは外枠にはいった3歳牝馬2頭をどうしようかなと考えているところです。