more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

オジュウチョウサン平地初勝利

開成山特別、福島の2600を見事制しました。まさかこのタイトルで投稿するとは思いませんでしたね。あ、チャレンジ自体はポジティブに受け止めています。

 

不思議な山形をした梅雨前線が停滞し北海道から日本海側、何より東海以西で猛威を振るう一週間になりました。浸水、インフラの寸断等の被害に遭われた方にはお見舞いを申し上げる以上に遣る方無く、ニュースで推移を見届けているところです。

当然、競馬開催にも影響がでていまして、園田では7/6、高知では7/7に開催中止の判断がありました。可能な範囲を見極めつつ、平常運転することもまた肝要と思っております。土日の中央競馬は天候悪化しつつも開催できました。こちらもペースを崩さずに気になったことを書き留めてまいりますね。

福島の馬場も少なからずこの荒天の影響を受けたコンディションになりました。少し掘れる稍重は、おそらくはオジュウチョウサンに味方しましたね。


公式レースラップ

13.0-11.4-12.2-12.7-12.6-12.4-13.0-12.9-12.6-12.3-12.2-12.3-12.7

参考までに4/22の燧ヶ岳特別(500万下)、マイネルクラフトのラップも。こちらは良、今週は稍重ですね。
13.0-11.9-12.2-12.7-12.3-12.5-12.4-12.8-12.3-11.9-12.0-12.0-12.6


先行抜け出しの完勝

好スタートから4番手追走、4コーナーを待たずに先頭を窺い、そのまま押し切る内容。字面の通りの完勝でした。1、2コーナーでオジュウチョウサンより前にいた馬は9、10、11着と大きく着順を下げていますし(人気薄ですから大きく驚くところではないですが)。

自分が一瞬驚いたのは2ハロン目の11.4。マジで?と思って展開を見直してみましたが、ちょうど外から人気薄の2頭がプッシュしていた場面。武豊オジュウチョウサンに強いダッシュを求めていませんでした。先行2頭のラップにはお付き合いせず、おそらくは12.0に近いラップだったかなと。

そのままペースが下がったところでじっとして、じりじりとしたロングスパート勝負に持ち込みました。この進め方、勝負の仕方は武豊ならではと思います。負けても仕方なしと言える真っ向勝負にしましたし、スタミナに優れた鞍下の特徴を活かすエスコートでもあったでしょうから。にくいですね。

スタミナは足りても、トップスピードの差、そしてトップスピードの持続力の差で善戦どまりになるのかなと予想していました。馬場が悪化したことで馬場が担保できるトップスピードの上限が下がりましたよね(回りくどい言い方かな、切れ味が活かせないということですね)。これもオジュウチョウサンに味方したと思います。


今年の目標は有馬記念

レース後のオーナーのコメント、一部のマスコミではニュアンスが異なっていましたが、どうやら今年いっぱいは平地にこだわり、有馬記念を目指すとのこと。勝利の直後ですから気をよくしたところでコメントしたかもしれませんね。ただ、伝わってくる人となりからすると、おそらくは本当に平地で使える番組を検討していくのだろうなぁと思っています。

今年の3月号の優駿、杉本さんのインタビューコーナーはオーナーの長山さんがゲストでした。オジュウチョウサンがアイドルのようになって障害を盛り上げてほしい、というコメントがピックアップされています。サッカーボーイオルフェーヴルジェンティルドンナなどの一口馬主であった経歴からして、強い馬が盛り上げる競馬をより体感されているのでしょう。普通に競馬好きというのが伝わるインタビューですしね。

グランドナショナルに連れて行って勝ったとしてもどうなんだろう(=価値が高まるのか、という疑問のようです)、平地0勝では種牡馬も難しいのでは、といった発言もあり、そのあたりから考えると、今回の平地挑戦はいくつかの要因が重なったように見えています。

いまいまの競馬が盛り上がるための選択を求めたということ。
現状では多くて年4回しか競馬にだせないこと(ある種の機会損失)。
チャレンジそのものにリスクは低いこと(障害に戻れるという算段)。
もし結果が残せれば種牡馬価値の上昇につながる(=血を残す)可能性があること。

あくまで私見ですが、このあたりが視野に入った上で平地挑戦に踏み切ったのでは、と考えています。


障害馬の平地挑戦の是非

発表があってからこちら、勝利の結果がでた後も、変わらず議論が尽きませんね。見通しが甘いという玄人なコメントも、なめるなという主旨の発言も、ローテーションの決定はオーナーの専権事項という議論も目にいたしました。個人的にはいずれも微妙にポイントを外していると思っています。

現役時代に能力を試していなければ、繁殖としての評価に少なくないマイナスの影響がでるでしょう。馬主の自己満足だけでなく、周囲の評価を取り付けなければ、種付け頭数の確保が難しいという現状に変化は起きません。

馬にむやみな負担をかけないことを前提にするなら(それは平地も障害も区別ないことですね)、より評価を得られる可能性へチャレンジする精神は予め排除するものではないと考えます。適性というカテゴリーを打破する瞬間を、少し楽しみにして見守るのがよいのではないでしょうか。

…そうした既存のカテゴリー、既存の価値を越えることについてもぞもぞ書いたことを思い出しました。旧ブログdecadeにて。

keibadecade.blog98.fc2.com

一点、ファンの賛否両論の声はしっかりだしておきたいですね。特に、馬主のピントのずれた独断専行があるならこちらは興ざめする場面があるよ、というシグナルはしっかり出しておきたいところです。馬券を買うに値しない、という判断は何より厳しいわけですので(馬券の売り上げが日本競馬のキーですからね)。行き過ぎたファン至上主義もまた気持ち悪いところですけれども。


個人的には応援しつつ懸念点もあり

比較的恵まれた条件で平地初勝利を果たしましたが、個人的にはこのあとが苦しいだろうと予想しています。道悪は決して得意ではない、という鞍上のコメントは、今回は相対的な問題で、いっしょに走った他馬より苦手にしなかった、ということだと理解をしています。

また、肩回りの筋肉が平地向けにパンプアップすると、障害の飛越に必要な可動域を狭めてしまうのでは、という懸念もあるように思いました。12秒半ばから13秒台で走り続けるのと、11秒台を出すのとでは、筋肉の付き方が変わるのではという素人判断です。

そうしたリスクをしっかり勘案したうえでの挑戦なら、石神への同情論より馬の可能性を優先してほしいと思う次第です。シンプルにいうなら、どこまでやれるかみてみよう、ですね。もちろん、当事者の判断はこんなに軽くはできないでしょう。でもあの福島のスタンドを見ると、期待値はあがっていますからね。今後のローテーションを楽しみにしたいと思います。


ポレールの挑戦はまた別の事情

派生して、なつかしい話も目にしましたね。1997年の天皇賞春、マヤノトップガンが勝った年ですが、ポレールの挑戦も話題になっていました。ただ、この場合は斤量の問題から大障害以外のレースに選択肢がなくなり定量の平地重賞を使わざるを得ない、という事情があったと理解しています。

今回のオジュウチョウサンはより積極的なチャレンジですからね。同じ平地競走へのエントリーですが、だいぶ異なる事情だったと思います。


最後に

若干脱線し、かつ細かい点かもしれませんが、KEIBA.GO.JPサイトのトップページ、お知らせのエリアは初期表示が「pick up」タブなのですが、ここに開催中止のニュースへのリンクが表示されていないのが気になりました。「各競馬場」のタブ内にはあるんですよね。一番伝えないといけない情報と思うので少し残念に思いました。すみません、職業柄ですかね、気になりました。

www.keiba.go.jp