more than a SCORE

1996年から競馬を開始。20年続けてなお楽しんでいくための備忘録を兼ねた日記。

オークス

アーモンドアイ、圧巻の2冠達成でした。

 

府中のスタンドでゴール板通過を確かめてから「よし!!!!!」と大声で叫んでおりましたが割とまぎれるからご迷惑にはならなかったでしょうか。40過ぎたおっさんのガッツポーズが飛び出しましたよ。叫んだのは久しぶりな気がします。

直線仕掛けてからは、道中直後に控えていたレッドサクヤ、マウレア、サトノワルキューレを置き去りにし、ラッキーライラックとの加速力の差を見せつけ、粘りこむリリーノーブルを息長く差し切りました。タイムはジェンティルドンナのレースレコードにコンマ2秒、上がりはシーザリオの33.3をコンマ1秒上回っていますから過去最速でしょうか。破格ですね。


決め手はアーモンドアイの返し馬

本命、最後まで迷ったんですよね。当日のパドック、ラッキーライラック、リリーノーブルともに出来には申し分がなく。ラッキーライラックが早めに外々へ展開して先手先手で仕掛けるケース、リリーノーブルが早め先頭で押し切ろうとするケース。アーモンドアイのチャカついた様子は出遅れの暗示のようにも見えていまして。何を決め手とするか、脳内にいろいろなファクターがグルグル巡っておりました。

ちょっと言葉にしにくい感覚なのですが、「これだ!」とそのグルグルがまとまったのがアーモンドアイの返し馬でした。

なんでしょうね、馬場とのフィット、体幹、伸びやかさ、前進気勢、それを迎えるハミ当たり。4コーナーに向けて流していくフォームを見ながら、これまでのチャカつきは馬自身がレースを覚え始めた証拠であり、全力疾走を予感して高ぶっているサインだろうと。鞍上とのコンタクトはしっかり取れていましたからね。これで桜花賞より前で運ぶイメージが現実味を帯びてきた、といえば近しい説明になっていると思います。

負けるならハープスターのパターン、と想定していたので、その可能性が大きく減った瞬間だったかもしれません。すべて自分の脳内の出来事なので読み手の皆さまからすると「ふーん」というところですよねえ。そういう葛藤があったんですよw


公式レースラップ

12.6-11.1-12.0-11.9-12.0-12.2-12.4-12.3-12.4-12.2-11.1-11.6


1コーナーまでのポジション

アーモンドアイは五分のスタートから少し促されて先行体制に。すぐに手綱を抑え気味になりましたので、ルメールには突っ込み過ぎてしまう計算が立ったのでしょう。最終的には外から被せ気味になったランドネを前にやって、その後ろに控えての1コーナーでした。というより、この時点でラッキーライラックの外を取れたことが大きかったと思います。

そのラッキーライラックはスタートからニュートラルに進めて、リリーノーブルの後ろを取りました。前走は最内枠からプッシュしてポジションを取りに行きましたが、今回は距離延長もあり、同様のプッシュは選択肢になかったと推察しています。このあたりが勝負の明暗だったでしょう。

リリーノーブルは反対に出していくスタート。加速がついてから前に逃げ馬を置けるよう抑え込みにはいりました。チューリップ賞桜花賞もスタートから早々に控える戦略。かかってしまう懸念を抱える馬ですので、わるい癖をつけないようプッシュしてこなかった、という事情もあったでしょう。ただ、その分こちらのG1ではポジションを取りにプッシュできたわけですから、勝負事は因果なもの。

4着レッドサクヤ、5着マウレアより後ろは勝負に参加できなかったことを考えると、2ハロン目11.0でのポジション取りが勝敗を左右したといえそうです。ここで控える選択をしなかったルメールが2冠を引き寄せたわけですね。


アーモンドアイの手前替え

桜花賞に引き続き、興味深い指摘がありましたのでこちらにも掲載。良記事です。

blog.livedoor.jp
左前のエクイロックスは自分も気が付きました。蹄の内側でしたのでパドックでは見やすいですしね。生え変わるスピードから考えても、桜花賞から引き続き、繊細な調整を要したと推察されます。

ただ、この左前をかばっているかというと何とも言えないかなと。リリーノーブルを交わしにかかるところで左手前にスイッチしていますが、ここではルメールがハミをかけなおしたことに俊敏に反応した様子。馬に脚をかばう気がある場合、あんなにさくっと手前替えに呼応できるか、ちょっと疑問が残ります。その後一気に左に寄れていますが、これは右後ろの加速が強い、右後ろの推進力の向きが十分制御できていない、といった可能性も考えられますしね。

桜花賞の書き込みは旧ブログ「decade」に残していますが、このときから個人的なあまり見解は変わっておらず。まだ走りが未熟、ということなのかなと。ただ、桜花賞時よりも常識にかかってきたという感想はもっていますし、一方で、この回転襲歩を織り交ぜた独特な走法がチャームポイントになっていく可能性もあると思っています。

keibadecade.blog98.fc2.com


凱旋門賞は見送り

アーモンドアイ、ラッキーライラックとも凱旋門賞は見送り。特にアーモンドアイは力不足というより、しっかり蹄を立て直す必要があると思われますので、妥当な判断があったものと受け取っています。馬体の完成度からいっても、来年の可能性を探る方がよいのでしょう。

秋華賞からジャパンカップ?なら面白いですね。香港でも期待ができそう。いやー、まずは蹄ですよね。万全に整うことを願っています。


リリーノーブルは渾身の内容

川田は勝負に徹していましたね。先に抜け出すところまで、レースの運び方は申し分なかったと思っています。チューリップ賞からこちら、ラッキーライラックとの着差を徐々に詰め、今回先着となったのは継続騎乗を含んだ戦略の賜物でしょう。でも、1頭強い馬がいましたねぇ。悔やまれるのはそれだけ、だと思っています。

パドックで迷いに迷っていた間、リリーノーブル本命という印の打ち方が何度も脳裏をよぎりました。単勝の倍率はおいしいなぁ、とかね。この出来で最内枠なら控える戦略はマイナスと考えるだろう、という自分の仮説で自分をグラグラゆらす感じ。楽しくも難しかったなぁ。

レース後に剥離骨折が判明。幸い軽度ということで、秋の3冠阻止には間に合うようです。ブエナビスタに相対するレッドディザイアのようでもあり。楽しみですね。


ラッキーライラックの善戦

できればアーモンドアイより先に、直線で前方の視界をクリアにしたかったですね。1、2着より少し難しいレース運びを招いてしまったのは、これしかないという桜花賞のハンドリングだったと思っています。

1コーナーの少し手前でリリーノーブルの後ろにはいるのですが、リリーノーブルの横というポジションを諦めた瞬間のように見えていまして。11.0のレースラップでどこまでプッシュするか、という勝負をしきれなかった。それは桜花賞ではプッシュしていたため、というのが現在の見立てです。

背中からトモにかけてのメリハリが少し弱い独特な体つき。秋に向けてもうひとつパンプアップできるでしょうか。いまいまは秋華賞よりはエリザベス女王杯で楽しみなイメージを持っています。


最後に

今週もなかなかに忙殺されてしまいました。もっと早くに、テンションが高いうちに言葉をまとめておきたかったのですが、こういう時仕事というのはとても間が悪いものです。この金曜は日付がかわる直前までわちゃわちゃと業務をこなし、某所のガストでこれを書き散らしているところです。チーズINチーズONハンバーグ?チーズOUT IN OUTハンバーグ?疲れたカラダにはおいしく感じますね。

はい、ダービーですよ、ダービー。もう仕事のことは考えませんよ。ダノンプレミアム内枠と8枠の3頭を見てからは、なかなかにレースのイメージがあれやこれや膨らんでいるところです。

フサイチコンコルドのダービーから競馬に嵌った人間が、この中8週以上あいた異例のローテーションで臨む1番人気を見限ることができるのか。とても悶絶する取捨を迫られております。弥生賞以来でのダービー制覇、過去20年みても1例もありませんからね。歴史の堆積との勝負。人馬を見る目が問われておりますです、はい。

追い切りと枠順からは、ダノンプレミアムとブラストワンピース。特にダノンの立ち写真はものすごい見栄えですね。枠順と展開の妙からは、キタノコマンドール、ステイフーリッシュ、エポカドーロ、ジェネラーレウーノ。ステルヴィオワグネリアン、サンリヴァルは外枠スポイルという予感がしております。せめてサンリヴァルは乗り替わりがなければ。

でもまだまだ、結論はだしませんよ。当日の気配まで十分見定めて、ビシッと勝負したいと思います。