more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

第22回 ジャパンダートダービー

ダノンファラオの方でした。かなりタフなレースになりましたね。

ゲート直後の手の動き方を見ると、坂井瑠星はあらかじめ前々で進める戦略だったようです。ダイメイコリーダが主張したことで2番手に切り替えて、キックバックを避けながらカフェファラオをインに閉じ込めることに成功していました。

向こう正面も終始促しながらの追走。残り1000からのペースアップは後続には堪えたでしょう、ここも肩ムチをいれながら付いていきました。ダイメイコリーダ池添とふたりでつくったペースのようにも見えますね。

ラスト1ハロンで一瞬差が縮まりましたが、ここがダイメイコリーダのスタミナの限界だったかな。終始早め早めにアクセルを踏み続けたダノンファラオに軍配が上がりました。瑠星の騎乗スタイルのイメージにも符合する内容だったと思っています。

公式レースラップ

12.2-11.4-12.3-12.8-12.6-12.3-12.5-12.9-12.7-14.2

馬場コンディションを加味すると厳しいペース

当日は良馬場発表。9Rで11秒台のラップを含む36秒台の上がりが掲示されていますが、速いラップを続けるには相当なパワーを要する重ためな馬場だったでしょう。

前後半は61.3-64.6。池添は前傾ラップをつくっていました。2ハロン目を除いて最速のラップは後半4ハロンに存在しません。大井の外回り、1周1600mですので3コーナーがちょうど残り800m、ここまでですでに厳しいペースだったことが伺えます。

ダイメイコリーダ池添の蓋

いやらしい挙動でしたね。断然の1番人気は内枠スタートですから、外枠発走で馬群へ被せるように先頭を取ると上手く前にはいって蓋をする形をつくれる可能性が。それはイニシアティブを握る可能性でもありますので、鞍下の特徴も加味して、迷わずにハナを狙ったと思われます。

案の定、カフェファラオは五分のスタートから先行策。ニュートラルなスピードで好位を窺っていました。一方の池添はスタートから押して、徐々にインへ。一度だけイン方向を振り返っていますが、フルフラットの邪魔をしていない確認と、カフェファラオのコースを見ていたようです。ここからがいやらしかったですね。

カフェファラオはインから3頭目くらいを走っていましたが、池添は手綱を引きながらその前に。そこまでの横へ切れ込むスピードは速かったのですが、そこからインへ詰めない。まさにカフェファラオの前を取ること、蓋をすることが作戦だったのでしょうね。

 

f:id:barnyard:20200713004030p:plain

第22回 ジャパンダートダービー 序盤の攻防

1コーナーに向けてジリジリとインへ詰めていくことで、カフェファラオを自分の直後に閉じ込めることに成功していました。おそらくカフェファラオのひとつ外をフルフラットかダノンファラオが抑えることまで、イメージがついていたのではないでしょうか。

対照的にレーンはキックバックを受けないように外に出す対処ができず、そのままインに閉じ込められる格好になりました。

カフェファラオの敗因

すでにあちこちで語られ尽くした感がありますが(自分の回顧が遅いのですけどね)、前の馬のキックバックをレース中に初めて受け続けたこと、そしてスピードの持続にパワーを要する馬場コンディションが合わなかった、この2点が大きかったと思います。こうなると内枠があたったことはマイナスに作用したといえそうですね。

1コーナーで轍にモノ見してつまずいたことも敗因として挙げられていましたが、個人的には、少なくともフィジカル面での影響はそんなに大きくなかったように思っています。もし馬に精神的なダメージがあったなら、今後のレースに表れてしまうかもしれませんが。

レース前のイレ込みも見られました。無観客ということを考えると、確かに少しテンション高めでしたね。これも含めて、心身ともにまだまだ未完成というイメージはユニコーンSからあまり変わらず。それでも勝てるのではと思っていましたが、今回は能力がスポイルされる要因が積み重なってしまったという認識です。

坂井瑠星は初Jpn1制覇

東京盃に続いて、大井での重賞制覇。今度は「G1」制覇となりました。国際グレードに照らすとリステッドレースになりますが、日本の3歳ダート戦線を制したことには違いないでしょう。

序盤で先手を取り、勝負どころもひとつ早く仕掛けていくイメージがある分、坂井瑠星の特徴にも適う展開だったように思います。

結果が出たことでもうひとつ活躍の機会が増えるとよいな、と思っていたら2週の騎乗停止。好事魔多しといいますか、ショルダーチャージが過ぎたといいますか。カイザーノヴァの末脚はモーリスらしいそれでしたので、ひょっとしたらモーリス産駒と手が合うのかもしれません。復帰後の活躍を楽しみにしましょう。

ブラヴールの差し脚とフルフラット大敗と

馬場の巧拙が対照的にでたと思っていますが、ブラヴールはこの展開で唯一しっかり差し脚を伸ばしてきました。MXテレビの解説では前走の除外、一頓挫が悔やまれるとコメントがありましたね。順調にきていたらレースの要所要所でもう少し有利に立ち回れていた可能性はありますね。スタート後のポジション争いで後手に回らないなど。

一方のフルフラットは馬場もペースも合わずに大敗という見え方。府中マイルにも大井2000にも、軽い馬場にもタフな馬場にも、アドバンテージを見出せなかったという認識に至っています。今後の進路が難しくなったのでは。。。秋のローテーションが気になります。

最後に

線状降水帯という響きにだいぶ慣れてしまっていますね。停滞する前線の影響で、熊本や福岡では厳しい水害が続いております。まずは一刻も早い回復を祈るばかりです。

競馬に関してはやはり馬場コンディションへの影響が大きく、なかなかタフな馬場での開催が続いています。

先週は特に、日曜3場のメイン(ラジオNIKKEI賞CBC賞、巴賞)はすべて逃げ切り。もちろん三者三様の馬場コンディションなのですが、逃げが決まるというより差してこれないという印象が強く。予想する側も、梅雨時期のタフなコンディションへの切り替えが必要だなぁと思いながら、今週の七夕賞も外してしまいました。3連複の軸だったヒンドゥタイムズのポジションがもう少し前だったらなぁという反省しにくい結果。難しいですね。

福島の芝は相当インが掘れてしまっていますね。この1週間も晴れ間の少ない雨予報ですので、ラスト1週、どういう傾向がでるでしょう。

あ、日曜最終のダンシングプリンス。ダート1150mを日本レコードで走破して、船橋から通算して5連勝となりました。使いながらもうひとつパンプアップしてくれば短距離重賞、いけるのではないでしょうか。レコードの如何に依らず、先々が楽しみな走りでした。