昨年もこのパターンになっていましたが、2レースまとめて、書いておこうと思います。
ホープフルSはダノンザキッド
川田将雅がリードし切った、という印象です。
ひとつ外枠に先行するタイトルホルダー戸崎。ゲートをしっかり出し、主張しつつ引っ掛からないようにひとつ後ろに控える、というのポジション取りが序盤のミッションだったと思います。実際はタイトルホルダーが前に入るのを待ち受けていたところで、そのさらに外枠のアドマイヤザーゲが蓋をしに来ていました。吉田隼人も抜け目なしですね。
川田はタイトルホルダーの真後ろからひとつ外へ一度振って、押し込められないようけん制しつつ1コーナーへ。ここで押し込められると、2年前のサートゥルナーリアのように直線行き場がなくなる高ストレスな状況に陥る可能性がありますので、妥当な判断だったでしょう。
吉田隼人が外を回りすぎないようにひとつ下げてダノンザキッドの後ろへ。同期で一瞬だけ生じたチキンゲーム、川田が勝ったというよりは馬自身の先行力の差が大きかったかな。ただ、川田はそのままずっと前に馬を置けずにぐるっと1周回ってくることになりました。行きたがる鞍下を抑えながらのポジションキープ。G1は簡単ではないですね。
左手前で右回りの3、4コーナーを回ってきて、直線右手前のまま押し切りました。よくこの追走とスパートでG1勝ちましたね。馬場のバイアスとストライドロスを考慮していたのだと推察しますが、あらかじめ馬群の外に誘導していたことが奏功しました。
ダノンザキッドの力が抜けている見積もりでしたが、川田将雅のリードが大きく寄与した勝利でしたね。
公式レースラップ:ホープフルS
12.8-11.4-13.0-12.7-12.0-11.9-12.2-12.0-12.2-12.6
クッション値と含水率
クッション値 | 10.5 |
---|---|
含水率:ゴール前 | 10.0 |
含水率:4コーナー | 9.8 |
ランドオブリバティの逃げと逸走
逸走してしまいましたね。。。外で併せていたバニシングポイントが手応えを失い下がっていったことで、4コーナーで外へ向かうスペースを見つけてしまったのでしょう。左手前に変えてレースから離れてしまいました。
4コーナーのインパクトが大きめですが、1コーナーの時点ですでに外に逃げている様子が見て取れます。三浦皇成、せっかくのG1制覇のチャンスでしたがジョッキーの制御だけではどうしようもなかったように見えています。
トレーナーはハナに行きたくなかったとコメントを出していますし、前走の4コーナーも少し膨れ気味に直線に向いていますから、調教では一度もこんなことはなかったというコメントはありつつも、何らかの兆候を捉えていたのかもしれません。
力はあると思いますので、今後の立て直し?が必要になるのでしょう。レースのストレスを忌避しているのであれば、逃げるのに成功してしまいましたからね。少し間隔を開ける…が許されないのがクラシック、難しい調整になるのかな。軌道に乗ってほしい1頭ではあります。
オーソクレースは好位のインから2着
4コーナーまではロスなく立ち回っていましたが、ランドオブリバティの逸走に集中を欠いたかな。ルメールはレースに集中させるためでしょう、左の肩ムチコーナーの出口を待たずに左手前にスイッチして外にもたれる所作。ルメールはブレーキをかけてしまった、と表現していますね。映像を観る限りはランドオブリバティに「つられた」という言葉がしっくりきています。
その後は取り直して加速していますが、いったん勢いが削がれてしまった影響は大きかったですね。直線通して、ダノンザキッドを振り切る脚色ではないように見えました。
パドックではまだ緩みを感じる馬体。エピファネイアもマリアライトも完成はだいぶ先でしたから、これからの成長に期待したいですね。自分はその伸びしろの分、今回は評価を下げてしまいました。
川田&安田隆行厩舎で初G1
引き上げてくる姿で、あぁと察しました。下馬して師匠と握手、感極まっていましたね。ジョッキーの側に期するところが大きかったのでしょう、師匠は落ち着いた様子でした。本当にうれしいとのコメントは笑顔とともに。ダッシャーゴーゴーの件が顕著に思い出されますが、こちらには伝わっていないこともたくさんあるでしょうからね。
パブリックイメージと素のギャップは多かれ少なかれ誰にでもあると思いますが、川田将雅らしさはこちらでしょう、と思いながら勝利ジョッキーインタビューを観ておりました。正直少しもらいましたね。是非、その根っこのところは変わらずに。
その他気になった人馬
ヨーホーレイクはスタートでランドオブリバティと接触。そのまま寄れて初速がつきませんでした。鞍上もスタートを敗因に挙げていました。ラストの伸びを観る限り、これまでの兄弟のイメージを重ねない方がよいかもしれません。もう少し時計の速いコンディションでどう変わってきますか。しかし、クロウキャニオンはコンスタントですね。
シュヴァリエローズは外枠からそのまま馬群の外を回る形になりました。3、4コーナーでインに入れたあたりに北村友一の賢明な判断がありましたが、2コーナーまでの流れは何とも。素直に進めたら一番外でコーナーを迎えました、という表現が妥当な気がしています。クロノジェネシスで結果を出しましたが、中山の立ち回りについてはもうしばらく疑問符をつけておくのがよいような印象がありました。ロスが大きかった分、次走巻き返しくる可能性はありそうですね。
東京大賞典はオメガパフューム3連覇
同一G1を3連覇するのは年齢との戦いでもありますので、どんなレースでも快挙というべきでしょうね。
予想通りのワークアンドラブの逃げ、探るような番手争いになりましたから、そのままスローペースで展開することになりました。1コーナーでガクッとペースが落ちていますね。オメガパフューム包囲網。断然の1番人気の特徴は息の長い末脚ですので、これを抗するにはスロー、という人馬の思惑がいくつか重なったように思いました。スローで展開して力を温存し末脚勝負に可能性をかける、オメガパフュームが差し損ねる展開にチャンスがある、という。
決して向いた展開ではなかったでしょう。いつもパドックではよく見せるタイプではありませんが、今回はJBCクラシックより若干出来落ちのように見えていました。鞍上ミルコがこの12月は0勝(重賞だけではなく、ですね)というのも不安材料。マイナスのファクターがこれまでより多い印象でした。上位入線した馬は皆、最後まで伸びていますしね。
もろもろのマイナス要因を跳ね返して、直線ライバルを競り落としたのですから、文句なし。大井ではすべて連対、2着に負けたのは3度で、ルヴァンスレーヴとクリソベリルにしか敗れていません。ここにオメガパフュームの特徴と強さが表れていると思います。
公式レースラップ:東京大賞典
12.3-12.1-13.4-13.7-13.4-12.7-12.6-12.7-11.6-12.4
カジノフォンテンは最も上手く立ち回っての2着
この流れを好位追走できましたから、しっかり余力を残しての直線スパートとなりました。あと一歩でしたね。勝島王冠に恵まれた印象を持っていましたが今回のパフォーマンスは文句なし。鞍上張田は自身のメンタルに敗因を求めていたようですが、騎乗のアプローチに問題を探す必要はあまりないかなと。見事な立ち回りでした。
スローを見越してモジアナフレイバー本命
前走、勝島王冠でかかってしまい末脚を無くしての3着。かかる癖になっていなければ、スローを好位のインで進められる条件が整っていましたからね。昨年とは異なる意味で本命にしてみました。…懸念のほうが上回りましたね、力んだ追走になってしまいました。
マイラーでは?という評価が大勢になっていますし、実際自分も同じ見立てではありますので、今後2000では買いにくくなりました。乾いていない府中のダートなら、というイメージでおります。フェブラリーSで待っていますよ。
最後に
大井競馬の指定席抽選に参加しましたが、あえなく落選。現地で馬場の傾向をつかむ例年のパターンが踏めない中での予想となりました。
直線、オメガパフュームの通ったラインとラストのミューチャリーの伸び脚を見ると、インではなく馬場中央寄りが脚抜きがよかったのかな、という事後の気づき。いつものパターンであったら、ひょっとしたら頭が回って気づきを得られたかもしれません。
という負け惜しみが覗くので、やっぱり現地観戦したいですね。言い訳も後悔もできない状況に身を置いておいた方が精神衛生上よいように思っております。
一方のダノンザキッド。実は優駿POGで指名していまして。POGでは基本立ち写真を中心に血統情報をちょい足しして選んでいるのですが、デビュー戦であのパフォーマンスでしたからね、注目しながら東京スポーツ杯、ホープフルSと追いかけた次第です。
マスターフェンサー、ヴェロックス、ダノンザキッド。ジャスタウェイ産駒の活躍馬に川田将雅が合うのでしょうか。2015年に公開されたものですが、自身のフォームを解説している映像がありまして、そこでは「押し込んで、前に逃がす」という表現を用いています。ひょっとしたらパワーを推進力に変えていくために川田の乗り方がマッチしているのかもしれません。以下はご参考までに。