more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

2020年 年末のご挨拶

2020年、最後の投稿になります。

コロナ禍の中での競馬

新型コロナウィルスの影響、4、5月の頃は競馬主要国の開催が軒並み止まり、どうなることかと思っていました。主催者を問わず、日本の競馬、改めてよく頑張ってくれたなと思っています。

即PATというインフラがあらかじめ整備出来ていた、トレセンなど元々関係者の行動を一元管理しやすい環境下にあった、などなど開催続行にあたっての諸条件に恵まれていたのは確かですが、感染予防対策は競馬界だけで完結するものではないですからね。

仮に興行が止まってしまった場合、馬主からトレセン関係者への支払いがなくなるでしょうから(入厩させるメリットがない)、関係者の収入に大きなダメージが生じ、なにより競走馬が結果を残す貴重なタイミングを失うことになります。

自分自身が仕事で一部門をマネジメントする立場にあった分、日本競馬の続行については冷静に受け止めていた側面がありますね。無観客競馬、特にダービーのスタンドの光景は残念に思いつつも、止まらずに進んでいることを有難く思っていました。

国際的には開催中止→G1レースの延期が多く発生

JRA-VAN Ver.Worldのサイトでは、国別の影響についてまとめられています。

world.jra-van.jp

こうして見ると、中止になったG1レースはそこまで多くないのですね。象徴的な延期はケンタッキーダービーでしょうか。アメリカ3冠の順序が変わり、かつケンタッキーダービープリークネスSが秋にずれ込みました。

マイオールドケンタッキーホームがダメでしたね。例年の演出、そして大合唱が見られず、トランペットのソロが響く出走馬入場のシーンはちょっとジーンと来てしまいました。一本のトランペットが、競馬の歴史をギリギリつないだことの象徴のように映っておりました。

自分はグリーンチャンネルの「ALL IN LINE」で映像を観たのですが、YouTubeだとこちらでしょうか。ちょっと聞こえにくいですが。

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ものごとに感傷的になるには、対象とちょっと距離があったほうが成立しやすいのかもしれません。事情を知らない分、勝手な思い入れが成立するといいますか。そのズレが、競馬ファンならではの熱になっているような気がしています。

牡馬も牝馬3冠馬誕生

とてもイレギュラーな開催になった年、牡馬も牝馬3冠馬が誕生したことも歴史的にはとても特異なことですよね。牝馬はスティルインラヴ、牡馬はディープインパクトからですから、リアルタイムで見届けた3冠はこれで8頭目。…案外多いのかな。

適性の異なる3レースを克服するある種の理不尽さに価値を認めるのは、なかなかに稀有な文化であると思います。今年のコントレイルも、決して得意ではないと認識しながら3000mへチャレンジしあの名勝負を生み出してくれました。

関テレのプロモーションは素晴らしかったですね。3冠の実況にスポットを当てた企画はなつかしくも面白かったです。

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ジャパンカップはレースオブジイヤー

クリストフ・ルメール福永祐一松山弘平三者三様に策を練って、三頭の三冠馬がワンツースリー。…意識して「3」を並べてみましたが、成立するから凄いですよね。

フィジカルな意味でのパフォーマンスの高さやレースタイムや上がりタイムの主張でいえば、その他のレースが上回る部分もあるでしょう。でも、この3頭が同じレースで互いを負かすために立ち回ったことに価値があるわけで。

歴史的に語り継ぐことになるレースを受け取った、この意味で2020年を象徴するレースといっていいように思っています。

そうですね、年度表彰にレースオブジイヤーを加えてもよいかもしれませんね。

デジタルシフトというかWebコンテンツシフトとその充実

以前から予想やレース分析のWebシフトは進んでいたわけですが、コロナ禍でより一層進んだといいますか、特に映像コンテンツ、YouTubeでの予想発信が進んだというのは個人的な印象です。配信自体にハードルがなくなっていますから、プロアマに境界線がよりあいまいになっていますね。netkeibaなどの有料提供と無料のYouTube配信に差を感じない場面も珍しくないように思っています。

ツイキャスなどの配信や、noteなどのブログサービスも引き続き主流と言ってよさそう。とにかく分析の精度が高ければ、ユーザーの時間をロックすることができる時代、と言えるように思っています。コロナ禍でWebコンテンツに時間を割くユーザーが増えたのでしょうね。…あー、すでにコモディティ化し始めているかもしれませんね。

個人的には「競馬オタクYouTubeチャンネル」の坂上さん、チャンピオンズカップの分析は非常に参考になりました。

www.youtube.com

また、ようさんのnoteでの有馬記念分析も精度が高かったですね。

note.com

既存メディアの語り口が定型化する間に、若年層の分析の精度はばっちり上がっていますね。ベテランファンの身勝手な目線ですが、頼もしく映っております。コロナ禍で改めてそんなことも感じました。

あー、既存メディアも頑張っていますよね。競馬王の2021年1月号、ダート特集はかなりの読み応えでした。とうけいばさんの分析はTwitterで拝見していましたが、こうしたフィーチャーが世代交代のような流れを生むのかな。

分析の精度はこうしたコンテンツのアップデートに頼りつつ、自分がどう楽しむのか、そちらにより注力したいなと思っているところです。

最後に

相変わらず、自分から見えた競馬を好き勝手に書き散らす1年でした。

平日の仕事の忙しさもあり、体力面もあり、書かないと判断したネタもそれなりにありました。さすがに以前の踏ん張りが効かないという事実と向き合うほうが現実的だなと、ちゃんと睡眠に充てよう、というリズムができましたね。

その当時どんなことを考えていたのか、後々振り返れるように。そしてそれを目にする方に何かちょっとプラスになるように。このあたりを視野にいれつつ、基本は日記というスタンスで今後も楽しく書き散らしていくつもりでいます。レースの細かい分析などは少し割愛していくかもしれないですね。

映像コンテンツ隆盛の時代ですが、ぐるっとまわってテキストコンテンツに回帰する場面もあるかなと。テキストが一番シンプルな伝え方ですものね。そういう意味で、日記は続けていこうと思っています。

今年もご愛顧、ありがとうございました。来年の競馬も楽しみですね。まもなく2021年、よいお年をお迎えください。

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2020年の3冠馬3頭、ぬいぐるみで揃い踏みです