ファインニードル、春秋連覇成りました。
スタートから先行争いに加わったラブカンプーが2着、オーバーペース気味に逃げたワンスインナムーンが差のない6着。台風の接近もあり、渋った馬場コンディションでしたが、前半のラップは良馬場と言っていいそれ。上位に食い込むにはスピードとそれを支えるパワー、両方が問われたレースになったようです。
これを外目をまわって差し切るのですから、文句なしのチャンピオン。番手を控えて上がり勝負としたダイメイプリンセス、レッツゴードンキが追い込み切れない4、5着ですので、まさに見たまま、ほぼ1頭だけ差し届いたという強い内容になりました。恐れ入りました。
公式レースラップ
11.7-10.3-11.0-11.3-11.5-12.5
チャンピオンの差し脚はニュートラルな追走から
レース前から鞍上川田は、前半をニュートラルなスピードで追走することが、後半の切れを生むとコメントしていました。今回もそのパターンを崩すことはなかったようですね。
前半の追走は、手は動いているものの極力手綱でいじくらずに、出たままの縦のポジションを極端に損なわなければOK、という見立てがあるように見えました。そのニュートラルな前半のリズム作りは上手くいっていたでしょうね。
レース後のインタビューで「アレスバローズの位置がほしかった」とコメントしている通り、アレスバローズ藤岡佑介の早々のポジショニングが見事でしたね。いったん外に張った川田の間隙を突くようにインを押さえにいきました。セイウンコウセイを壁にできず、ひとつ外を回ることになったのは、アスリートのちょっとした間合い、駆け引きの結果であることがパトロールビデオから伺えます。
直線の脚色はパワフルでした。パンプアップした筋肉で強く掻き込むというわかりやすい見栄えではありませんが、アドマイヤムーンのパワーと切れは十分堪能できましたね。
BCターフスプリント or 香港スプリント
レース後、鞍上はゴドルフィンへの配慮を見せていました。ダーレー・ジャパンが北海道に牧場を構えたのはいつだったでしょう。スタリオン・コンプレックスにアドマイヤムーンを迎えたのが2007年の暮れ、種付けは2008年からのはずですので、10年越しではっきりした代表産駒が出た格好ですね。セイウンコウセイにはちょっと申し訳ないですけど。
そのゴドルフィンはBCターフスプリントを視野に入れている模様。セントウルS後に背中に疲れがでていたことを踏まえると、日程的にあまり現実的ではなさそうに見えます。もうひとつの候補、香港スプリントが賢明な選択でしょうか。来年現役を続けるならジエベレストなどいかがでしょう。はい、適当をいいましたよー。
モレイラの積極策は実らず
ナックビーナスは衝撃のキーンランドカップの内容から2番人気。モレイラが逃げたときの成績をTwitterで見かけましたが（正確な数値化はなんともですが）感覚値だけでもかなりのハイアベレージであるとピンときますね。
鞍上への信頼とナックビーナス自身の調整過程とを加味して本命にしましたが、レースで相応のパフォーマンスを発揮するには至りませんでした。スタートからプッシュしても、ワンスインナムーン、ラブカンプーには追いつけませんでしたものね。
番手に控える策もイメージしていたのですが、結果から振り返るとファインニードルにはやはり差されていたように思います。勝機を求めてのプッシュ。どうやらフラフラ走っていたようで本来の力は出せなかった模様です。
個人的には、札幌から中山、アンジュレーションが大きく異なるコース替わりがラストの粘りを失わせたように思っていますが、馬の体調もあったかな。モレイラのアプローチ自体は的外れではなかったとも理解しています。…ちょっと背伸びさせ過ぎてしまったのかもしれませんね。
3連覇は成らず
レッドファルクスは後方追走からほぼ見せ場なくの10着。4コーナー手前でラッキーバブルズの故障を避けるアクシデントがありましたが、あの位置から上位を脅かすには至らなかったでしょう。馬場も枠順も乗り替わりも、すべてがプラス要因にはならなかったと理解しています。1週前の立ち写真からこちら、多少の衰えを感じ続けてきましたが、このあとのローテーションでそのあたりも見えてくるかな。貴重な血統ですので、まずは無事に。
最後に
日付変わって秋の府中開催初日。楽しみにしていましたが台風接近と休日出勤が重なるなかなか難儀な土曜になりました、困ったものです。府中→パリロンシャン→京都→盛岡と、日～月は堪能できそうですので、あとは天候がサトノダイヤモンド向きになることを祈るのみですね。えへ。
府中の博物館も行かなければですね。今週、ではないかな。メジロの歴史も堪能したいと思いつつ、土曜を乗り切りたいと思います。グランアレグリア、シャドウエンペラーも見たかったなー。
