more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

ジェニアル、フランスG3制覇

望外の結果、というべきでしょうか。1頭取り消して4頭立てとなり、少頭数での立ち回りの難しさがジェニアルにどう作用するかと思っていましたが、力強いフィニッシュでしたね。

ポンと出したスタートから終始、武豊の熟練のペースメイクが大きかったかな。Twitterでは調教のよう、という感想も目にしましたが、はい、2ハロンの追い切りっぽいなと、自分もちょっとそう思いましたw でもあくまでレースはレース、ですね。

映像はこちら。

 

1000m過ぎたあたり、武豊がスッと促す一方で2着のジミートゥータイムズは手綱を強めに引いて抑えるアクション。結果、少し離す形になったジェニアル。追い出してからはいったんジミートゥータイムズが交わしていますが、追い出しに至るまでのこのスムーズさがラストに響いたと思っています。

上がり勝負ではディープの切れ味が勝った、とも言えるでしょうか。でも母サラフィナの切れも忘れていけないでしょう。自身はメゾンラフィットで走ってはいませんが、平松さとしさんの著作「クリストフ・ルメール 挑戦」では、瞬発力があったとのルメールのコメントが掲載されています。かかるタイプで苦労した、ともコメントされていましたので、息子は上手に走ったのですね。


メシドール賞を調べてみた

メシドール賞はフランス・メゾンラフィット競馬場のG3。フランス・ギャロにはレースを紹介するページがありました。

Course | France Galop

フランス語は読めませんのでGoogle Chromeの翻訳機能で何とか汲み取る形。しかし、ディープインパクトが「深刻な影響」と和訳されるのはなかなかw

過去の勝ち馬も掲載されていますが、2013年にフランスダービー馬アンテロがいるんですね。このメシドール賞をステップにジャック・ル・マロワ賞に進んでいます。王道ローテではなさそうですが、そういう選択肢にはいってくるレースでもあるんですね。

競馬場については、ジャパン・スタッドブック・インターナショナルのホームページに詳細がありました。

フランスの競馬場 - 公益財団法人 ジャパン・スタッドブック・インターナショナル (JAIRS)

しかし7月開催は2日しかないという。。。ここを狙うと考えた陣営、よく目配りができているなぁと思います。武豊がジョッキーだけでなくアドバイザーの役割も果たしていたでしょうね、きっと。


この後はG1挑戦

次走はどうやらモーリスドゲスト賞という報道。このタイミングで初の1300mかつ初G1チャレンジがどうでますか。個人的には馬場コンディションと追走スピードがかなりピンポイントで噛み合わないと厳しいかな、と思っていますが、直線競馬はわるくないのでは、とも。期待値こみこみで応援しようと思っています。


サラフィナの血統の還流について

現地ではどのように受け止められているのでしょうね。日本で似た事例は…と頭を巡らせてみましたが「日本のオークス馬が海外の牧場に買われて、その産駒が日本のG3を勝つ」と文字にすると、ないですねw

サラフィナ購入当時のニュース、ジャパン・スタッドブック・インターナショナルにレーシングポストの翻訳記事が載っていました。こうした記事のピックアップはさすがだなぁと思います。グッジョブ。

www.jairs.jp

ジェニアルのその後の動静はニュースになってくるでしょう。いろいろ見ていきたいと思います。


ディープインパクトの輸出経路は様々

今回の遠征、背景には主に欧州におけるディープインパクトの評価上昇があると推察します。そりゃあ、ね。サラフィナの血統も加味してかの地で評価が上がれば、という意欲的なチャレンジとみえております。

ディヴァインライトはおりますが、ある意味ではブルーオーシャン。金銭面や個体の体調は重要な要素と前置きしつつ(サトノアレスは残念でしたね)、海外遠征へのトライは歓迎したいと思っています。

しかし、日本では「(G1勝ちのない)条件馬の海外遠征」という評価について議論がすすみそうですが、G1勝ちを経ての海外遠征、という不文律のようなものはどこから来るのでしょうね。あくまでオーディエンス目線ですが、遠征のブレーキ要因にならないでほしいと願っております。

一方で、アンビシャス、サトノラーゼンなど、海外移籍によってその血統を広げる可能性も増しています。リアルインパクトなどのシャトル種牡馬ダノンバラードのような海外でのスタッドイン、そしてクールモアやダーレーによる種付け目的での繁殖牝馬の来日。ディープの血の拡散は様々な経路を持ち始めていますね。今回の遠征と果実は、その潮流の一部と理解すべきなのでしょう。

…先日トーセンバジルもオーストラリア移籍に向けて登録抹消していますので、ディープに限らないかもしれませんね。ハービンジャーもかー。トーセンバジルの母父フジキセキでちょっと納得感もあったりしますが。


最後に

日本では中京記念、グレーターロンドンがようやくグレードレース制覇となりました。蹄葉炎後も繊細な調整が要るようですので、それが東京と中山に偏った戦歴を生み出していたのでしょう。初の関東圏以外の遠征で結果を出しました。

過去の勝ち馬フラガラッハのような、中京マイルに際立つ適性を見出すタイプではないと思っていますので、この秋の活躍、期待したいと思います。京都でのパフォーマンス、みてみたいですね。

その先、海外に活路が見いだせないかな。せっかくのディープインパクトの血。などとファンの期待はいつでも身勝手、なのですけどね。