more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

マイルチャンピオンシップ

インディチャンプの春秋制覇成りました。

先週と同じフレーズ、見え見えのスローというメンバー構成と枠順。グァンチャーレが嫌えばマイスタイルの逃げになるのは、展開で予想する方ですとおおよそ想定内だったことでしょう。さらに外枠から人気のダノンプレミアムが蓋をするような先行策に出るはずでしたので、規律があるといいますか、出入りの少ない整然とした道中の隊列が想像できました。

テン乗りの池添はこれに対して、先行ポジションを取りに行きながら落ち着かせるというミッションをもっていたと思われます。それをきれいに実現できたからこそ、4コーナーでダノンプレミアムの内、直線はそのダノンの抜け出しを目標にする差し勝負に持ち込むことができました。

あの下りまでをスムーズに進めることが簡単なようで難しいと理解しています。ドリージャーニー、オルフェーヴルステイゴールドの悍性とピッチの取り扱いを経験しているジョッキーですから、代打起用が見事に当たったというべきなのでしょう。

公式レースラップ

12.5-11.2-11.6-11.9-11.6-11.5-11.0-11.7

今年のマイルチャンピオンとして十分なパフォーマンス

前半3ハロン35.2、前後半の4ハロンは47.2-45.8。スローのマイルG1だったことでレースレベルを疑問視する声がありますね。

確かにスタミナの質を問うレースにはならなかったと思いますが、インディチャンプの高速巡行能力と言いますか、早い上がりを制して先行策をとり、ペースを上げて自分の土俵へ引っ張り込むような人馬がいなかったこともまた事実でしょう。

ひとが評価がなければエントリーもゲートインも逃げも差しもないわけで、戦前の能力見積もりからレースの展開まで、いまの日本のマイル戦線ではインディチャンプが一枚上手にレースできる特性だったと見るべきでしょう。アーモンドアイを除いて、という強烈なエクスキューズは着くわけですけどね。

タイキシャトルと比較するとみたいな議論は、すごく理解できると思う一方、いまを楽しめていない一面でもあるように思います。種類の違うチャンピオンですよね。

次走はダミアン・レーンで香港マイル

早々に発表がありました。主戦の福永は国内G1でしょうか。個人的にはあまり手の合わないタイプのように見えていますので、継続騎乗でもよいように思っています。どちらかというとノームコアで追い込んだような、動かしていくタイプというイメージが強いんですよね。

ノーザンファームのドライバー優先順にからめたツイートも目にしました。そういう見解もありますね。レーンの優先順が上なのであれば、次の世代のファーストドライバーへチャンスを渡すという戦略であり得るとは思います。

騎乗スタイルと馬のタイプが異なるからと騎乗依頼を避けていては経験豊富なファーストドライバーが将来いなくなってしまう、ある種の自業自得に陥る可能性もあるわけで。ではいつそうした「冒険」を行うか、それが香港遠征という判断になったとも受け取れます。

頻度の高い乗り替わりでファンの応援しにくさという視点が置き去りになっていなければよいのですけどね。なかなか全てを包括した結論はでにくいものと推察しつつ、です。

前日まではインディチャンプ本命

はい、直前に翻意してしまいました。あの追い切りを見て、枠順を見て、見え見えのスローなどとイメージしているのですから、インディチャンプ本命で発走を迎えるはずでした。3番人気にしめしめと思っていた次第です。

間が差したというよりは、ダノンプレミアムの可能性に賭けたくなっちゃったんですよね。このちょうどインディチャンプが差しやすいペースより少し速いか少し遅くなるのでは、などと邪念をもってしまったのが運の尽きでした。3連複は当たったのですが、本命の取り違えですから爽快感は少なめですね。

ダノンプレミアムは結果だけが伴わず

完璧だったと思います。3コーナーまでを目いっぱい使って徐々にインへスライドしていく運び方は、宝塚記念を8枠で制した人馬のようでもあり。途中、いったん外へ振って馬群のプレッシャーを逸らし、1頭分ずつインへ寄せて、順にモズアスコット、クリノガウディーの前をけん制するように横切っていくのは、リーディング争いにふさわしいコントローラブルな所作に見えています。パトロールビデオでどうぞ。

直線に入ってすぐ、川田は遠心力そのまま馬場の真ん中を通ります。もしインを走るフィアーノロマーノに寄せていったら、その後ろにいたインディチャンプはダノンの外へ交わすような進路取りになっていたでしょう。ダノンの外へ誘導するわずかなタイムラグが生まれていたら、1馬身1/2はもう少し縮まっていたかもしれません。

…そうしない男が川田将雅なのか。そう考えるとダノンプレミアム単勝買いは美しい負け方でもありますね。

マーフィー、スミヨン、武豊の狙いは近しいはず

ペルシアンナイトは終始インから2列目をキープ、3コーナーを待たずダイアトニックは内ラチまで切れ込んできました。カテドラルはその後ろから4コーナーまでインベタの追走。

マーフィー、スミヨン、武豊は3、4コーナーの中間で縦一列になりました。これ以上外を回すのは勝負にならない。個人的にはそういうメッセージを受け取っています。

昨年と同タイムで走破したペルシアンナイト、京都マイルのリピーターというよりマイルチャンピオンシップのリピーターなのでしょうね。仕上がりもよく、狙いすました仕上げだったように思えます。惜しむらくはラスト1ハロンあたりでインディチャンプの真後ろにはいってしまったことでしょう。

進路の確保をインに求めてカテドラルを邪魔してしまったわけですが、前方の池添がずっと左に鞭をもっていますので、それを見越してインディチャンプのアウトに切り返していたら、あるいは2着はあったかもしれません。カテドラルを妨害した後に立て直す挙動がありましたのでね。

ダノンキングリーは最終追いのテーピングが気になる

インから差を詰めての5着。昨年のステルヴィオよろしく、これしかないというポジショニングでしたが、選択肢がなさ過ぎたともいえるでしょうか。初の関西輸送、初の古馬G1挑戦、テン乗りの影響などなど、様々に敗因が語られています。もちろんはっきりしたことはわかりませんが、個人的には最終追い切りの映像でおやっと思っていまして。

左右とも、お尻に縦長にテープを貼っていたんですよね。1週前追い切り、毎日王冠の最終追いも確認してみましたが、いずれも貼っていませんでした。1週前追い切りがものすごく動いていたことを加味すると、ひょっとしたら1週前追いで思った以上に疲労を抱えたのかな、と邪推した次第です。

調べるとキネシオテーピングという単語に行き当たりました。これと同一かはわかりませんが、少なくともテーピングは負荷軽減や疲労予防ないし回復といった効果を目指すものと理解できそうです。

horsetaping.jp

レースでどのくらい影響がでたかはわかりません。因果関係を立証するのは難しいでしょう。そもそもの仮説の立て方から間違っているかもしれませんし。さらに言えばレース前に陣営からウィークポイントを自己申告することはまれでしょう。勝負ですからね。

予想の段階でこちらができることは、これらの状況を勘案したうえで自己責任で馬券を取捨することでしょう。自分は懸念のサインと受け取って評価を下げました。これが正解だったかどうかは、今後のダノンキングリーのパフォーマンス次第でわかるかもしれませんし、わからないままかもしれません。

当日は仙台から府中の会合へ参加

当日はお世話になっている方の会合に参加、いつもと違うワイガヤなノリの中でのG1予想になりましたが楽しく観戦いたしました。その後は府中駅から程なくのお店で反省会。あ、誰も反省していなかったので反省会ではなかったかな(笑)でもこちらも楽しい時間になりました。

実は当日朝まで仙台におりまして、よく考えるとなかなかの強行軍でした。月曜はバテバテかなと思っていたのですが、充実感が勝っていると動けるものなのかな。また参加できればと思っています。

最後に

さて、今週は外国馬ゼロのジャパンカップ。国際化≠ジャパンカップ、だと思いつつ、これまでの「日本vs海外」のシンボリックな図式で盛り上がりたい気持ちも理解しつつ、一気にジャパンカップの存在意義へ疑義を唱えるのも気が早いなと思いつつ。

…昨年から日本競馬の国際化について私見をまとめてきましたが(ずいぶん滞っておりますが。。。)、それともリンクする内容ですので、少し時間を見つけて言葉にしておこうかなと思っています。いちファンの感想レベルですけどね。

少なくとも今年のメンバー構成、十分面白く感じていますよ。