more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

セレクトセール2018

盛況でしたね。落札総額は過去最高を超えました。

 

相変わらず日常の金銭感覚ではとても測れない世界だなぁと思いつつ、速報はTwitterでちょいちょい見ていました。夏季休暇で遠出をしていたんですよね。例年だとJBIS-Searchのリアルタイム配信をチラチラチェックしているんですけどね。

そうですね、JBIS-Searchのリアルタイム配信は一般のファンに向けては強い呼び水になっているのでしょう。こうした方向にアンテナをもっているファンの中から、一口馬主になる方も出てくるでしょうからね。予め囲い込まれた有料配信でないところが素晴らしい点と思います。

テキストの落札結果もこちらから見れますね。JBIS-Searchの特設ページです。

live.jbis.or.jp
個別の落札価格と評価のバランスや各プレイヤーのお財布事情などは他に譲るとして、気になった点だけいくつかメモしておこうと思います。

吉田照哉さんのコメントが総括として秀逸

もう評論が不要とも思える内容。編集を抑えたコメント掲載と思われる競馬ラボの判断も秀逸と思います。

www.keibalab.jp

質問に立ったインタビュアーもよかったですね。1歳馬へのシフトは価格にしっかり表れていました。この切り口で吉田照哉さんからもうひとつ突っ込んだ見解が引き出せているでしょう。インタビュアーの下調べはエチケットでありリスペクトでもあると思います。


1歳馬へのシフト

セレクトセール当初の背景として、サンデーサイレンス直仔を早く買い求める傾向が強すぎたため当歳に人気が偏った、という事情があったと理解しています。当歳が人気だったのではなく、サンデー直仔の人気が当歳市場を後押ししていたわけですね。

当時に比べて中間育成の厚みが増し、コンサイナーという立ち位置も随分浸透してきたわけで、まだブレーキングもままならない当歳に高額を支払うリスクとのバランスは徐々に見直されていくのが妥当で健全な方向性だろう、などと外野からは見えております。

でもなー、セリに参加しているプレイヤーはいい意味でヤバいですからね。いろいろ戦略はあるにしても作戦指示の基調は「ガンガンいこうぜ」にしか見えませんから。当歳市場もしばらくは変わらないのかもしれません。昔から青田買いという言葉がありますしね。


ドゥラメンテの当歳

で、その当歳市場の魅力は特に新種牡馬の産駒をいち早く入手できることでしょう。1億超えはなかったようですが、市場全体が盛況だったのはこうした産駒も一定の価格で落札されたことが大きいように思っていまして。個人的に好きだった馬なのでこのあたりにも注目していました。


ディープインパクトが高すぎる問題

海外バイヤーによるディープ産駒の購入は、昨年から今年にかけての諸外国での活躍を加味しても少なかったように思いました。理由は様々でしょう、単に価格の問題だけではないはずですが、繁殖牝馬を日本に送ってくる動きが続いていることから(ファウンドが来日しているみたいですね!)、セリとは別のルートでの入手を優先していることが窺えます。

とすると、やっぱり高すぎるんだろうなと。為替の影響などがプライオリティを変える可能性はありますが、買った方がお得となるには諸条件が大きく変わる必要がありそうですね。まぁ、日本の馬場にローカライズしているからこそ日本のチャンピオンサイヤーであるわけで。何でもいいから世界から評価されましょう、ではないとは思っています。いやでも外貨獲得は大事かw

バジェットの大きいブリーダーの思惑は売る方も買う方も、目先のそろばんをはじくことに合わせて、血統の袋小路へのカウンターと販路拡大と、並行して考えていると思うんですよね。


ドバウィハイツ17の英国デビュー案

落札後に聞こえてきたニュース。いまのところの里見オーナーの見解、という受け止め方をしています。

ディープ産駒高すぎる問題とも関連しますが、どちらかというと、こうした交流の方が活発になっていくような気がしています。サクソンウォリアーで果たせなかったザ・ダービーの制覇。こうしてバトンがつながっていくのはファン目線では楽しみが大きくてよいですね。

リバティハイツをPOGで指名していたので、ちょっとだけ自分事だったりしているあたりが、とってもファン目線ですけどね。


最後に

新規馬主の参入も話題になっていましたが、ファンにしてもご新規さんは大事だなぁと。昭和の時分に、読者層の入れ替えを目的に雑誌のリニューアルがされていた、というブログを目にしたことがありまして。変わらず支える層と入れ替わっていく層が(結果的に)うまく共存し続ける業界は骨太と呼んでよいのかな、などと思っているところです。