府中でディープインパクトの献花台に立ち寄った直後に一報に触れるという。。。残念です。
免疫機能の低下
JRAのリリースはこちら。社台スタリオンステーションの方のコメントに喪失感を新たにしました。
種牡馬引退の報からおよそ1カ月。ここのところは苦しい体調が続いていたようです。免疫機能の低下は以前から抱えていた、との報道は種牡馬引退時に報道されていました。自分もそのタイミングで記事をまとめています。JBIS-Searchの記録なども引っ張っていますので、よろしければ。
ディープインパクトに続いての訃報
直接的な連関はない訳ですが、訃報を受け取る側からすると「続いている」という印象になってしまうのは何ともです。
ディープの1歳上、18歳ですからまだ少し早いですね。先日シンザンの記録を更新したマイネルダビテ(素晴らしい限り)とまではいかなくても、もう少し長く生きていてほしかったというのが率直な感想です。
チャンピオン交替の時期はこれから
2010年以降、リーディングサイアーを獲った2頭が立て続けにいなくなってしまいました。個々の感慨を離れて影響のほどを語るなら、この点になるでしょう。
キングカメハメハは2010、2011年のリーディングサイアー。2012年以降は1位ディープインパクト、2位キングカメハメハという構図がずっと続いています。春先にG1馬がでていないこともあり、今年はさすがに2位は難しいかな。
平出さんのツイートでは昨年亡くなったサウスヴィグラスも引き合いに出されていました。より大局的な着眼ですね。
今年はJRAリーディングサイアー7回のディープインパクト、2回のキングカメハメハが天に召され、昨年も地方リーディング5回のサウスヴィグラスがこの世を去った。ここ数年は日本競馬過去最大級の種牡馬変革期になりそう。
— 平出貴昭 (@tpchiraide) August 14, 2019
サウスヴィグラスは2015年以降の地方リーディングサイアー。先日、中央・地方を合わせて4000勝を超えています。キングカメハメハは2013年に地方リーディングを獲得、この時はホッコータルマエがいましたね。その後は2、3位と上位に食い込んでいます。
3頭が近しい時期に亡くなり、これから数年は次のトレンドを見極める時期になるのかもしれません。すぐに産駒がいなくなるわけではないですけどね。変化を迎えるタイミングが、残念ながらとても分かりやすい形で訪れたと理解すべきなのでしょう。
以下はJBIS-Search、2019年8月11日時点での中央競馬のリーディングサイアーランキングです。キングカメハメハは6位ですね。
ラストクロップへの注目
そうですね、先の投稿では、セレクトセール1日目の夜に種牡馬引退を発表するビジネスライクなタイミングに対して少し皮肉を交えた書き方をしました。が、こうした状況に触れると、キングカメハメハの血を手にいれるチャンスが限られていることを真摯に伝える面が強かったのかもしれません。…両方かな。そのバランスが少し情緒に寄っていたような気がしているところです。
キングカメハメハ vs ディープインパクト
字面が強いですね。こうしたたらればで言葉を重ねることも大事と心得て。この2頭、活躍時期が重ならなかったためでしょう、未対戦を云々する記事やコメントはなかなか見当たらない印象があります。
キングカメハメハが4歳時も現役を続けていると仮定して、現実的な?対決は2005年の有馬記念でしょうか。ハーツクライがディープを抑え切ったアレですね。キングカメハメハが中山で好走しているイメージがなかなか湧いてこないのですが、アンカツがルメールをマークして、ルメールが少し早く仕掛けさせられて、キングカメハメハの好位差しが決ま…っていたら素敵ですねw
舞台設定だけでいうなら、おそらく京都の外回りではディープ、府中2000だったらキンカメに分があるペースにもなりそう。…いやー、これはちょっと興味深いですね。
完全なたらればですが、阪神2400での対決が一番の希望です。ディープの宝塚記念が阪神コース改修の真っ最中ですので、2頭とも改修後の阪神外回りは経験がないんですよね。早めに押し切ろうとするキングカメハメハ、差し切ろうとするディープインパクト。いやぁ、終わらない議論になりますね。
産駒が血を広げる
ロードカナロア、ドゥラメンテ、ローズキングダム、ここにラブリーデイ、ホッコータルマエ、リオンディーズ、ミッキーロケット、そしてレイデオロが加わります。直近の父系は安泰といえるでしょうか。…しかし、みんなタイプが異なりますね。
このあたりは望田潤さんの投稿でお見事な指摘を見つけています。
日本の高速馬場ではディープインパクトに、欧州芝12ハロンではGalileoに、豪州短距離ではRedoute's Choiceに、北米ダートではTapitに後塵を拝するだろうけれど、どこの国で種馬になってもリーディング2位はキンカメじゃないか
また、ちょっと意外でしたが厩舎を思い返して納得。スズカデヴィアス、コックスプレートへの遠征が決まったようです。キンカメの血はこんなところで拡大のきっかけを掴むかもしれません。
そうです、BMSについても触れておかないと。2019年8月11日時点で中央のBMSランキング3位。すでにダービーも有馬記念もエリザベス女王杯も安田記念も獲っていますからね。母系を通じた血の拡散もすでに進んでいます。キングカメハメハとのお付き合いは当面続いていきますね。
最後に
亡くなった後に産駒が走る、という古くからの語り口があります。週末の札幌記念、登録を見てみると、 クルーガー、ランフォザローゼス、サクラアンプルールは父キングカメハメハ。ワグネリアン、ブラストワンピース、ステイフーリッシュが母父キングカメハメハ。ディープインパクトと合わせると…予想が絞れませんねw
こうして血の影響を整理すると、亡くなった直後のショックとは違う感慨が湧いてきました。得難い影響に感謝しつつ、ひと区切りにしたいと思います。
お疲れさまでした。ありがとうございました。